こんにちは、古賀涼子です。
先日、5月27日はZARD 坂井泉水さんの命日でした。
私は追悼コンサートの司会をさせて頂いた身ですが、
未だに、坂井さんが亡くなった事実をうまく飲みこめていません。

実は、日記に書いていいものか、しばらく悩んでいたことがあります。
坂井さんが亡くなった事実を飲みこめていない理由、でもある話です。
3年という月日を機に、日記に書かせていただこうと思いました。
あくまで個人的な体験・思い出として読んでいただけると嬉しいです。


2008年5月27日。
坂井さんの一周忌に当たる日の追悼コンサートで
私は司会を務めさせて頂きました。
場所は、代々木第一体育館。
本番前、会場は1万人近い方で埋め尽くされていると聞き、
人前でマイクを握るのに慣れている私も、控え室で極度の緊張状態でした。

当時、その控え室には私とTOKYO FMの先輩社員、
コンサートに携わっていたエフエム大阪社員のFさんの3人が。
部屋には扉が2つあって、ひとつは楽屋が連なる廊下に通じるもの、
もうひとつは、ステージへと直接移動できるものです。
扉は専ら、廊下側を使用し、
その部屋の中央にある椅子に座って、3人とも無言でコンサートの開始を待っていました。

その時の私は、緊張を通り越して、失敗したら・・・との不安・恐怖心で
正直、逃げ出したいような思いに駆られていました。
恐い!!


その時。




がちゃっ。




大きな音を立てて、ステージへ通じる扉が、開いたんです。

・・・そこには、誰もいません。

でも、意思を持って、扉が半分、開きました。


!?


私たち3人は、顔を見合わせました。

『さっき、こっちから一度出入りしたから・・・きちんと閉まってなかったんかな・・・』

確かに、エフエム大阪Fさんが5分くらい前に一度、そちらから出入りしました。
でも、半開きだったら、扉はすうっと静かに開くはずです。
それが、明確にドアノブを回す音とともに、開いたんです。
なぜ!?



『・・・もしかしたら、坂井さんがご挨拶に来て下さったんかもしれんなぁ・・・』



Fさんが言った言葉に、鳥肌が立つのを止められませんでした。
私も、きっとそうだ、と思いました。
私のあまりの緊張ぶりを不安に思った坂井さんが、
大丈夫だよと背中を押しに来て下さったのでは、と。
そう思うと、ふっと緊張が解けていきました。

そして、もうひとつ。
この日、私はセミロングの髪のサイド部分を耳にかけていたんですが、
ふと『邪魔かな・・・結びたいな・・・』と思ったんです。
そこで、近くのコンビニに購入しに行っていいか、エフエム大阪Fさんに相談したところ、
『ほんなら、誰か女性スタッフに持っとるか聞いたるわ』とのこと。

2人で楽屋を出ると、すぐ目の前にショートカットの女性スタッフがいました。
その方がどなたか、2人とも知りませんでしたが、Fさんは早速お声をかけて。
『ああ・・・でもその方はショートカットだから、持ってる訳ありませんよ、Fさん・・・』
私がそう思っていると。
その女性が、目を丸くして、一瞬息を飲んだように思えました。





そして・・・

ご自分が首からかけていた透明のスタッフ証ケースをくるりとひっくり返しました。
するとそこには、髪を結ぶためのゴムの輪が3つ・・・

え?
結ぶ長さではない髪型なのに、何故? しかも、3つも??

色々と不思議に思いながらも、新品に見えるそのゴムを1つお借りして
後でお返ししますとお声掛けすると、『大丈夫です、差し上げます』とのこと。
一発でゴムを持ってる人に出会えた、とFさんは笑顔です。

そんな彼が、血相を変えて私のところに小走りでやってきたのは、コンサートの後でした。

なんと。

ゴムくださった女性は、いつも坂井さんの身の回りのお世話をされていた、
付き人さんのようなお立場の方だったそうです。
と言うことは・・・このゴムは・・・


もちろん、私の憶測にしか過ぎません。
でも、でも。
あまりに、信じたいことが多すぎました。
坂井さんが確かにここにいるんだ、ということを。


これが、坂井さんが亡くなったという事実を私がうまく飲みこめていない理由です。
繰り返し記載しますが、これはあくまで私の個人的な体験です。
誰かに何かを訴える意図も、アピールする意図もありません。
ただの思い出です。
この記事が何かの波紋を呼んでしまうことだけは避けたいです。
ですが、坂井さんが亡くなって3年ということをきっかけに、
私とFさんがあの舞台裏で遭遇した体験を
ZARDファンの方に少しでもお伝えできればと思いました。


最後に、坂井さんがつむいで下さったと感じるご縁がもうひとつ。

以前の記事で、群馬県・草津温泉に旅行したときに泊まったペンションの話を書きました。
2010年2月10日付の記事での『セガワペンション』さんの話です。
旅行情報サイトを参考に、自分で選んだ宿泊先でしたが、
前回の記事でこんな表現をしました。

   セガワペンションのオーナーご夫妻と私、
   実は以前、想像だにしない出会い方をしていたのです!!!

実は・・・ご夫妻は大のZARDファンで、
私が司会をさせて頂いた2008年の横浜での追悼コンサートにも、
お2人で遠路、いらしていたそうなんです!
宿帳に書かせて頂いた私の名前をご夫妻がご覧になって、
あれ・・・もしかして・・・? と。
2泊3日の宿泊だったんですが、2泊目の夜に奥様から声をかけて頂きました。
飛び上がるくらいに、本当に嬉しかったです。
ここでも、坂井さんが縁をつむいでくださったんだと、また鳥肌が立ちました。
セガワペンションのみなさま、本当にありがとうございました。
そして、ここまで話を引っ張ってしまい申し訳ありません。
このタイミングで書かせて頂きたかったので、どうぞお許しください。



つむがれる縁。
この5月に大阪と東京では追悼フィルムコンサートが行なわれましたが、
秋から年明けにかけては、全国各地を巡るとも伺っています。
坂井さんの生きた/生きている証に、そして縁に
私もまた、触れに行きたいと思っています。


長い文章、大変失礼致しました。