プロ野球で前人未到の400勝を挙げ、
「かねやん」の愛称で親しまれた昭和の大投手・金田正一。
最多勝、最優秀防御率、沢村賞、ベストナインなど、数々のタイトルを獲得し、
背番号「34」は巨人の永久欠番となっている。

1933年、愛知県に生まれた金田は、
享栄高校を中退して、17歳で国鉄スワローズに入団。
184センチの長身で、左投げ。
対戦相手から160キロを超えていたとも言われるほど剛速球と
大きく曲がるカーブを武器に活躍。
当時下位チームに沈んでいた国鉄にいながら、
14年連続で20勝以上を挙げた。

弱小球団のエースとして、巨人戦には、並々ならぬ闘志を燃やし、
1958年、後楽園球場での開幕戦では、
立教大学出身のゴールデンルーキー・長嶋茂雄と対決。
6大学野球のスーパースターで、
オープン戦で7本のホームランを打った長嶋に対する
世間の期待は大きかった。

しかし、すでにプロで182勝を挙げ、
球界のエースとなっていた金田は、4打席連続で三振を奪い、力の差を見せつけた。
翌年、1959年の開幕戦では、王貞治がプロデビュー。
その対戦投手となったのも金田。
結果は、1フォアボールを出したものの
3打席で2三振と、またもやプロの洗礼を浴びせた。　　　

「ON」のライバルだった金田だが、1964年のオフに巨人に移籍。
国鉄時代は縁が無かった、リーグ優勝、日本一を成し遂げ、
あのV9時代のうちV5に貢献。
そして1969年、通算400勝を達成し引退した。
明るく豪快な性格で、監督や解説者としても
ファンを楽しませた金田正一。
偉大な野球人の伝説は、今後も語り継がれていくだろう。

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