あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で美しいライフスタイルを!

5000年以上の歴史を持ち、クレオパトラも愛した植物との暮らし。植物と向き合い、植物の声を聞くライフスタイルや、ボタニカル・フードのとっておきレシピ。植物の世界からあなたに届く「美しい贈り物」です。

―この番組は、2021年3月で終了しました。―

2017.02.24

Botanist11
日本の野花で四季を伝える〜銀座「野の花司」

  • Botanist
東京・銀座にある「野の花司(ののはなつかさ)」は、都会にありながら古民家のような佇まいをみせるお花屋さん。店内には、日本各地から送られてくる山野草や花でアレンジされた花束、鉢、寄せ植えが並び、季節感に溢れています。


植物と素敵に関わる人を紹介する「ボタニスト」。今回は銀座にある、野草・茶花の専門店「野の花司」をご紹介します。


四季を生きる。日本の「野の花」の魅力
銀座「野の花司」は、日本各地の山中などに自生する野の花や山野草を取り揃えた、野草・茶花の専門店です。店頭や店内に並べられた花たちは繊細で奥ゆかしいものばかり。一目で鮮やかさが飛び込んでくる洋花のフラワーショップのような派手さはありませんが、青々とした野草の寄せ植えの中に白いお花が可憐に顔を出していたり、クネクネと曲がった枝のあちこちに、爪の先ほどの小花が咲いていたり、かわいらしい実がなっていたりと、まるで自然の中で佇んでいるようなたくさんの発見があります。温室ではなく自然の中で育つ野の花。日本各地から、その季節・その土地でしか採れないものばかりを取り揃えるため、品揃えは季節によって大きく変わります。野の花の一番の魅力は季節感を伝えてくれること。足を止めて夢中になって花を覗き込んでいると、都会にいることを忘れ、いつの間にか心が穏やかに癒されていくのが実感できます。


「日本の自然」を追求するアレンジメントや花束
「野の花司」は、もともと骨董や古民具が好きだったオーナーが、「骨董や古民具に合う花がなかなか手に入らないので、自分で集めよう」と始めた花屋さんです。店内は常に50〜60種類の自然の草花で溢れています。そのまま贈るにはかぼそかったり、曲がっていたりするものもありますが、アレンジメントや花束になることで、温室で栽培された花にはない、たくましい生命力に溢れた存在に変わってゆきます。ここに務めるスタッフの一人大澤央枝さんは以前は、結婚式や披露宴を彩るブライダルフラワーアレンジメントを手がけていましたが、そこでは色・形のバランスを美しく、華やかに魅せることに徹してきました。それに対して「野の花司」のアレンジメントの特徴は、「そこに山や野原があるように見え、ひとつひとつの花が生きていること」。一本一本と対話しながら、花の咲いていた場所、それぞれの表情、生命力を感じ取る。そんな丁寧な仕事によって、自然の野の花がより輝いて見えるのです。



銀座だからこそ広がる「野の花」の愉しみ方
「銀座という立地を生かして、多くの方に自然の花の魅力を伝えていきたい」と大澤さんはおっしゃいます。郊外で野の花の魅力を伝えようとしても、近くに生えていて見慣れているため、当たり前に感じてしまいますが、ビルに囲まれた大都会では、野の花に感銘を受けてもらえ、手にとって感動していただきやすいのだとか。さらに、様々な一流の店が並ぶのも銀座ならでは。和食をはじめとした色々なお店の方が、上品で癒しを与える存在として、店内に飾る野の花を買いに訪れるのだそうです。「店内のお花を『かわいいね』と言ってもらえると、まるで自分の子どもが褒められたかのように嬉しい気持ちになります。気軽に店内に入っていただいて、野の花の世界に触れてもらいたいですね」


野山や庭に咲く花で四季の移り変わりを実感していたという、幼い頃の記憶。銀座にいながらそんな体験を楽しむことができるのも「野の花司」の魅力。花屋としてだけでなく、季節の野の花を生けるアレンジメント教室、絵手紙・ステンシルなど植物を題材にした手芸教室にも力を入れていらっしゃいます。野の花を愛でながら食事を楽しめる「野の花茶房」なども併設。可憐な美しさの中に、自然の生命力と力強さを感じさせてくれる「野の花」に会いに、一度訪れてみてはいかがでしょう。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。2月はスタイリストの高橋靖子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


