2010年08月26日
『ジェットストリーム 旅への誘い詩集』
遠い地平線が消えて、
深々とした夜の闇に心を休めるとき、
はるか雲海の上を
音もなく流れ去る気流は、
たゆみない宇宙の営みを告げています……
これはあまりにも有名な「ジェットストリーム」のオープニング詩。
私も学生時代は毎晩、城達也さんの声でこの詩を聴き、旅情あふれる言葉の数々、
静かな音楽に酔いしれたものでした。
この詩の作者は、堀内茂男氏。
番組が始まった1967年から城さんの最後のフライトとなった1994年まで、番組の全ての
スクリプトを担当されていた方です。
「ジェットストリーム」が人気番組として多くのファンを獲得できたのは、城さんの声、
巧みなナレーションに負うところが大きかったのですが、30年近くもの間、堀内さんが
美しい言葉をつむぎ続けたこともその大きな要因だったということは、残念ながらあまり
表に出ることがありませんでした。
堀内さんの詩の数々にも改めてスポットライトを当てたい!!
このまま埋もれてしまうのはもったいない!!
そんな思いから生まれたのが、8月30日発売、
『ジェットストリーム 旅への誘い詩集〜遠い地平線が消えて〜』です。
城さんが朗読した旅情詩から100篇を厳選した「欧州篇」「米国・他篇」の2冊を
ケースにセット。
詩の合間には美しい世界各国の写真を散りばめた、豪華保存版です。
ここでは特別に、中に掲載している詩を1篇ご紹介しましょう。
「心残り」
さる年のヨーロッパに
置いてきた夏があると思わないか。
例えば南ドイツの古都で、雨。
入口に可憐な鈴をつけたカフェで
紅茶々碗を手のひらに包み、指先を暖めた夏もあった。
少し曇った窓ガラスごしに
黒々と濡れた石畳が見え、
塗り替えて間もない砂糖菓子色の家並みが、
見捨てられた絵本のように、青ざめていた。
こんなことがあってはならない、と思いながらも
カフェの客は、私一人で、
次の町へのバスを待つ間の時間、何をする気もなく坐っていたのだ。
白い前掛けが目にしみる女主人が、
降り込められた旅人を、気の毒そうにレジの傍で見ていた。
あの時、
ババリアの空の下の、晴れやかな夏も一つ、
私はカフェの椅子に残してきたと思っているのだ。
無名だけど偉大な詩人……
そんな堀内茂男氏の美しい旅情詩の世界を、皆さんにも是非知っていただきたいと
思っています。
『ジェットストリーム 旅への誘い詩集〜遠い地平線が消えて〜』
TOKYO FM出版より8月30日発売 2,310円(税込)
書店、ネット書店などでお買い求めいただけます。
お近くの書店に無い場合もレジでご注文いただければ1週間程度でお手元に届きます。
投稿者 ハヤシ : 11:42
2009年11月20日
「SCHOOL OF LOCK!DAYS3」写メギャラリーが面白い
今週発売開始となった「SCHOOL OF LOCK!DAYS3」ですが、おかげさまで大好評につき、
既に品薄状態。
今回は限定数での出版なので、お近くの書店か、ローソン(Loppi端末で予約購入可能)に
急ぐか、ネット書店でおはやめにゲットしてくださいませ。
そんなDAYS3のロゴをリスナーの皆さんが撮影した写真にスタンプした作品や、
DAYS3現物と一緒に写った作品を集めた「写メギャラリー」がとっても面白い!
