コロナ禍が無ければ東京オリンピックが開かれていた2020年の夏、日本女子陸上界に一人のニューヒロインが誕生した。
同志社大学3年の田中希実、21歳。
陸上の女子1500メートルと3000メートルで日本記録を連発し、一躍脚光を浴びた。
まずは、7月、オリンピック非種目の3000メートルに出場すると、序盤から先頭で引っ張り、残り1周でラストスパート。
あっという間に2位を引き離すと、8分41秒35で優勝。
福士加代子が持っていた記録を3秒以上更新し、18年ぶりの日本記録をマークした。
その翌月には、東京オリンピックの舞台となる新国立競技場で行われた「セイコー ゴールデングランプリ」の1500メートルに出場。
スタートしてすぐにトップに立つと、残り400メートルでギアを上げ、後続をグングン引き離し、4分5秒27でフィニッシュ。
それまでの日本記録を2秒以上更新し、14年ぶりに塗り替えた。
田中は、1999年、3000メートル障害で日本選手権に出場経験もある父親と、北海道マラソンで2度の優勝経験を持つ母親の間に生まれた。
中学から父親がコーチとなり、高校駅伝の名門、西脇工業高校では、3年連続で全国高校駅伝に出場するほか、インターハイや国体でも活躍。
現在は、同志社大学に在学中だが、陸上部ではなく、豊田自動織機トラッククラブに所属し、父親の指導のもと、走りを磨いてきた。
そして、去年12月、日本選手権の女子5000メートル。
残り300メートル付近で先頭の広中璃梨佳を抜き去り優勝。
東京オリンピック代表に内定した。
父親と二人三脚で快進撃を続ける田中希実が、今年の夏、大舞台で世界の強豪に挑む。
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