野草・茶花専門店 「野の花司」
営業時間 10:00〜19:00/日曜・祭日11:00〜18:00
住所 東京都中央区銀座3-7-21
TEL 03-3535-6929/FAX 03-3535-6930
www.nonohana-tsukasa.com

2017.01.27

Botanist10
老舗盆栽園「清香園」五代目・山田香織さんの語る、身近に小さな自然を置く幸せ。

  • Botanist
鉢の中に植物の生命力が息づく盆栽は、一緒に四季を感じ、年を重ねることで、人の心に潤いと豊かな日々を届けてくれます。なじみのない方もいらっしゃるかも知れませんが、身近に自然を置く幸せを感じてみませんか。


植物と素敵に関わる人を紹介する「ボタニスト」。今回は江戸時代より続く老舗盆栽園「清香園」の五代目・山田香織さんが教えてくれる、盆栽の魅力と植物と触れ合う喜びです。


盆栽のある暮らしの魅力とは?
鉢の中に再現された、見事な枝ぶりの自然の造形。鉢の中で時間とともに生を育み、成長を重ねる盆栽。「鉢の中の小宇宙」とも言われる盆栽の源流は諸説ありますが、もともとは山水画や詩の大家が「都市に住みながら、山深い地の情景を求めたこと」からとされています。鉢植えが植物そのものを鑑賞するのに対して、盆栽は植物を通して、自然の世界や風景を鉢の中に映し出すもの。盆栽は「自然の風景を見立てる遊び」とも言われており、 鉢の中に自然の風景を作る行為は、自然を感じたいという人間の本能を刺激して人生に喜びをもたらしてくれます。また、盆栽は通常の鉢植えと比べて長く育てるので、ゆっくりと姿を変えてゆくそのさまは、自然界の悠久の時の流れも感じさせてくれます。草木や植物が植えられた庭がなくても、一鉢の盆栽を通じて四季折々の自然や植物の生命力を間近に感じることができるのです。



老舗盆栽園五代目・山田香織さんの盆栽への思い
実家の盆栽園が幼い頃の遊び場だったという山田香織さん。幼少期より盆栽を通じて草花に親しみ、一人娘として家業を継ぐことを意識していたものの、思春期の女の子にとって、盆栽が魅力的だったわけではありません。盆栽イコール年配者の趣味というイメージに、家業が少し重荷に感じていました。大学卒業後の進路にシステムエンジニアとしての道も目指していましたが、最終的に、盆栽の道へと進む心を決めたのは、「もっと若い方や女性にも盆栽を広めたい」という思いでした。

折りにふれて両親に教えられた盆栽の知識や魅力、そして幼い頃から盆栽に間近に触れて感じたことなどを、同世代の人に伝え共感してもらうため、卒業を待たずに実家の「清香園」の中に自らの盆栽教室を立ち上げます。 「盆栽で生きて行こう!」そう決心したとき、生まれて初めて晴れ晴れとした思いを心に持つことができたそうです。

四季の積み重ねの中、ゆっくりと成長してゆく盆栽。急ぎがちな世の中でつい前のめりになったり、自分を失いかけた時にも、盆栽は心にブレーキをかけてくれたそうです。「落ち着いた心の状態を作ってくれる盆栽の魅力を、忙しい現役世代の方にこそ体験して欲しい」とおっしゃいます。


「彩花盆栽」で楽しむ小さな自然
もともと盆栽は一本の木で自然の風景を表現するものですが、この風景作りをより具体化するために、木だけではなく草花を寄せ植えして、より季節感を楽しめるものにしたのが、清香園のオリジナル盆栽「彩花盆栽」です。「盆栽は敷居が高い、費用がかかる」そんな声を受けて、花束を買う感覚で盆栽を楽しんでもらいたい、とその魅力を伝えています。