皆さんもコチラ↓からご覧になって確かめてみてください。
http://www.tfm.co.jp/lock/days3/gallery.html
最近の10代って、小さな頃から写真を撮り慣れているせいか、いろんなメディアに
触れているせいか、すっごくアート感覚が優れていて、どれもこれもとっても素晴しい。
オバハンなハヤシは、ただただ感心するばかり。
そして、DAYS3を読んだ感想を書いてくださっている方もいらっしゃり、
TOKYO FM出版チーム一同、感涙でございます。
既にゲットされた方も、これからゲットしてくださる方も、是非とも写メギャラリーに写真を
送ってみてくださいね。
…という訳で、若いモンには負けてられんぞと、ハヤシも早速つくってみました。
ハヤシ家の猫写真とDAYS3ロゴの合体バージョン↓
かわえぇぇぇ〜。(←単なる猫親バカ)
投稿者 ハヤシ : 11:37
2009年08月18日
湘南の海ならぬ、活字の海で……
すっかり存在を忘れ去られている可能性があるこのブログ。
久々の更新でございます。
現在、編集担当のハヤシとコーコ嬢の2人、9月末〜10月上旬発売書籍・計3冊の佳境作業が
全て重なってしまったため、休日返上でふ〜ふ〜言いながらアクセク働いております。
そのひとつが、大人気ラジオドラマ「NISSAN あ、安部礼司〜beyond the average」の脚本集。
この脚本集、おかげさまで好評につき第三弾の発売となるわけですが、なにせ文字量の多さが
ハンパじゃなく、それこそふ〜ふ〜は〜は〜言いながら、校正原稿の山と格闘。
そしてもう1冊は、某ミュージシャンの本。
こちらもとにかく文字量がハンパじゃない!
せっかく安部礼司の作業が終わったのに、これまたふ〜ふ〜は〜は〜。
活字の海に溺れて、溺死寸前。
そして更にもう1冊は、某分野のアイドルタレントさんの本。
こちらは時間が無い中の作業で、違った意味でふ〜ふ〜は〜は〜。
発売予定日を死守せねばならないので、文字通りの綱渡り作業となっております。
はてさて、ハヤシとコーコ嬢、溺死せずに生還できるのか?!
そんな中、10月10日発売の「あ、安部礼司脚本集SEASON3」は既に絶賛予約受付中!!
これまでインターネットでしか購入できず、ご不便をおかけしていましたが、今年からは
電話受注も可能になっています。
番号は、03-5755-3510。
おかけ間違えないよう、お願いいたします。
更に、もうすぐ某コンビニでも予約できるようになるという噂も?!
また、脚本集と同じく10月10日に発売される豪華付録付きコンピCD「IMATSUBO X」と
同時予約されると、脚本集がすっぽり納まるトートバックもオマケに付きます。
お弁当を入れたり、ちょっとしたお買物にも便利な、超ラブリーなバックでございます。
こちらは9月中に予約された方のみ対象のオマケなので、お急ぎくださいませ。
脚本集と「IMATSUBOX」の同時予約については、JFN Online Shoppingサイト限定です。
詳しくは、↓の安部礼司番組HPをご覧くださいませ!
http://www.tfm.co.jp/abe/
投稿者 ハヤシ : 15:40
2009年05月15日
5月病に効く(?)「魂サプリ」
出版ハヤシ、誰も信じてくれないけれど、結構ナイーブ。
小さなことに悩んで、すぐに胃が痛くなるし、5月病にもなり易いタイプ。
今回は、そんなソーメン並みに細い神経と、ゾウリムシ並みの小さな心臓しか
持っていないハヤシの心に、パワーを注入してくれている本のご紹介デス。
それは、このコラムでチラっと予告し続けていた
原田真裕美さんの本「魂サプリ」(5月23日発売)。
原田真裕美さんは、オノ・ヨーコ氏ほか著名人の顧客も多いという
サイキック・カウンセラーの第一人者。著書も多数出しておられ、
そのどれもが売れているという、超人気者さんなのであります。
で、なぜにそんな人気者の本を出版できることになったかと言いますと、
TOKYO FMで昨年秋まで放送していた番組「Tapestry」のSNS「Tapestry Net」の中で、
原田さんが「魂サプリ24/7」というコミュニティを主宰されていたからなのです。
このコミュニティでは、ポジティブ・パワーを注入してくれる
原田さんのメッセージや、会員の方々からの悩み相談、それに対する答えなどが
毎日活発にカキコミされていました。
残念ながら昨年末に「Tapestry Net」は終了してしまったのですが、
会員の皆さんから惜しむ声も多かったため、
書籍版「魂サプリ」を刊行することになったのです。
「まぁでも、サイキックとかスピリチュアル系とか、そーゆー世界には興味無いからなぁ」
などと思われている方、ちょいと待たれよ! お待ちなされ!
