オンエアレポート

06
13
Tue

2023-06-13 映画監督 是枝裕和さん

昨日に続いて、映画監督の是枝裕和さんが登場!

是枝監督の最新作、映画『怪物』が現在公開中です!

今作の脚本は坂元裕二さんが手がけ
第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞されました。

監督がご自身の脚本以外で映画作品を撮ったのは
デビュー作「幻の光」以来だそう。

是枝裕和さん
「脚本はまだできあがっていなくて
ロングプロットという形で
詳細なあらすじをいただきました。
僕のなかでは、読む前にやると決めていました。
とても挑戦的な映画になると思ったので
やらせてくださいと、お引き受けしました。」

美雨さん
「坂元さんと、最終的にこの映画で何を残したいのか
何を伝えたいのか、お話をされましたか?」

是枝裕和さん
「監督と脚本家の組み合わせが
ほとんどないものですから…
脚本に書かれたものを通して
3年半〜4年近くキャッチボールを続けていたので
かなり理解をした上で参加しているんですけれど
何を伝えたいとか、この背景に何があったのかとか
そういうことは坂元さんも話されないし
僕も聞きません。
多分、お互いのことを一応理解して
尊重した上での共同作業。」

美雨さん
「聞いちゃいけないこともあるんですね。」

是枝裕和さん
「特に坂元さんの本は、あえて言葉にしないことが多いですし
今回の映画の脚本も、一番大事なことは
言葉にはなっていないので
僕が言葉にして聞いてしまうというのは
違うと思いました。」

美雨さん
「観たあとに観客として、これはこういう映画だと
すごく語りけれど、言葉にしちゃいけない気がしました。」

是枝裕和さん
「僕は語らなければいけないのかもしれませんが
多分、この映画が描こうとしているものは
言葉になり得ないものを、抱え込んでる人たちの話。
なるべくそれを言葉にせずに、伝えられればいいなと
思っています。」




そして、映画のラストシーンで使われた音楽は
坂本龍一さんの「Aqua」

この曲は坂本龍一さんが美雨さんのために作った
「in aquascape」のカバー曲。


是枝裕和さん
「色んな曲を色んなシーンにあててみたけれど
Aquaだけは一度も動かなかった。
映画のラストシーンに触れてしまうので
難しいんですけれど…
この曲は、なにかを、寿(ことほ)いでいる
祝福している歌だと思いました。
カンヌで出会った人たちにも、あの少年たちは
どうなったんだと聞かれて、一応僕は
こう考えていますと伝えたら
“そうだよね、じゃなきゃAquaはかからないよね”
と言ってくれる方が何人もいました。
だから、僕と坂元裕二さんが考えたラストには
坂本龍一さんのAquaは必要だった。」



――――――――――――――――
辻利の抹茶を飲みながらリフレッシュしていただく時間♬

Q.一息つきたいときにすることは?

「甘いものを食べます。
水ようかん、くずきりが好きです。」




☆今週のゲスト☆
6月14日(水)黒木瞳 さん
6月15日(木)貫地谷しほり さん