盆栽で使う木は針葉樹が多い中、「彩花盆栽」では落葉樹や桜、梅などの花も多く使い、春の花、夏の青葉、秋の紅葉、冬を耐える木の枝の感触、などまさに自然の野原、森を自由にイメージして鉢の中に再現しています。また、パステルカラーの鉢を使うなどの工夫もして、楽しく盆栽の世界観が伝わるようにしています。この「彩花盆栽」を集合住宅のベランダやモダンな家具のあるお部屋の一角に置くことで、身近に自然を息づかせることができます。そして、この小さな自然が届けてくれる、日常の中での心潤う豊かな時間。「もっと若い方や女性にも盆栽を広めたい」、そんな山田香織さんの思いを込めた新しい盆栽の形が、この「彩花盆栽」です。


春を待つ今の時期は盆栽を始めるにはとても良い季節です。特にこれからの季節におすすめなのが、「小さな桜の木を植えた彩花盆栽」。冬の寒さが開花へのシグナルとなる「桜」。これから春までの間、水をやったり、置き場所を考えたり。待ちこがれた春には自分が手をかけ咲かせた花で、きっといつもと違う春の到来を味わうことができるでしょう。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。2月はスタイリストの高橋靖子さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。


山田香織(やまだ・かおり)
盆栽家。盆栽「清香園」五代目。1999年に彩花盆栽教室を設立し、主宰。父、山田登美男氏の創始した彩花流盆栽の第一後継者として、雑誌、テレビなどで活躍。盆栽界に新風を吹き込む。NHK「趣味の園芸」のキャスターを2008年から2011年まで務め、その限られた空間に景色を表現する作風は、女性や若年層を魅了している。 二児の母。著書は「だれでもできる 小さな盆栽の作り方・育て方」(家の光協会)、「知識ゼロからの彩花盆栽入門」(幻冬舎)、「山田香織の盆栽スタイル」(NHK出版)。
2012年 大宮盆栽美術館にて 個展「祈りと喜」
2015年 大宮盆栽美術館にて 個展「Essence of Bonsai 山田香織の盆山十徳」

2016.12.23

Botanist9
ニューヨークを彩る世界最大級のクリスマスツリーを支える人たち

  • Botanist
アメリカ、ニューヨークを代表するランドマーク、ロックフェラー・センター。毎年ここに据えられ世界中から注目を集めるのが、高さ20メートルを超える、世界最大級のクリスマスツリーです。 ニューヨークのクリスマスの象徴とも言えるこの巨大なツリーの輝きの裏には、伝統と緑を守るガーデンチームの活躍があることをご存知ですか?


植物と素敵に関わる人を紹介する「ボタニスト」。今月は、ニューヨーク・ロックフェラー・センターのクリスマスツリーを巡る物語です。


シーズン到来を告げる希望のツリー
マンハッタンの観光、ビジネスの中心地であるロックフェラー・センター。ここに巨大なクリスマスツリーが運ばれてくると、ニューヨークは本格的なクリスマスシーズンを迎えます。最初にこのロックフェラー・センターにクリスマスツリーが立てられたのは、世界大恐慌直後の1931年のこと。センターの建築現場だった場所に、高さ6メートルのツリーを立てたのが最初と言われています。点灯式が正式に始まったのはセンターの一部が完成した1933年からで、それ以来、明るい未来を祈る希望のツリーとして人々に愛され続けてきました。ツリーに使用する常緑樹が、「常緑」、つまり冬場でも葉を落とさず常に緑を保っていることから、力強さ、永遠の命、神の永遠の愛を象徴するという思いを込めて飾られます。


最高のツリーを探し続ける、ガーデンチームの一年
ニューヨークのクリスマスの象徴として立てられるロックフェラー・センターのツリーは、このセンターの緑化を管理するガーデンチームが選び抜いた、一年で最高のもみの木です。選ばれるツリーの条件は、高さ20メートル以上、幹の周囲が14メートル以上あること。そして丈夫で悪天候に耐え、数万個ものLEDライトを支えるため、しっかりとした枝振りであること、また、左右対称で形が美しいことも求められます。