実はハヤシも、もともとは非科学的な世界のことには疎い
超現実派タイプの人間なのですが、そんなハヤシが、営業トーク抜きにしてでも、
心の底からオススメできる1冊なのであります。
仕事に悩んでいる……
母親の呪縛から逃れられない……
職場の人間関係がこじれてしまった……
今の彼と結婚してもいいのかしら……
等々、誰でも悩んだり、困ったりする問題を抱えているもの。
そんな時にふとページをめくって原田さんのメッセージを読むと、
不思議と心が落ち着いて、ポジティブ・パワーがフツフツと沸いてくるといった、
まさに心のための「読むサプリ」がいっぱい詰まった本なのです。
いわゆる「自己啓発」ってヤツが、無理なく自然にできるっていう感じ。
ハヤシも、「魂サプリ」の編集作業に携わっている間に、とある仕事のことで行き詰まったり、
悩んで夜も眠れなくなることがあったのですが、そんな時にこのサプリを読むと、
心がスーっと楽になって、「がんばろう」って気になったのです。
これ、ホントに本当。
ゴールデンウィークが終わって5月病になりがちなこの季節、
心に「魂サプリ」を注入して、憂鬱な季節を乗り切るぞぉ、
乗り切るとも、乗り切ってやるぅ〜〜!
(↑やっぱりハヤシ、五月病なのか?)
投稿者 ハヤシ : 15:55 | コメント (0) | トラックバック
2009年02月27日
書籍のタイトル決めって重要
前回に続き今回も、いよいよ明日発売となる森達也氏の新刊「マジョガリガリ」のお話。
前回ご説明したように、この本はTOKYO FMで05年10月〜07年9月まで
放送されていた番組「森の朝ごはん」で放送したゲストとの対談載録
+森さんの書き下ろしで構成した本なのですが、番組終了から発行まで、
実に1年半もかかってしまいました。
これには諸々事情があったのですが、その1年半の間に編集者として関わった人数は、
外部編集者や最後の方でチョロっとお手伝いしたハヤシも含めると、
ナント、6名!!(普通は1〜2名デス)
そもそもこの番組と書籍企画の立ち上げを担当したショーちゃんなんて、
この1年半の間に結婚&出産&仕事復帰なんていう人生の一大事を経験しちゃったし。
でも、その時間と人数をかけただけの本にはなっているのではと、
手前味噌ながら思っているわけなのです。
さて、この風変わりなタイトル「マジョガリガリ」の意味については前回ご説明しましたが、
このタイトルに決まるまでも、いろいろな議論がなされました。
ホントにもう、喧々諤々、けんけんがくがく、ケンケンガクガク……
タイトルってその本に命を吹き込むものですし、
特にTOKYO FM出版の場合はラジオで宣伝スポットを流すことも多いので、
「音にした際の耳障り」、なんてことも気にします。
そういう意味では、「マジョガリガリ」って耳で聞いただけでは
意味がわかりにくいからイマイチなんじゃないの?なんてことも
さんざん話し合ったのですが、結局はコトバの持つ力で
これに勝るものは無いだろうということで、決定。
そして表紙のデザインは、ちょっとコワイ意味合いのタイトルとは間逆に、
対談でも登場してくださっているイラストレーター・しまおまほさんの可愛いイラストを、
ポップな黄色地にピンク色で乗せ、森達也ファンが見たら驚くような
これまでの本とは全く違ったテイストに仕上がりました。
本屋さんに並んだ時のインパクトはバツグンだと思いますよ〜。
目立つと思いますよ〜。
そしてもちろん内容もインパクト大。
辛酸なめ子さんと「憲法九条を考える」、鈴木宗男さんと「バッシングを考える」、
Leyonaさんと「放送禁止歌を考える」、宇梶剛士さんと「非暴力を考える」などなど、
まさに「マジョガリガリ」な視点による、痛烈痛快な対談&書き下ろしが満載です。
発売はいよいよ明日!!
