2009年01月30日
石原まこちんさんの自伝的エッセィ「撲殺!青春レコード」
実は出版ハヤシ、先週1週間、A型インフルエンザで倒れてました。ナサケナイ。
インフルエンザの恐ろしさは皆さんも充分にご存知かとは思うのですが、
中にはまだ、風邪と混同している人も居る様子。
ハッキリ言って、その誤解はと〜んでもないです。
お年寄りやお子さんだと生命の危険まであるくらい、熱の高さ、身体のだるさは
ただの風邪とはレベルが違うのであります。あなどっちゃぁいけませんよ。
……って、ハヤシもあなどっていたから感染しちゃったのかも知れませんけどね。とほほ。
そんな訳で、人生初タミフルなんていうのも経験したのですが、
処方された際、「異常行動を起こす可能性が言われているので、充分に気をつけて」
って説明を受けました。幸いハヤシは、身に危険を及ぼすような異常行動の兆しは
全くありませんでしたが、熱にうなされながらずっと、なぜか、
「会社に辞表出そう」って考えていたことだけを覚えています。
なんだかよくわからないんですけれど、
「このまま会社に居ちゃいけない」って思ってたみたいなんです。(笑)
おかげ様で熱も下がり会社にも復活し、辞表を出すこともありませんでしたがね。(爆)
皆さんもくれぐれもお気をつけ下さいませ。
さて、ハヤシが熱でうなされている間に、
TOKYO FM出版から新刊書籍が発売されました!
ゆる〜い空気感で、映画化もされた人気の漫画「THE 3名様」の作者・
石原まこちんさんの自伝的エッセイ「撲殺!青春レコード」が、それ。
まこちんさんとはハヤシも1度だけ、某所某カフェでご挨拶させていただいたことがあるのですが、
漫画やエッセイさながら、とっても面白くて魅力的な方でした。
まこちんさん以外にも、出版の仕事をするようになってから漫画家の方、
作家の方などとお話しする機会が増えたのですが、皆さんに共通して言えるのは、
とにかく博識で、話題が豊富で、特に自分が詳しい分野については、
とことんまで知識をお持ちだということ。
そしてその知識の深さったらハンパじゃないのです。
もちろん、だからこそ人気作品が描けるわけなんでしょうけれど、
常人とは違うっていうのが、会話をしているだけで明らかにわかるんですよね。
多少文章が上手いとか、絵が描けるからだけで、
その道のプロにはなれないんだなぁと、思い知らされるわけなのです。
でも、この「撲殺!青春レコード」に描かれているまこちんさんの青春時代は、
その才能とは裏腹に、めちゃめちゃ冴えなくて、
「あった!あった!ボクにもそんなこと」って誰でもが共感出来るような、
ちょっと恥ずかしくて笑えるエピソードのオンパレード。
女子にもてなくて、強い男子からはいじめの対象になり、
アイドルが好きで、ゲームが好きで、意気揚々と街に出ればカツアゲされちゃう…
…な〜んて、熱血青春ドラマとは間逆の地味で虐げられた(?)学生生活の様子を読むと、
笑い涙にちょっとせつない涙が混じりながら、抱腹絶倒してしまいます。
これを原作に、1本ドラマか映画でも撮れてしまいそうなほど、
そのあまりの冴えなさぶりが逆にドラマチックなのです。
書籍のデザインも、我がTOKYO FMの中でセンスの良さには定評がある
ショーちゃんが担当編集者だけあって、
キッチュでチープシックな感じがとってもオシャレ。
サイズも文庫版、値段も税込み1,050円とお手軽なので、
本屋さんに並んでいるのを見かけたら、是非お手にとってみてくださいね!!
石原まこちん著「撲殺!青春レコード」(税込み価格・1,050円)
TOKYO FM出版より絶賛発売中!!
2009年01月23日
安部礼司脚本集、制作裏話その2
突然ですが、皆さんはどの程度意識して、本の表紙などをご覧になっているでしょうか?
改めて見てみると、写真だったりイラストだったりデザインもまちまちですし、
タイトルが浮き出るような特殊印刷になっていたり、
カバーを外した表紙やその裏にまで凝ったデザインが施してあったり、
それぞれ本の内容のイメージに合わせて、
細かくこだわった作りになっているのがわかります。
前回のコラムにチラっと書いたように、本の編集者というのは、
そういった表紙ほかのデザインも考えねばなりません。
と言っても、もちろん本当にデザインの作業をするわけではなく、
どんな装丁にするかといった全体像を考え、
それに最適なデザイナーさんを見つけて依頼をするのであります。
前回もご紹介した「NISSANあ、安部礼司〜beyond the average〜脚本集SEASON2」
の場合はちょっと特殊な例で、ゼロベースでデザイナーさんを探すのではなく、
番組のトータル・デザインを担当されている寄藤文平さんの事務所にお願いをしました。
寄藤さんは、今をときめく人気のアートディレクターさん。
その名前をご存知なくても、関東近辺にお住まいの方でしたら、
「R25」の表紙や、東京メトロのマナー啓発ポスター「家でやろう。」シリーズは
ご覧になったことがあるのでは?
