「外れるのはカズ、三浦カズ」
20年前の 1998年、サッカー・フランスワールドカップ。
開幕まで2週間を切った合宿中、監督の岡田武史から戦力外通告を受けたのは「キング・カズ」三浦知良だった。

1967年2月26日、“サッカーの街”静岡市生まれ。
父親に見せられた70年メキシコワールドカップの映像がカズの人生の指針となった。
ペレやリベリーノ、トスタン、ジェルソンら超豪華攻撃陣を擁し、歴代最強と称された当時のブラジル代表。
小学生のときには、ブラジルでプロになることがカズの夢になった。
15歳のとき、静岡学園高校を1年で中退し、単身、ブラジルに渡った。
ペレも在籍した名門サントスでプロ契約を結び、子供の頃の夢を叶えた。

次なる夢は、日本代表でのワールドカップ出場。
90年、カズは、日本サッカー界を盛り上げるべく、帰国。
93年、日本でプロサッカーリーグJリーグがスタートすると、スター軍団・ヴェルディ川崎でまばゆいばかりの輝きを放った。
ヴェルディをJリーグの初代年間王者に導き、自らも初代MVPを獲得。
94年には、当時、世界最高峰といわれていたイタリアのプロリーグ、セリエAの「ジェノア」に移籍、日本サッカー界の顔となった。

しかし、ワールドカップ出場には手が届かなかった。
失意のどん底を味わい、年々後輩たちが引退していく中、カズは現役を続行。
自身が持つJリーグ最年長ゴール記録を更新し続け、去年の3月12日、50歳にしてゴールを決め、「リーグ戦で得点を決めた、最年長のプロサッカー選手」としてギネス世界記録に認定された。
　　
少年時代から変わらぬサッカーへの情熱と向上心。
51歳のキング・カズは、グラウンドでボールを追い続けている。

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