• mixi
  • Facebook
  • ツイッター
  • Google
  • TOKYO FM
  • TOYOTA
Home>Legend Story
Legend Story
15.05.30
野茂英雄 ノーヒット・ノーラン

今から20年前の1995年、海を渡った一人の日本人がアメリカで社会現象を巻き起こした。
野茂英雄。
メジャーリーグで日本人初の新人王に輝いた彼は、その翌年、2年目のジンクスをものともせず、とんでもないことをやってのけた。

1996年9月18日 対ロッキーズ戦。
標高およそ1600メートルの高地にあるクアーズ・フィールドは、気圧が低いため、打球の飛距離が伸びることで知られる。投手には圧倒的に不利と言われる球場なのだ。

この日は、雨のため試合時間が2時間も遅れたうえ、グラウンドはぬかるみ、気温は10度とコンディションは悪かった。

野茂は、立ち上がりからピンチを迎える。
1回、2回と得点圏にランナーを背負ったが、ここは得意のフォークで後続を断った。

3回、野茂は、ぬかるむマウンドを考慮してトルネードを封印、より安定するセットポジションからのピッチングに切り替えた。
これがピタリとハマった。
キャッチャー、ピアザの好リードもあって、強打を誇るロッキーズ打線を完璧に封じ込めた。

回が進むにつれ、球場全体が野茂のノーヒット・ノーランを期待する空気に包まれていく。
そして、9回ツーアウト、記録達成まであと一人。
バッターは、三番バークス。
カウント2―2と追い込んだ。
観客はすでにスタンディングオベーション、ロッキーズファンまでが声援を送っている。

野茂は、フーと息を吐いた。
110球目。
フィニッシュは、野茂の野球人生を象徴するフォークボール。
そのボールは、真ん中低めにストンと落ちた。
バットが空を切る。

野茂は極めて控えめに、右手を少しだけ突き出して喜びを表した。
日本人選手としては史上初、メジャーリーグでは196人目のノーヒット・ノーランを達成。

日本球界への退路を断ち、右腕一本で海を渡った野茂英雄が、メジャーリーグの歴史にその名を刻んだ。





Message

Circle of Friendsや藤木直人さん、高見侑里さんへのメッセージはこちらから。あなたのスポーツ体験と気分を盛り上げるためには欠かせないリクエスト曲をお待ちしています。