2016年08月21日
今夜も、先週に引き続き、日本初の「ミッション型のお化け屋敷」を生んだ
お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんをお迎えしました。
五味さんは、長野県生まれ。
1992年、後楽園ゆうえんち、現在の東京ドームシティ アトラクションズで、
『麿赤児のパノラマ怪奇館』を手がけ、それ以降、大人が楽しめるエンターテインメントを目指して、
20年以上、活動しています。
今夜は、五味さんが「お化け屋敷プロデューサー」となるまでのお話しを伺いました。
日本でただ1人の「お化け屋敷プロデューサー」は、どのようにして生まれたのか?
五味さん自身に、注目しました。
──巡り合わせ
茂木:五味さんは、そもそも劇団だったわけじゃないですか?
五味:そうですね。お芝居をやらせていただいてて、それだけじゃ食べられないですよね。イベントの企画制作みたいなアルバイトをやっていて、後楽園遊園地のルナパークっていうイベントがあったんですよ。
そのプロジェクトに誘われて入って、いろんな企画を出す中で、お化け屋敷を大人向けにやろうとなったんです。それが、大駱駝艦の麿赤児さんに演出を頼んだお化け屋敷です。
茂木:前から麿赤児さんとは知り合いだったんですか?
五味:その時に初めて知り合ったんですけど、麿さんが大駱駝艦が後楽園遊園地で公演したいっていう話があって。
その話を進めながら、同時に、大駱駝艦にお化け屋敷をやっていただいたら怖いんじゃないかなっていうのを、恐る恐る話をしたら、”おもしろいじゃないか”という話になったんですよね(笑)。
茂木:本格派の怖さがありそうですね(笑)。
五味:白塗りをした大駱駝艦のダンサー達が、闇の中に潜んでいるっていうだけで怖いじゃないですか。すごくプリミティブなところから発想しているので、それがものすごく怖くて。いっぱいお客さんに来ていただいて大好評でしたね。
茂木:なかなか好評を得るっていうことは難しいですから。やはり、五味さんには才能があったわけですよね。
五味:本当に巡り合わせだったと思います。
──手探りの日々
茂木:五味さんは、ゼロからお化け屋敷を立ちあげられたってことですよね?
五味:手探りで全部作っていきました。
茂木:どのあたりが一番苦労されましたか?
五味:あらゆることですよね(笑)。お客様の入れ方にしても、当時はむちゃくちゃでしたから。
どんどん並んじゃうから、どんどん入れちゃったら中では大渋滞が起こって、お化けの前に10人も20人も並んじゃうみたいな(笑)。
初年度は手探り手探りで、どんどん改善しながらやっていたのが最初のお化け屋敷ですね。
茂木:いまのお話を伺っていたら、小道具、大道具、演技、演出……演劇そのものですね。
五味:自分の中にあるのって演劇のキャリアしかないので、演劇のやり方でしか作れなかったんですよ。
茂木:お客さんが少人数で入ってきて、経験する演劇空間みたいなものなのかな。
五味:そういう言い方もできます。それから、お客さんが席に座っているんじゃなくて、自分の足で歩きながら体験する演劇空間という言い方もできますね。
茂木:変な話、ゲネプロというか…自分たちで確かめるんですか?
五味:もちろんやりますよ。
茂木:ある意味じゃ、自分たちで作ったからネタバレしちゃってるじゃないですか。
五味:それは、大体このくらいになっていれば、お客さんは悲鳴をあげるなっていうのは分かるんですよ。
こういう風に出られたら、怖いよねっていうことは分かりますから。
茂木:逆に、”これ、怖すぎるから抑えておこう”みたいなのは?
五味:別にないですね(笑)。
茂木:じゃあ、マックス振り切っちゃっても?
五味:振り切っても大丈夫です。
お客さんが、”出たら終わりだな”っていうことを常に認識できていれば大丈夫です。”出口がない、追い詰められた状態”にお客様を置かなければ大丈夫です。
茂木:お客さんの中には、怖すぎて途中でどうにかなっちゃう人とかいませんか?
五味:泣いちゃう方はいらっしゃいますよね。大体はお連れの方がいらっしゃって、1人怖い方がいると、もう1人は冷静になるんですよ。
茂木:お話伺っていると、お化け屋敷に行くと絆が深まりそうですね。
五味:入り口で入る時よりも、出口を出た時の関係性のほうがずっと深いですね。
──「怖さだけを追求してても駄目なんですよね」
茂木:「弟子にしてください!」っていう人も、いるんじゃないですか?
五味:よくいらっしゃいますね。僕の場合、「ホラー好きです!」とか言われちゃうと、逆に「お化け屋敷に向かないかも。別の方向にいったほうがいいんじゃない?」って。
茂木:どういう方が向いてますか?
五味:どっちかというと、”人を楽しませたい”っていう気持ちが強い人のほうが向いてるんですよ。
楽しませたいの方法が、”怖いっていうことを使ってやる”っていうことなんですよ。
怖さだけを追求してても駄目なんですよね。
茂木:じゃあ、根底にあるのは人への愛ですね。
五味さんの今後の夢って、何ですか?
五味:ひとつは、海外のお客様に向けてやりたいっていうのがありますね。
去年、ジャカルタでやったんですよ。
茂木:どうでしたか!?
