2021.09.01
16:00 THE TRAD「都心に潜む土砂災害の危険と備え方」


THE TRADでは
「都心に潜む土砂災害の危険と備え方」をテーマにお届けしました。

台風や線状降水帯など、
大雨災害に関するニュースを最近よく耳にしますよね。
土砂災害のリスクは山沿いの地域だけではなく、都心にも潜んでいます。

東京都の土砂災害警戒区域等マップによりますと、
例えば虎ノ門や六本木などを含む港区芝地区では、土砂災害が発生した場合、
建築物に損壊が生じ、住民の命に著しい危険が生じる恐れがある場所である「特別警戒区域」(レッドゾーン)と指定されている場所は20か所以上。他にも、レッドゾーンの次に危険度の高い「警戒区域」(イエローゾーン)が210か所、実は港区、23区の中で最も土砂災害リスクが高い区といえるのです。


ではどうやって、身を守ればいいのか。港区にある都心で一番高い山といわれる愛宕山に施された土砂災害対策を参考に、私たちの身の回りの危険な場所にどんな対策がされているのか気を付けてみましょう。


愛宕山の土砂災害対策

アンカーボルト
斜面をコンクリートで固めた壁から伸びた、
電車の連結部分のような鉄製の突起。
斜面とこのボルトがワイヤーで繋がれていて、
斜面の崩落を防ぐために、つっかえ棒の役割をします。
この下にはマンションなど住居もあるため、
絶対に土砂崩れを起こさせないためのかなり厳重な対策です。









斜面の段切り
山の斜面が広く階段状になっています。
この段切り形状は、上の段で土砂崩れが起きても
下の段で受け止めるという役割を持っています。
また、階段状にすることで全体の傾斜角度を緩くする効果があるため、
大きな崩落が起こりにくくなるというメリットもあります。
先ほどのアンカーボルトのような新しい技術の一方、
この段切りは江戸時代からの対策なのだそうです。









斜面を支える樹木
自然に山に生い茂る緑の力も土砂災害には重要です。
木のほかにも、下草などちいさな緑が山を包んで、
根でしっかりと流出を防ぐ役割をしてくれます。

このように愛宕山は最新技術から昔からの知恵、そして自然の力も使って、
土砂崩れを防いでいるんです。自分が住んでいる場所はもちろん、
よく行く場所でこういった斜面があるなど危ないと思う場所は、
どんな対策がされているのか自分の目で見て確かめることが、身を守る1歩になります。

では実際に大雨が降ったとき、土砂災害の予兆を目や耳で感じることができるのか、そしてなによりどうやって身を守ればいいのか。
防災システム研究所の山村武彦所長にお聞きしました。


山村武彦所長:
濁った水が流れてきたりとか、
石ころが落ちてきたりとか前兆現象がある場合もありますが、
ほとんどの場合無いですね。特に都心部・都会などでは
顕著にみられたケースは比較的少ないです。
ですから、前兆がないから安心安全ではない。
今までは垂直避難を呼び掛けていましたが
土砂災害の場合は必ずしも2階が安全とは限らない。
できるだけ土砂災害警戒情報や
気象庁ホームページのキキクルという危険度マップを見て危険を察知したら、
安全な場所への立ち退き避難ということを早めに行うことが大事だと思います。


災害はいつ起きるかわからず、自分自身で身を守るしかありません。
普段は、ハザードマップはもちろん、目でも見て土地の危険を理解して、
災害の危険を察知したときは、すぐに安全な場所に避難すること、これを心掛けてください。




2021.09.01
14:00 山崎怜奈の誰かに話したかったこと。 「坂道が危ない!?地名には要注意」


毎年、防災の日にお送りしている防災ワンデー。
今年は「首都圏に線状降水帯が滞留したら 水災害に備える 首都圏ノウハウ」と題して線状降水帯に着目してお送りしています。
「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」では
坂道が危ない!?地名には要注意」をテーマにお送りしました。


取材で行ってきたのは、「だれはな」ということもあり「乃木坂」です!
水害に詳しい専門家の土屋信行先生と乃木坂から赤坂の「赤坂通り」を歩き、
「坂道に潜む危険」について、お伺いしました。
そして坂道を下って、少しすると、建物の奥にがけ地が見えてきました。
そこで土屋先生は擁壁のあるところに注目しました。