TOKYO FM出版チームの総力を挙げて形にした一冊なので、
書店で見かけたら是非お手にとってみてください。
森達也著「マジョガリガリ」 1,365円(税込)
<以下20名との対談を収載>
大貫妙子、辛酸なめ子、鈴木宗男、茂木健一郎、井筒和幸、中西準子、宮沢章夫、
南こうせつ、香山リカ、曽我部恵一、Leyona、しまおまほ、是枝裕和、桐野夏生、
蜷川実花、宇梶剛士、糸井重里、アーサー・ビナード、沢知恵、若松孝二
(「森の朝ごはん」放送登場順、敬称略)
2009年02月20日
不思議なタイトル「マジョガリガリ」の意味とは?
現在我が出版チームは、「W森」書籍の刊行に向けた、最後の追い込み作業中。
「W森」とは、たまたま発売日が続くことになった、
森達也さんと森博嗣さんという同じ苗字の人気作家のこと。
ちなみに森達也さんの本は2月28日発売、
森博嗣さんの本は3月13日発売の予定なので、
半月違いで「W森」書籍を発売することになります。
そんなわけで、ヘタに「森さんの本の件なんだけどさ〜」などと話を切り出すと、
「どっちの森さん?」という質問が必ず返ってくるので、
「森達也さん」もしくは「森博嗣さん」とフルネームで言うのが慣例化中。
映画「スカイ・クロラ」の原作や「すべてがFになる」などでおなじみの
作家・森博嗣さんが初の音楽エッセィに取り組んだ書籍「DOG&DOLL」については、
もう少し発売日が近くなったら改めてご紹介するとして、
今回と次回のコラムでは、森達也さんの本についてご案内させていただきます。
まずは、森達也さんのプロフィールについてのおさらい。
森さんは、テレビ番組制作会社時代に撮ったオウム真理教を題材とした映画「A」、
テレビ番組「放送禁止歌」などの映像作品で高い評価を受けているほか、
「いのちの食べかた」、「死刑 人は人を殺せる でも人は、人を救いたいとも思う」などの
大ベストセラー本も多数執筆されているドキュメンタリー作家。
社会的事件や事象や人物を、他の人とは全く違った視点、論調で描くことで
知られていらっしゃいます。
2月28日(土)に発売されるTOKYO FM出版の書籍「マジョガリガリ」も、
森さんならではの切口が随所に散りばめられ、
読み始めたらとにかく引き込まれる1冊になっているのであります。
んん??マジョガリガリ??なんじゃそのタイトルは??
と思われた方、さすが、鋭くていらっしゃる!
このタイトルこそが森さんの真骨頂、
そしてこの本の内容を実に的確に表したものとなっているのですが、
その意味については後ほど……。
さて、実はこの本は、TOKYO FMで05年10月〜07年9月まで放送されていた
番組「森の朝ごはん」をまとめたもの。
番組は、毎週ゲストをお迎えしての対談形式だったのですが、
この本の中では、糸井重里さん、茂木健一郎さん、鈴木宗男さん、桐野夏生さん、
井筒和幸さんら20人のゲストとの対談内容を再録。それだけではなく、
それぞれの対談テーマに関する森さんの書き下ろしもたっぷり収載しています。
特にこの書き下ろしパートが本当に面白くて、
校正作業(誤植チェック)を手伝っていたハヤシも、
仕事だということを忘れてついつい読みふけってしまったほど。
単なる対談集ではなく、ゲストトークをフックにしながら、
まさに「マジョガリガリ」的視点の論説をたっぷり読むことが出来るのです。
だからマジョガリガリって何なの??