五味:すごい楽しんでくれて、”ちょっとちょっと!落ちついて!”っていうくらいなんですよ(笑)。
それくらい受け入れられたので、ジャカルタ以外のところでも展開したいと思っています。
茂木:楽しみですね。日本発のお化け屋敷の文化が世界中でね。ますます忙しくなりそうですね(笑)。
●「五味弘文 Twitter」
「オフィスバーン」オフィシャルサイト
来週は、絵本作家の西野亮廣さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。
お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんをお迎えしました。
五味さんは、長野県生まれ。
1992年、後楽園ゆうえんち、現在の東京ドームシティ アトラクションズで、
『麿赤児のパノラマ怪奇館』を手がけ、それ以降、大人が楽しめるエンターテインメントを目指して、
20年以上、活動しています。
今夜は、五味さんが「お化け屋敷プロデューサー」となるまでのお話しを伺いました。
日本でただ1人の「お化け屋敷プロデューサー」は、どのようにして生まれたのか?
五味さん自身に、注目しました。
──巡り合わせ
茂木:五味さんは、そもそも劇団だったわけじゃないですか?
五味:そうですね。お芝居をやらせていただいてて、それだけじゃ食べられないですよね。イベントの企画制作みたいなアルバイトをやっていて、後楽園遊園地のルナパークっていうイベントがあったんですよ。
そのプロジェクトに誘われて入って、いろんな企画を出す中で、お化け屋敷を大人向けにやろうとなったんです。それが、大駱駝艦の麿赤児さんに演出を頼んだお化け屋敷です。
茂木:前から麿赤児さんとは知り合いだったんですか?
五味:その時に初めて知り合ったんですけど、麿さんが大駱駝艦が後楽園遊園地で公演したいっていう話があって。
その話を進めながら、同時に、大駱駝艦にお化け屋敷をやっていただいたら怖いんじゃないかなっていうのを、恐る恐る話をしたら、”おもしろいじゃないか”という話になったんですよね(笑)。
茂木:本格派の怖さがありそうですね(笑)。
五味:白塗りをした大駱駝艦のダンサー達が、闇の中に潜んでいるっていうだけで怖いじゃないですか。すごくプリミティブなところから発想しているので、それがものすごく怖くて。いっぱいお客さんに来ていただいて大好評でしたね。
茂木:なかなか好評を得るっていうことは難しいですから。やはり、五味さんには才能があったわけですよね。
五味:本当に巡り合わせだったと思います。
──手探りの日々
茂木:五味さんは、ゼロからお化け屋敷を立ちあげられたってことですよね?
五味:手探りで全部作っていきました。
茂木:どのあたりが一番苦労されましたか?
五味:あらゆることですよね(笑)。お客様の入れ方にしても、当時はむちゃくちゃでしたから。
どんどん並んじゃうから、どんどん入れちゃったら中では大渋滞が起こって、お化けの前に10人も20人も並んじゃうみたいな(笑)。
初年度は手探り手探りで、どんどん改善しながらやっていたのが最初のお化け屋敷ですね。
茂木:いまのお話を伺っていたら、小道具、大道具、演技、演出……演劇そのものですね。
五味:自分の中にあるのって演劇のキャリアしかないので、演劇のやり方でしか作れなかったんですよ。
茂木:お客さんが少人数で入ってきて、経験する演劇空間みたいなものなのかな。
五味:そういう言い方もできます。それから、お客さんが席に座っているんじゃなくて、自分の足で歩きながら体験する演劇空間という言い方もできますね。
茂木:変な話、ゲネプロというか…自分たちで確かめるんですか?
五味:もちろんやりますよ。
茂木:ある意味じゃ、自分たちで作ったからネタバレしちゃってるじゃないですか。
五味:それは、大体このくらいになっていれば、お客さんは悲鳴をあげるなっていうのは分かるんですよ。
こういう風に出られたら、怖いよねっていうことは分かりますから。
茂木:逆に、”これ、怖すぎるから抑えておこう”みたいなのは?
五味:別にないですね(笑)。
茂木:じゃあ、マックス振り切っちゃっても?
五味:振り切っても大丈夫です。
お客さんが、”出たら終わりだな”っていうことを常に認識できていれば大丈夫です。”出口がない、追い詰められた状態”にお客様を置かなければ大丈夫です。
茂木:お客さんの中には、怖すぎて途中でどうにかなっちゃう人とかいませんか?
五味:泣いちゃう方はいらっしゃいますよね。大体はお連れの方がいらっしゃって、1人怖い方がいると、もう1人は冷静になるんですよ。
茂木:お話伺っていると、お化け屋敷に行くと絆が深まりそうですね。
五味:入り口で入る時よりも、出口を出た時の関係性のほうがずっと深いですね。
──「怖さだけを追求してても駄目なんですよね」
茂木:「弟子にしてください!」っていう人も、いるんじゃないですか?
五味:よくいらっしゃいますね。僕の場合、「ホラー好きです!」とか言われちゃうと、逆に「お化け屋敷に向かないかも。別の方向にいったほうがいいんじゃない?」って。
茂木:どういう方が向いてますか?
五味:どっちかというと、”人を楽しませたい”っていう気持ちが強い人のほうが向いてるんですよ。
楽しませたいの方法が、”怖いっていうことを使ってやる”っていうことなんですよ。
怖さだけを追求してても駄目なんですよね。
茂木:じゃあ、根底にあるのは人への愛ですね。
五味さんの今後の夢って、何ですか?
五味:ひとつは、海外のお客様に向けてやりたいっていうのがありますね。
去年、ジャカルタでやったんですよ。
茂木:どうでしたか!?
五味:すごい楽しんでくれて、”ちょっとちょっと!落ちついて!”っていうくらいなんですよ(笑)。
それくらい受け入れられたので、ジャカルタ以外のところでも展開したいと思っています。
茂木:楽しみですね。日本発のお化け屋敷の文化が世界中でね。ますます忙しくなりそうですね(笑)。
●「五味弘文 Twitter」
「オフィスバーン」オフィシャルサイト
来週は、絵本作家の西野亮廣さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。