6月、梅雨のシーズンの到来とともに店頭に並ぶフレッシュな青梅。ミネラルなど大地の豊富な恵みを蓄え、青々と実った、この日本の伝統の食材には、私たちの身体にうれしい栄養がたくさん含まれています。
6月のボタニカルレシピは、日本人の食に欠かすことの出来ない「梅」の魅力と、爽やかな味を手軽に楽しめる梅レシピをご紹介します。
今だけのお楽しみ! 梅仕事の魅力
「梅雨」の雨の恵みを受けてまるまると実った梅。6月の今、収穫の最盛期を迎えています。栄養豊富な梅の大きな特徴は、「有機酸」が多く含まれていることです。 クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸は、疲労回復や殺菌などに効果があり、 ビタミンも、A、B1、B2、Cなどを含んでいます。 豊富なミネラルの含有量はみかんやりんご、葡萄よりも多いそうで、カルシウムもりんごの4倍。鉄分は6倍の量が、この小さな実に含まれているのです。 主に梅酒や梅干しとして日本では古くから親しまれてきましたが、フレッシュなものが手に入るこの時期、より手軽にジュースやジャムにすることで、これから夏に向けて、健康的でおいしく爽やかな味を楽しめます。
梅ジュースで夏を爽やかに、健康に!
梅の栄養を手軽においしく楽しめるのが梅ジュースです。家族全員で楽しめるので、食欲がなくなる夏の食卓にもおすすめです。新鮮な青梅を用意し、清潔な保存瓶に梅と果糖を交互に入れて保存。1日に1回は瓶を回しながら梅と果糖を馴染ませ、果糖が完全に溶けたら飲みごろです。冷蔵庫で保存して、冷たい水でお好みの濃さに薄めて楽しんでください。
<梅ジュースレシピ>
・青梅 … 1キロ
・果糖 … 1キロ
・2リットルの保存瓶
・35度以上の香りの少ないリカー … 少々
1. 青梅は傷ついているものは除き、大きめのボウルか鍋で3回水を替えながら洗い、竹串でヘタを取った後、ざるに取り出し水気をふき取る。
2. 煮沸してリカーで乾拭きした保存瓶に梅→果糖→梅→果糖を繰り返して入れる。水分が出てくるため、量は瓶の半分ほどに。
3. 1日一回瓶を回しながら梅と果糖をなじませ、果糖が完全に溶けたら出来上がり。1、2週間くらいが美味しくいただけます。
梅を買ったその日に楽しめる、新鮮梅ジャムレシピ
梅ジャム作りも、新鮮な青梅をおいしく味わうためのおすすめレシピ。水で茹でこぼした梅の実をつぶし、砂糖を加えて、煮詰め、最後にブランデーを加えて、香り豊かに仕上げます。冷ましたら清潔な保存容器に移して出来上がり。冷蔵庫に入れ、なるべく早く食べきるようにしましょう。また、梅を煮るときは「銅鍋」を使うと、より緑鮮やかな梅ジャムが出来上がります。
<新鮮梅ジャムレシピ>
・青梅 … 1キロ
・砂糖 … 800g
・ブランデー … 大さじ1〜2
1. 青梅は傷ついているものは除き、大きめのボウルか鍋で3回水を替えながら洗い、竹串でヘタを取った後、ざるに取り出し水気をふき取る。
2. 鍋に梅を入れ、かぶるくらいの水で2回茹でこぼし、梅が崩れ始めたら金ザルで梅をつぶしながら漉して種を取り除く。
3. ペースト状になった梅に砂糖を加えとろみが出るまで煮詰め、仕上げにブランデーを加え、一煮立ちさせたら出来上がり。
4. 煮沸消毒し、リカーで乾拭きした保存瓶に入れ、冷蔵庫で保存する。
青梅は傷みやすいので、買ってすぐ新鮮なうちに、加工するのが大事なポイント。その年に収穫された梅を使って梅の保存食を作る「梅仕事」は、まさに季節を楽しみ味わう、日本ならではの知恵。 梅ジュースと梅ジャムはとても手軽にできますので、夏の健康な毎日に向けて是非、お試しください。
TOKYO FM
「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。6月は元TBSアナウンサーの吉川美代子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。
調理監修 上島亜紀
料理家。パン講師、食育アドバイザー、ジュニアアスリートフードマイスター取得。簡単に作れる家庭料理からおもてなし料理まで、幅広く提案。主宰する料理教室「A’s Table」では、楽しくて美しいおもてなし料理を、不定期開催の子どもの料理教室「Chanto!Chanto!」では、作ること、食べてもらうことの楽しさを伝えている。 著書は、『はじめてでもおいしくできる 梅干し・梅レシピの基本』(朝日新聞出版 共著)など多数。