という質問が聞こえてきそうなので、ここでタイトルの説明をば。
もともとこのコトバは、糸井重里さんとの対談中、
糸井さんが森さんのことを評しておっしゃったコトバなのです。
漢字で書くと、「魔女狩り」狩り。
糸井さんが、「森さんの本を読んでいて、いつも面白いと思うのは、
“魔女狩り狩り”っていうか、(中略)みんなが魔女狩りをしているけれども、
魔女狩りの構造自体がおかしいんじゃないか、ということを探すじゃない?」と
おっしゃったコトバをそのままタイトルにしているのです。
つまり、みんながある事柄や人に対して一斉にバッシングすることを
「魔女狩り」とするならば、その「魔女狩り」自体を更に別の視点から狩ってみる……
それが森さんの真骨頂だ、というわけ。
そしてこの本では、まさに「マジョガリガリ」的な森ワールドが炸裂!!
(→来週のコラムにつづく!)
2009年01月23日
安部礼司脚本集、制作裏話その2
突然ですが、皆さんはどの程度意識して、本の表紙などをご覧になっているでしょうか?
改めて見てみると、写真だったりイラストだったりデザインもまちまちですし、
タイトルが浮き出るような特殊印刷になっていたり、
カバーを外した表紙やその裏にまで凝ったデザインが施してあったり、
それぞれ本の内容のイメージに合わせて、
細かくこだわった作りになっているのがわかります。
前回のコラムにチラっと書いたように、本の編集者というのは、
そういった表紙ほかのデザインも考えねばなりません。
と言っても、もちろん本当にデザインの作業をするわけではなく、
どんな装丁にするかといった全体像を考え、
それに最適なデザイナーさんを見つけて依頼をするのであります。
前回もご紹介した「NISSANあ、安部礼司〜beyond the average〜脚本集SEASON2」
の場合はちょっと特殊な例で、ゼロベースでデザイナーさんを探すのではなく、
番組のトータル・デザインを担当されている寄藤文平さんの事務所にお願いをしました。
寄藤さんは、今をときめく人気のアートディレクターさん。
その名前をご存知なくても、関東近辺にお住まいの方でしたら、
「R25」の表紙や、東京メトロのマナー啓発ポスター「家でやろう。」シリーズは
ご覧になったことがあるのでは?
シンプルながらも独特の味があるイラストが特徴的なステキな作品ばかりなのですが、
その中でも安部礼司のデザインは、かな〜りステキです。
そして脚本集のデザインも、かな〜り、すご〜くステキです。
脚本集SEASON1のパッケージは真っ白、SEASON2のパッケージは真っ赤で、
2冊並べるとめちゃめちゃラブリー。
実はハヤシ、こうしたデザイナー事務所を訪問するのが楽しみのひとつになっています。
デザインを生業にしていらっしゃる皆さんって、当然ながらセンスが良いので、
事務所の中もそれぞれ個性的で、とってもオシャレなのです。インテリアはもちろん、
本がギッシリ詰まった棚、書類が入ったBOX、無造作に散らばっている文房具などなど、
思わずキョロキョロウットリしてしまうほどステキ。
それに引き換え、我がTOKYO FMのオフィスは・・・・・・(泣)
そしてデザイナーさんたちの雰囲気が、これまた魅力的。
特にハヤシは某事務所のYさん、編集担当のコーコ嬢は某事務所のSさんがお気に入りで、
「可愛い〜〜」「好みぃ〜〜」と、キャイキャイ言っていたのでありました。
ちなみに、ハヤシもコーコ嬢もYさんもSさんも女性でございます。
(ハヤシもコーコ嬢もそっち方面の癖は無いはずなのですが)
皆さんも本を手に取られる機会があったら是非、デザインのことも気にしてみて下さいね。
そして、置いておくだけでもラブリーな「あ、安部礼司脚本集SEASON1、2」は、
AmazonまたはTSUTAYA onlineで絶賛発売中!!