ガーデンチームのスタッフは1年を通してこのツリー探しに奔走します。チームは6人体制で、ヘッドガーデナーのErik Pauzeさんはツリー探しのキャリア30年のベテラン。まず、飛行機やヘリコプターに乗って空から探し、候補になりそうな木を見つけると、今度は実際に訪れてその木を下からじっくり眺め、状態を見ます。ツリーが見つかるプロセスは、毎年それぞれで昨年は、持ち主が応募してきた写真がきっかけでした。最高の木を求めるためなかなか条件にあったものが見つからず苦労する年もあります。そのためチームのスタッフは、郊外の友達や家族に会いに行く時や旅行やドライブの時も常に周りを見回し、一年中いい木がないかを探しているのだそう。彼らにとって、クリスマスツリーを探すのは生活の一部のようになっています。

ちなみに、いい木は森の中ではなく普通の家庭の庭に植えられていることがほとんどで、今年飾られているツリーもニューヨーク州郊外の家の裏庭にあったもの。持ち主からニューヨークへのクリスマスプレゼントとして無償で寄付され、飾られた電飾はセンターの屋上に据えられたソーラーパネルの電気で、クリスマスシーズン毎夜輝き続けます。


クリスマスツリーが生み出す緑のサイクル
ツリーは見つけて、飾り付けて終わりではなく、翌年1月7日まで美しく保つことも、彼らガーデンチームの大切なミッションです。毎朝ホースで大量の水を足し、周囲を掃除し、雪が降れば除雪作業を行います。世界最大級のツリーは、チームの根気と体力に支えられているのです。そして、約1ヶ月に渡りニューヨーカーや世界中から訪れる人々を楽しませたあと、このツリーにはもう一つの大切な役割が残っています。第二の役割として、家を建てるための建材として再利用されるのです。被災地や恵まれない人たちのためにボランティアで家を建てる非営利団体「Habitat of Humanity」に寄付され、ニューヨークで幸せをふりまいたもみの木が、今度は「家」となって人々を見守ります。ガーデンチームは、誰かのために暖かい心を贈るというクリスマスのスピリッツを「もみの木」で伝え続けています。


ロックフェラー・センターは実は1つのビルではなくマンハッタンの48丁目から51丁目、5番街と6番街の間にある19のビル群。このエリアの緑を守り、管理するのもガーデンチームの大切な仕事です。一般公開していない歴史あるルーフトップ・ガーデンやプロムナードなど大小合わせて25のガーデンエリアを常に花と緑で綺麗に整え、春や夏には花のイベントを行うなど、 一年中植物を楽しむことができる街づくりに貢献しています。

「訪れた人がツリーを見て微笑みを浮かべたり写真を撮ったりするのを見るのが、自分にとって大きな喜び。世代を超えて続く素晴らしい伝統です。ロックフェラーセンターは、このクリスマスツリーのシーズンが終わると、イースターに備えてユリの花でいっぱいになります。ガーデンチームが支える花と緑の街並、一度は歩いてみてはいかがでしょうか」(Erikさん)


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。12月は歌手のJUJUさんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。

2016.11.25

Botanist8
日本古来の藍の色「ジャパンブルー」に込められたこだわりとは?

  • Botanist
植物と素敵に関わる人を紹介する「ボタニスト」。今月は日本古来の藍染めをTシャツやセーター、バッグなど、現代のライフスタイルに生かす藍染め集団、リトマスをご紹介します。「日本の青」に込めた、そのこだわりと思いに迫ります。



「藍の葉」が生み出す「日本の青」
緑の藍の葉から生み出される藍染めの「青」の色。この青は「ジャパンブルー」とも呼ばれ、日本の原風景として私たちの記憶に刻まれてきました。古代エジプトにも遡ることができるほど、私たち人類の歴史や文化と長く深い関わりを持ってきた藍染め。日本に伝えられたのは6世紀前後。今も残る当時の宝物のなかにも藍染めの品が数多く残されています。かつて、青は藍でしか生み出すことが出来ず、たいへん貴重であったことから高貴なものにしか許されなかった色。それが庶民に普及したのは江戸時代。「布を藍で染めたものは丈夫になる」と手ぬぐい、野良着、肌着、暖簾などに使用され、日本の生活の中に藍の生み出す「青色の風景」が広がってゆきました。



