正月の風物詩、箱根駅伝。
2017年の大会は、青山学院大学が総合優勝を果たし、3連覇を達成。
「出雲」、「全日本」、「箱根」の学生3大駅伝3冠と、箱根3連覇という史上初の偉業を成し遂げた。

原晋監督体制となって9度目の箱根。
2015年は、10時間49分27秒の史上最速タイムで初優勝。
2016年は、1977年の日体大以来、1区から10区までトップを走り続ける完全優勝を果たした。
そして、2017年、往路は、2位の早稲田大学に、33秒差を付けて優勝。
今年も青学が順調にゴールまで突き進むかと思われた。

しかし、準エース区間の7区でまさかの事態が起きる。
快調にトップを走っていた田村和希が、16キロすぎから突然失速。
蛇行するほど走りはフラつき、苦悶の表情を浮かべた。
次の平塚中継所まではおよそ5キロ、追いかける早稲田との差がみるみる詰まる。
運営車に乗る原監督は、「さあ、かずき行こう！」と励まし、沿道からも多くの声援が飛んだ。
必至に腕を振り、泣きそうになりながら前を目指した田村は、どうにかトップを維持したまま8区の下田裕太にタスキを繋いだ。
7区スタートの時点で2分8秒あった早稲田との差は、1分21秒まで縮められていた。
　　　
しかし、下田が2年連続の区間賞で再び2位以下を引き離すと、最後は2位の東洋大学に7分以上の大差でゴール。
　　　
監督就任から13年目、予選落ちが当たり前だった弱小チームは、原監督のもと、駅伝の最強チームとなった。

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