5月9日、メットライフドームで行われた、西武 対 ソフトバンク戦。
8回表、スタンドから1人の選手に大きな拍手が送られた。

この日4度目の打席に立った内川聖一は、西武・武隈の投げたアウトコース高めのチェンジアップを弾き返すと、打球はセカンドの頭上を越えてセンター前へ。
その瞬間、内川は、チームメイトに向かって左腕を突き上げた。
史上51人目の通算2000本安打を達成。

「やっと、やっと打てた。しんどかった！」と語った内川、それもそのはず、この1本が出るまでが長かった。
　　　
通算1998本、2000本まで残り2本の状態で迎えた、地元・福岡でのオリックス3連戦。
歴史的な1本は、本拠地で決める、誰もがそう思っていた。
しかし…、1戦目はノーヒット、2戦目に1本打ち王手。
3戦目、3点を追う9回裏ツーアウトから、3人のバッターが粘り満塁、4番・内川に打席が回った。
ここでホームランを打てば、逆転満塁サヨナラホームランでの2000本安打達成というこれ以上ない最高のシーン。
しかし、結果はライトフライ。
5打席ノーヒットで地元での達成を逃した。

その後もヒットがでず、王手を掛けてから15打席目、
苦しんだ末にようやく打った2000本だった。

2000年のドラフト1位で大分工業高校から横浜ベイスターズに入団した内川。
巧みなバットコントロールで、首位打者に輝くこと2回、2008年にマークした打率3割7分8厘は、右バッターの最高記録となっている。

球史に残る右のヒットメーカー、内川聖一は、2000本の大記録を通過点に、今後も安打を積み重ねていく。

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