日本では藍染めの原料に、昔から「タデアイ」の葉が使われてきました。3月春先に種を撒き、苗を育て、夏に一番刈りを行い、収穫は9月頃まで。咲いた花からは翌年に蒔くための種が採取され、大切に保管されていました。実はこのタデアイの葉自体、薬草として消炎、解熱などにも重宝され、また、食事の薬味などにも使われるほど、人々の日々の生活に溶け込んでいたものだったのです。


ジャパンブルーを生み出す特別な時間と技巧
湘南、鵠沼に工房を構える、藍染め集団「リトマス」は、このジャパンブルーにこだわり、原料づくりから染めまで、すべて手作業で行い、自然の発酵だけで藍染めを行なっています。リトマスの手がける藍染めは「灰汁発酵建て」と言われ、日本に古くから伝わる伝統技巧。タデアイの葉からつくられた原料を溶かした液に、日本酒など天然の特別な素材を混ぜ、藍釜で発酵させてゆきます。やがて液の表面に「藍の花」と呼ばれる泡が生まれ、発酵の目安となります。発酵した藍の染液は実は茶褐色。その液を十分に吸った素材を空気を入れながら広げ、水につけることでついには藍の青色が鮮やかに浮かび上がってくるのです。 液はまさに生きもの、染めながら常に状態に気を使い、使わない日もかき回し空気を入れ、大切に手間をかけて液を育ててゆくことで、藍の鮮やかな色が生まれてくるのです。


リトマスがこだわる青は安心の色
自然から生み出されたものを自然の力で発酵させ、その自然の作用にゆだねて、青を生み出す。そんなリトマスがもう一つこだわるのは、すべて素手の作業で染め物を行うこと。手袋をせず素手で染液に素材を入れ、素手でかき回して作業するため常に手も藍に染まりますが、その作業にこそ大きな意味があると考えています。それは、自らの手を藍に染めることで、染液を自分の肌で直接感じることが出来ること、そしてもう一つは、使う人への安心感を伝えるということ。うわべだけのオーガニックではなく、すべての工程を手作業で行い、自然の発酵だけで染め上げていることで、安心して着て欲しい、使って欲しい、そんな強い思いが彼らのもの作りの背景にあるのです。



「リトマスは染め師は3人ですが、タデアイ作りからたくさんの人に関わっていただいています。そして染めた後もデザインや製品作りで支えてくれる人がいる。その絆になっているのが藍の色。きっとこれが自然の色であるということと、僕たちの原体験の色ということで人が集まって来て、支えてくれているんだと思う。自然や植物の力がみんなの心を一つにしてくれている。だから人と自然に後ろめたい気持ちでは仕事をしない、そんな思いをいつも大切にしています。それがリトマスらしさだと思う」
(リトマス 吉川和夫さん)

リトマスがこだわる「ジャパンブルー」は、私たちの懐かしい記憶に刻まれている色であると同時に、自然を敬う心を持ち、自然にこだわり作られる「安心」の色と言えるのかも知れません。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。11月は女優の野際陽子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


藍染め集団 LITMUS
LITMUS (リトマス)という名前は、彼らが大好きだったサーフィン映画のタイトルと、自分たちの発信する色に「反応」して欲しい、そんな思いを合わせて付けられた。2000年にスタート。現在は湘南、鵠沼でタデアイ作りも手がけ、日本に古くから伝わる天然の素材のみを使用した染色技法「灰汁発酵建て」を行う。そのこだわった技法を自らのフィルターを通し、素材や概念にとらわれない作品づくりで「日本の藍色」を表現している。その作品は手ぬぐい、帽子、Tシャツから暖簾、スニーカー、椅子にまで及ぶ。
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