土屋先生:
見ると、古そうな大谷石っていう石ですが、あの石は一番有名なのは、
以前の帝国ホテルに使われていた石で、風化しやすいという弱点も持っています。当時はまだ許されていたのですが、今ではもう土留め壁には使わない石材です。
もう既に50年ぐらい経っているかもしれませんね。
そういう点では、大きな雨が降ったりすると、土砂崩れの可能性もあり、
擁壁自体の強度が弱くなっているので、危険と言えます。
 








坂道を下っていきますと、坂の一番低いあたりにつきました。
そこで発見したのは、地下室の前に置かれていた「土のう」でした。
地下室も浸水すると危険で、30〜40センチの水深があると
地下室のドアが大人でも開かないくらいの水圧がかるそうです。
土のうを積んで浸水を防いでいるということでした。

この土のうですが、都内の23区では無料で配布や貸し出しを行っています。
「土のうステーション」という名前で
土のうが提供されている自治体もあります。


続いて、土屋先生と発見したのは、
土のうが置かれていた地下室の隣にあるビルの入り口でした。
このビルの入り口は若干上り坂になっていたのですが、
実はこれも浸水対策です。

これは、道路が低い分、浸水を防ぐために
少しでもビルの敷地を盛り土して坂道を作り、
安全を確保する建築方法だということです。
そして、今回歩いた赤坂の坂道では
お店の入り口が階段になっているなど、
工夫されている例が多く見受けられました。
このあたりでは、
「過去の浸水の歴史がきちんと語り継がれているのではないか」と
土屋先生はおっしゃっていました。











今回は坂道に注目をしましたが、
乃木坂や赤坂の様に地名から読み取れることがあると、
土屋先生は教えて下さいました。

土屋先生:
地名というのは、長い間の歴史の中で先祖の方が私達に、
ここは危ないぞというのをきちんと伝えたい、そのために付けてくれた
危険情報のシグナル」だと思ってほしい。
「坂道」とか「谷」という地名のついたところでは、
何かしらあるぞと思ってちょっと調べてみる。
それはまた歴史探訪にもなるので、楽しみながら危険を文化にする、
そういう感覚で備えてほしいと思います。


「坂」が付く地名以外にも地形を示す「谷」、「窪」
そこを流れる川や水の形を示す「合、袋」などがあります。
一例ですが、荻窪、祖師谷、落合、池袋などがあるとのことでした。
また、道路の名前で「千川通り」や「蛇崩川(じゃくずれがわ)緑道」と
川と付いた通りがあると思いますが、これは、かつては川だったところで
今は地下に埋められた通りです。
ここも、元々は川筋ということで大雨の際は道路が川になり、
流れも速くなりやすいので注意ということです。




2021.08.31
19:00 首都圏に線状降水帯が滞留したら 水災害に備える 首都圏ノウハウ


【Blue Ocean】
「都心のど真ん中に潜む水害の危険」

Blue Oceanとゆかりのある「銀座の街」
から、線状降水帯が降った時の災害について考えます。
ポイント,話浪偲
ポイント△話肋
地下と地上に意外な水害の危険が潜んでいます。
銀座の街から
あなたの街の備えへと繋がるお話しをお届け!

【山崎怜奈の誰かに話したかったこと。】
「坂道が危ない!?地名には要注意」

坂道は道自体も斜面。道路の両側も斜面地です。
つまり水が集まりやすく、
線状降水帯のような雨が降ると道路が川の様になってしまう恐れがあります。
今回、水害に詳しいリバーフロント研究所の土屋信行先生と一緒に
乃木坂から赤坂にかけての坂道を歩きながら、
坂道に潜む危険、坂道の浸水対策、
「坂」という地名から読み取れることについてお話を伺います。

【THE TRAD】
「都心に潜む土砂災害の危険と備え方」

大雨の際は浸水被害だけではなく、
土砂崩れなどの災害にも気を付けなくてはなりません。
山沿いの地域だけが危ないと思いがちですが、
東京23区にも土砂災害リスクは多く潜んでいます。
もしもの災害から身を守るため、何に気を付けて生活をすればいいのか。
都心で一番高い山、港区の愛宕山が持つ多様な土砂災害対策を見ながら、
五感を使って気を付けられるポイントを考えます。

【News Sapiens】
「すり鉢地形から考える浸水対策」

都内にある、すり鉢地形と言われる「渋谷」
渋谷の街は名前の通り、谷の街です。
ここで、短期間での大雨が降ったら?
この地形ならではの水害の恐怖と、
地下貯留施設などのハード面について、
水曜日曜日別パートナーの永濱利廣さんと考えます。




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