突然ですが、非常用持ち出し袋の中に歯ブラシなどの
口腔ケアグッズは入っていますか?災害が起きた時にも、
口内の健康に注意をしないと虫歯や歯周病などのトラブル
だけでなく、インフルエンザや誤えん性肺炎など、
身体への影響を及ぼす可能性もあります。

そこで、今朝は、
「災害関連死防止 口のケアが命を守る?!」
と題してお伝えします。

避難所生活などで歯磨きや入れ歯の掃除が十分にできないと、
食べ物や唾液を、誤嚥した時に口内の細菌も肺に入って、
誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。

2016年の熊本地震では、
自宅や高齢者施設などでは呼吸器系疾患でなくなる方も
多かったといわれていて、県内の災害関連死218人のうち、
呼吸器系疾患でなくなった方は63人でもっとも多くなりました。

避難所では、水不足で歯磨きを控えたり、
入れ歯の手入れができなかったりして口の中の衛生環境が
悪化しやすくなります。また配布されるパンやおにぎりは、
高齢者には飲み込みにくく、疲れやストレスで唾液がでにくくなると
一層誤嚥のリスクが高くなりと言われています。

日本歯科医師会は、2022年に、
「日本災害歯科支援チーム」を設立し、
発災後およそ72時間以降に被災地に入って、
歯科診療や口腔ケアなどの支援も行っています。
また、日本歯科医師会は、
災害時の口腔ケアについてホームページで紹介しています

歯ブラシがない場合は、ティッシュペーパーで
汚れた歯の表面を取り除く事や
口の中の汚れを洗い流したり、食べ物を飲み込むのを助けたりする
唾液を出しやすくするマッサージ方法が掲載されています。

口腔ケアの方法
水が少ない場合は、
おおさじ2杯分の水を用意します。
その水で歯ブラシをぬらして、歯を磨きます。
歯ブラシが汚れたら、ティッシュでふき取りましょう。
コップの水を少しずつ口に含んで2〜3回に分けてすすぎましょう。

水が使えない場合は、
耳の下やあごの下、ほおをさすったりもんだりして
唾液腺をマッサージしましょう。

あ、い、う、と発音する様に大きく動かし口の体操をしましょう。

また、入れ歯は、すくなくとも1日に1度は外して
ウェットテッシュやガーゼなどで汚れをとりましょう。

非常用持ち出し袋に入れて貰いたい、
口腔ケアグッズとしては、
「液体歯磨き」お「歯磨きシート」があります。

平時と同じく災害の時も注意して貰いたい口腔ケアですが、
災害への備えとしては意外と後回しにされがちかもしれません。
非常時には自分の身は自分で守るのが基本になります。
口腔ケアグッズは、口の中のトラブルや感染症から身を守る為に
必要なアイテムです。
是非、災害備蓄にも用意しておきたいですね。



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