シンプルながらも独特の味があるイラストが特徴的なステキな作品ばかりなのですが、
その中でも安部礼司のデザインは、かな〜りステキです。
そして脚本集のデザインも、かな〜り、すご〜くステキです。
脚本集SEASON1のパッケージは真っ白、SEASON2のパッケージは真っ赤で、
2冊並べるとめちゃめちゃラブリー。
実はハヤシ、こうしたデザイナー事務所を訪問するのが楽しみのひとつになっています。
デザインを生業にしていらっしゃる皆さんって、当然ながらセンスが良いので、
事務所の中もそれぞれ個性的で、とってもオシャレなのです。インテリアはもちろん、
本がギッシリ詰まった棚、書類が入ったBOX、無造作に散らばっている文房具などなど、
思わずキョロキョロウットリしてしまうほどステキ。
それに引き換え、我がTOKYO FMのオフィスは・・・・・・(泣)
そしてデザイナーさんたちの雰囲気が、これまた魅力的。
特にハヤシは某事務所のYさん、編集担当のコーコ嬢は某事務所のSさんがお気に入りで、
「可愛い〜〜」「好みぃ〜〜」と、キャイキャイ言っていたのでありました。
ちなみに、ハヤシもコーコ嬢もYさんもSさんも女性でございます。
(ハヤシもコーコ嬢もそっち方面の癖は無いはずなのですが)
皆さんも本を手に取られる機会があったら是非、デザインのことも気にしてみて下さいね。
そして、置いておくだけでもラブリーな「あ、安部礼司脚本集SEASON1、2」は、
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限定生産なので、ご購入はおはやめに〜。
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2009年01月16日
安部礼司脚本集、制作裏話その1
本」って何気なく目にしている時はさほど気にかけたこともなかったのですが、
いざ自分が作るとなると、実に奥深いのであります。
内容ももちろんですが、タイトル、表紙のデザイン、サイズ、紙の種類、
カラーページにするか否か等々、書き出せばキリが無いほど、いろいろなことを
決めていかねばならぬのです。
その上、本が完成した後はどんな売り方をするとか、どんな宣伝をするとか、
そんなことまでゼ〜ンブ考えねばならず、そりゃもう大変。
それを全て細かく説明しても面白くもなんともないので、
ここはひとつ、ハヤシが担当した書籍を例にご説明いたしましょう。
ハヤシが出版担当となってから、可愛くて愛しい初子として産み出したのが、
昨年12月19日に発売となった、「NISSANあ、安部礼司〜beyond the average〜
脚本集SEASON2」。これは、2006年4月から続いている人気ラジオドラマの
脚本1年分(07年4月〜08年3月)をまとめた書籍の第二弾。
なにせ55分ドラマの脚本53回分+特番1回分の脚本なので、
本文だけでも1000ページを越える、厚さ7cmもの分厚い本なのであります。
え?放送済みの脚本をまとめるだけなのに何が苦労なのって??
いえいえ、そんな簡単にいくと思ったら大間違い。
(簡単だろうとハヤシは思っていましたが・汗)
例えばですよ。
ラジオドラマだから脚本は役者さんが読み易い風に書いてあればよいわけで、
誤字脱字などはさほど大きな問題ではないのです。
つまり、「TOKYO FM」のことを「トウキョウFM」って書いてあろうが、
「東京FM」って書いてあろうが、よいわけなのです。
が、しかし、目で読む印刷物にする限り、正しい表記、正式名称で書くことが
当然ながら求められるわけなので、全て「TOKYO FM」に統一していくという
作業が発生するわけです。
そもそも「あ、安部礼司」には、めちゃくちゃたくさんの固有名詞が出てくるので、
その全部を完璧にしようとすると、その量ったらもう・・・・・・悶絶。
例えば歌のタイトルにしても、カタカナなのか平仮名なのか、
「・」が入るとか入らないとか、「−」なのか「〜」なのか、
アルファベットは大文字なのか小文字なのか等々、ムキィ〜!ウキィ〜!タイヘ〜ン!
