柔道の阿部一二三、阿部詩、レスリングの川井梨紗子、川井友香子、テコンドー界にも兄弟そろって東京オリンピック出場を決めた選手がいる。
男子58キロ級の兄・鈴木セルヒオと68キロ級の弟・リカルド。

日本人の父親と、ボリビア人の母親を持ち、兄のセルヒオは、5歳まで神奈川県川崎市で育った。
その後、両親と一緒にボリビアへ移住し、テコンドーと出会う。
高校時代は、本場、韓国に留学したが、レベルの高さについていけず、心が折れそうになったこともあった。
それでも、厳しい環境で技を磨き、卒業後は、日本の強豪・大東文化大学のテコンドー部に入部。

金井監督から、「まだ自分の才能を全然使いこなしていない」と言われたのをきっかけに、大きな飛躍を遂げる。
1年の時に出場したインカレで優勝を果たすと、その後は国際大会でも結果を残し始め、2018年のアジア大会で銅メダルを獲得、さらに、2019年オリンピック代表最終選考会で優勝を果した。

その背中を追ったのが、6歳下の弟・リカルド。
生まれも育ちもボリビアで、高校卒業後の2017年、兄を追って日本へ。
大東文化大学で技を磨き、2019年の全日本選手権で準優勝。
オリンピック代表選考会の準決勝では、全日本選手権で敗れた相手にリベンジを果たし勝利。
決勝戦も制して優勝、兄弟でのオリンピック代表を決めた。

コロナ禍で緊急事態宣言が出される中、2人は、共に暮らす自宅の寝室をトレーニングルームに変え、練習を積んできた。

ボリビアの為、日本の為、そしてテコンドーを広める為、鈴木セルヒオ、リカルドが兄弟そろってのメダル獲得を目指す！


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