オンエアレポート

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Wed

2023-06-21 ジャズピアニスト 海野雅威さん

ジャズピアニストの海野雅威さんが初登場!

2008年、アメリカ・ニューヨークに移住。
以降、NYを拠点として、ジャズ界のレジェンド
ドラマーの「ジミー・コブ」
ギタリストでヴォーカリストの「ジョン・ピザレリ」
トランペッターの「ロイ・ハーグローヴ」など
多くのミュージシャンたちと共演。

2020年にはアジア人ヘイトクライムの犠牲となり
NYの地下鉄構内で集団暴行に遭い右肩骨折などの
重傷に見舞われてしまいます。

その後、手術やリハビリを経て奇跡の復活を果たし
2022年に復帰アルバムを発売。

坂本龍一さんは
「抒情的でありグルーヴィーでもある。何と言っても過酷な状況を乗り越えて、真に演奏する喜びに溢れているアルバムだ。」
とコメントを寄せていました。

ちなみに、海野さんはかつて坂本龍一さんの事務所で
資料整理のアルバイトをしていたんだとか!

海野雅威さん
「本当にありがたいです。坂本龍一さんは
療養中に私のアルバムを聞いてくださって
ご感想をいただいた。状況は違いますけれど
復帰したいという願いを、同じように
感じていてくれた部分もあると思いますし
やっぱり音楽はどういう状況でも
自分から離れることはなくて。
坂本さんも最後まで音楽家として生きたかただし
僕も似たようなことを感じながら
音楽に励まされながら、必死で立っていた時期に
制作をしたので
坂本さんにコメントをいただけたのは一生の宝物ですね。」

美雨さん
「これは前作のアルバムへのコメントなんですけれども
今回のアルバムも同じように感じていて。
“叙情的でグルーヴィー”というのは、海野さんの
スタイル、海野さんから出てくる音楽そのものが
根っからそうなんだろうなと思いました。」


海野さんの復帰第2弾となるアルバム
『I Am, Because You Are』が5月24日に発売!

今作は海野雅威(p)、ダントン・ボーラー(b)、
ジェローム・ジェニングス(ds)による
ピアノトリオでの作品。

多くのジャズの歴史的名盤が生まれた聖地
ニュージャージーにある
「ヴァン・ゲルダー・スタジオ」で録音されたそうです。



美雨さん
「素朴な疑問なんですけど、ジャズの場合
特にセッションで曲が生まれて、きっちり楽譜が
ないときの終着点、どこで完成ってわかるんでしょうか?」

海野雅威さん
「基本的に何回もテイクを録っちゃうと
フレッシュさが失われることもあるし。
何かその、粗削りでも、一番熱いとき。
その時が来たら、わかるものなんですよね(笑)
言葉で説明できないですけれど、自然とみんなが
これでしょう、“This is take”というのは絶対にあって。」

美雨さん
「言葉にせずとも全員が一致する感じは
ミュージシャンは思い当たるところが、あると
思うんですけれど、特にジャズの場合はアンテナが鋭い。
それしかないというか。」

海野雅威さん
「不思議ですよね。だから目指しているものが
あるんだけど、ない。ないところは遊びの感覚で
残したいし、かといって何もプランがないのも
暇すぎるのはどうかという場合もある。
決め過ぎずに、決めなさ過ぎず、いい塩梅な
ところで、ジャズはハプニングする音楽だと思うんです。」