限定生産なので、ご購入はおはやめに〜。
TSUTAYA onlineで購入 |
2009年01月16日
安部礼司脚本集、制作裏話その1
本」って何気なく目にしている時はさほど気にかけたこともなかったのですが、
いざ自分が作るとなると、実に奥深いのであります。
内容ももちろんですが、タイトル、表紙のデザイン、サイズ、紙の種類、
カラーページにするか否か等々、書き出せばキリが無いほど、いろいろなことを
決めていかねばならぬのです。
その上、本が完成した後はどんな売り方をするとか、どんな宣伝をするとか、
そんなことまでゼ〜ンブ考えねばならず、そりゃもう大変。
それを全て細かく説明しても面白くもなんともないので、
ここはひとつ、ハヤシが担当した書籍を例にご説明いたしましょう。
ハヤシが出版担当となってから、可愛くて愛しい初子として産み出したのが、
昨年12月19日に発売となった、「NISSANあ、安部礼司〜beyond the average〜
脚本集SEASON2」。これは、2006年4月から続いている人気ラジオドラマの
脚本1年分(07年4月〜08年3月)をまとめた書籍の第二弾。
なにせ55分ドラマの脚本53回分+特番1回分の脚本なので、
本文だけでも1000ページを越える、厚さ7cmもの分厚い本なのであります。
え?放送済みの脚本をまとめるだけなのに何が苦労なのって??
いえいえ、そんな簡単にいくと思ったら大間違い。
(簡単だろうとハヤシは思っていましたが・汗)
例えばですよ。
ラジオドラマだから脚本は役者さんが読み易い風に書いてあればよいわけで、
誤字脱字などはさほど大きな問題ではないのです。
つまり、「TOKYO FM」のことを「トウキョウFM」って書いてあろうが、
「東京FM」って書いてあろうが、よいわけなのです。
が、しかし、目で読む印刷物にする限り、正しい表記、正式名称で書くことが
当然ながら求められるわけなので、全て「TOKYO FM」に統一していくという
作業が発生するわけです。
そもそも「あ、安部礼司」には、めちゃくちゃたくさんの固有名詞が出てくるので、
その全部を完璧にしようとすると、その量ったらもう・・・・・・悶絶。
例えば歌のタイトルにしても、カタカナなのか平仮名なのか、
「・」が入るとか入らないとか、「−」なのか「〜」なのか、
アルファベットは大文字なのか小文字なのか等々、ムキィ〜!ウキィ〜!タイヘ〜ン!
と、小猿のような叫びをあげながら、ひとつひとつチェックしていくのです。
更に更に、「SE(効果音) 電話、とる」「寂しい音楽」などの
ト書きの両側は1行空けるとか、「!」マークの後は1文字空けるとか、
読み易く表記を統一するのも大変な作業。
しかし、我がTOKYO FM出版チームの編集要員はたったの2.2人しか居ないので
(1人は兼務なので0.2人分と換算)、全ての修正点を洗い出すのはさすがに無理。
そして漢字や表記の間違いに気付くのにはかなり熟練の知識とコツが必要なため、
校閲・校正の専門業者さんにも同時に見てもらいました。
結果的には、ハヤシ、出版チームの精鋭・コーコ嬢、専門業者さん2人の計4人がかりで、
1,120ページ×延べ5回以上のチェックを行ったのでした。
しかし、そこまでチェックしてもまだ修正漏れが見つかって冷や汗が出たり・・・・・・
はっ!しまったっ!
こんな裏話を書くとヤブヘビで、皆さんが間違い探しをしたくなっちゃうかしらん。
お願いですから、探さないでね〜。
もし見つけても、温かな心で許してね〜。
と、プロ編集者としてはあるまじき、甘ったれたことを願うハヤシなのでした。
そんな血と汗と涙の結晶「あ、安部礼司脚本集SEASON1、2」は、
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