土を使わずに水だけで植物を育てる水栽培。人気の多肉植物やサボテンでも、今、水栽培が注目されています。様々な形のガラス容器を用い、置き場所を工夫することで、グリーンインテリアとして楽しみましょう。
今回は、表情豊かなグリーンインテリアとして楽しめる多肉植物の水栽培を「多肉植物の水栽培」の著者、米原政一さんにご紹介いただきます。
緑のインテリア、多肉植物の水栽培
種類も多くて姿や表情がとても豊かな多肉植物は、水栽培することでより身近に楽しむことができます。鉢で育てる多肉植物は、屋外で育てることが基本となりますが、水栽培なら、屋内での栽培が可能。透明のガラス容器を使うので、根の成長の様子も見ることができ、植物全体の姿が楽しめます。ガラス容器の口の部分に茎を差し込んで、根の部分だけ水に浸かるようにすれば育ちますので、お好きなガラス容器で手軽に栽培することができます。
多肉植物の水栽培
置き場所も自由に選べるため、屋内のグリーンインテリアとして、さまざまに楽しめます。玄関やキッチン、ダイニングテーブル、デスクなど毎日使う場所に置くと、目に触れるたびに清々しい気分になりますね。
玄関を彩る
キッチンテーブルに
食卓にも安らぎを
仕事机でも楽しめる
失敗しない多肉植物の水栽培
大切に植物を育てていても、枯らしてしまうこともあります。鉢植えの場合は、その原因の多くが水やりだそうです。水をやりすぎて根が腐ってしまったり、逆に水をやり忘れたり。また、土選びにも経験や知識が必要です。米原政一さんは、元気を無くした多くの鉢植えの植物を水栽培で蘇らせてきました。例えば、長く育てるのが意外に難しいサボテンも、水栽培なら土での栽培より長い期間、大きく育てることができるそうです。まずは、お気に入りのガラス容器を選び、水栽培にチャレンジしてみませんか。
<多肉植物の水栽培の始め方>
多肉植物を鉢から出して根を痛めないように土を落とし、刃の部分を消毒したカッターなどで、根元を2mmほど残して根の部分を切り落とします。その後、屋内で新聞紙の上などで2〜3日置いて乾かします。
元の根をカット
屋内で乾燥
水を入れたガラス容器を用意し、水面ギリギリに植物の根の部分が来るようにセットします。屋内の陽の当たらない場所に置いて、2〜3日に1回の割合で水を換えましょう。早い植物で2〜3週間、時間がかかる場合も2ヶ月ぐらいで、新しい根が出てきます。
お気に入りの容器にセット
根が成長してきたら、根の先から3cmほどが水に浸かるようにして、1週間に1回の割合で水を交換します。毎日、植物と同じように水も観察して、濁りを感じたらこまめに交換しましょう。室内のなるべく明るい、風通しの良い場所に置いて、直射日光は避けます。玄関や洗面所など明るさが十分でない場合は、1週間を目安にして、しばらく明るい場所に置き換えましょう。毎日様子を見て観察することも、きっと楽しい植物との対話の時間になるはずです。
白い壁に映える多肉植物
米原さんによると、鉢の中の土で育つ植物は根をできるだけ伸ばそうとしますが、水栽培で育てる植物の根は、容器の中である程度の長さになると、そこで成長を止めるそうです。限られた条件の中で生命の営みを保とうとする植物の姿。米原さんは、その姿こそ、「今あるものを大事にして暮らすことが、大きな幸福に繋がる」という、植物からのメッセージだと感じています。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。 2月6日は、映画監督の西川美和さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
米原政一
住宅店舗のリノベーション設計施工をする無相創代表。既存を生かしながら、アンティークや植物を適所に配置して空間構成するのを得意とする。植物とともに健康的な生活環境を生み出すことを目標に活動している。
HP:
www.buaisou.com
『多肉植物の水栽培』米原政一(日本文芸社刊)
全写真 : 『多肉植物の水栽培』米原政一(日本文芸社刊)