と、小猿のような叫びをあげながら、ひとつひとつチェックしていくのです。
更に更に、「SE(効果音) 電話、とる」「寂しい音楽」などの
ト書きの両側は1行空けるとか、「!」マークの後は1文字空けるとか、
読み易く表記を統一するのも大変な作業。
しかし、我がTOKYO FM出版チームの編集要員はたったの2.2人しか居ないので
(1人は兼務なので0.2人分と換算)、全ての修正点を洗い出すのはさすがに無理。
そして漢字や表記の間違いに気付くのにはかなり熟練の知識とコツが必要なため、
校閲・校正の専門業者さんにも同時に見てもらいました。
結果的には、ハヤシ、出版チームの精鋭・コーコ嬢、専門業者さん2人の計4人がかりで、
1,120ページ×延べ5回以上のチェックを行ったのでした。
しかし、そこまでチェックしてもまだ修正漏れが見つかって冷や汗が出たり・・・・・・
はっ!しまったっ!
こんな裏話を書くとヤブヘビで、皆さんが間違い探しをしたくなっちゃうかしらん。
お願いですから、探さないでね〜。
もし見つけても、温かな心で許してね〜。
と、プロ編集者としてはあるまじき、甘ったれたことを願うハヤシなのでした。
そんな血と汗と涙の結晶「あ、安部礼司脚本集SEASON1、2」は、
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詳しくは番組ホームページの左下にある脚本集のアイコンをクリックするか、
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2009年01月09日
TOKYO FM出版ハヤシが行く! はじめました
お初にお目にかかります。
今月からこのコラムを担当することになった出版ハヤシです。
ん??ハヤシ??
どこかで聞いたことがあるぞなんて思われた方は、相当モノズキな、
もとい、相当ディープなTOKYO FMマニア。
不肖ハヤシ、昨年の6月までTOKYO FMで広報を担当しており、
「広報ハヤシが行く」なんてブログを恥ずかしげもなく担当しておりました。
広報からTOKYO FM出版への異動指令が下ってすぐ、
そのブログは終了してしまったのですが、なぜかまた、
出版ハヤシとして皆様の前に登場するハメ、もとい、登場する光栄に預かったわけです。
そもそもTOKYO FMってラジオ局なわけで、ど〜して書籍出版部門なんてあるのかとか、
ラジオ局のメルマガなのにど〜して出版のコラムなんて連載するのかなんて疑問、
ご不満はさておき、これからどれくらい連載が続くかはわかりませぬが、
お付き合い賜れば幸せに存じます。
さて、何はともあれまずはTOKYO FM出版について簡単なご紹介をば。
以下のホームページをご覧下さい。
http://www.tfm.co.jp/books/
以上。
って、それだけかいっ!!(1人ボケツッコミ)
だって、このコラム、文字数が限られているんですも〜ん。(1人甘えん坊)
などと戯言はこれくらいにして、マジメにご説明いたしますと、
TOKYO FM出版とは、番組関連はもちろん、携帯サイトとの連動や、
音楽関連など、様々な書籍を企画、制作、販売している小さな出版社
とお考えいただければわかり易いかも。
書籍を出版することで、いわゆる「クロスメディア展開」的に
TOKYO FMの番組をより楽しんでいただき、
逆に書籍から番組のことをより知っていただく・・・な〜んていう目的の下、
今から17年も前に設立された由緒正しき(?)部門なのであります。
しかしハヤシ、突然の異動指令が出た時に、
「わ〜い!大好きな本の仕事に関われるっ!」なんて一瞬大喜びをしたものの、
○○年もの長い社会人生活の中で、モノを作る仕事もモノを売る仕事も全く初めて。
そんなヤツにコノ仕事が務まるのかっ?!
と思い始めたら、急に胃にキュ~ンとした痛みが走り・・・・・・
そうこうしているうちに、あっという間に半年が経過。
そして苦アリ楽アリの波乱万丈な日々の中、確実にわかったこと。それは、
出版の仕事って面白い。
本ってやっぱり面白い。
ってこと。
そんな訳で、このコラムの連載を続けることで、
最終的には以下の2つの目標を達成できればと思っています。
目標その1。
本が出来るまでの過程やその裏話を楽しくお伝えすることによって、
より多くの方々に本に興味を持ってもらって、好きになってもらってもらうこと。
目標その2。
TOKYO FM社員の出版部門への異動希望者を続出させること。(笑)
以上の目標達成に向かってがんばりますので、ご支援のほど、
よろしくお願いいたします!