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Legend Story
19.02.09
中澤佑二

日本サッカー史上に残る鉄人がピッチに別れを告げた。
「ボンバーヘッド」のニックネームで親しまれた中澤佑二、40歳。

プロ生活20年、横浜F・マリノスや日本代表の守備の要として活躍し、
代表通算17ゴールは、ディフェンダーとしては日本歴代最多を誇る。

身長1メートル87センチ、ヘディングや1対1に強く、
日本最高のディフェンダーとも称される中澤だが、
高校時代まではほぼ無名。
   
それでもプロサッカー選手になる夢を捨てきれず、
1年間ブラジルにサッカー留学を果たした。
しかし、貧しい環境の中、サッカーに夢を求めるブラジル人の中で、
海を渡ってきた日本人への対応は冷たかった。
試合どころか、まともに練習さえもさせてもらえない。

それでも、中澤は決して腐らず、辞書を片手にポルトガル語を覚え、
地元の子供達に混ざってボールを蹴ったこともあった。
やがてチームメイトも中澤を認め、試合にも出られるようになる。
ブラジルでのキツイ経験は、中澤のサッカー人生の礎となった。

帰国後は、Jリーグの各クラブに自らを売り込み、
練習生としてヴェルディ川崎に参加。
いつクビになるかも分からない中、死に物狂いでボールを追い、
翌年の1999年、ついに念願のプロ契約を結んだ。

2002年に横浜F・マリノスに移籍すると、
翌年からのリーグ連覇に貢献するなど、中澤は、クラブの顔となった。
日本代表としては、ワールドカップ、
ドイツ大会、南アフリカ大会と、2大会連続で出場。
日本のサッカー史にその名を刻んだ。

「1ミリの後悔もなくピッチを去ろうと思う」
埼玉の無名のサッカー選手から日本代表まで駆け上がった中澤佑二、
努力の鉄人が静かにスパイクを脱いだ。


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