テニス史上最強の“クレーの王者”ラファエル・ナダル。
15歳の若さでプロデビューを果たすと、すぐにその非凡な才能を開花させた。
　　　　
最大の武器は、鍛え上げた肉体が生み出す鋭いフォアハンド。
強烈なスピンがかかったボールは、食い込むようにクレーコートを捉え、相手の顔の高さまで跳ね上がる。
さらに、圧倒的な運動量による高い守備力。
攻防一体のプレーは、球足が遅く、ストロークが長く続く、クレーコートでより発揮される。
　　
王者への歩みは、ナダルにとって初のメジャー大会、2005年の全仏オープンから始まった。

準決勝でランキング1位のフェデラーを破ると、決勝でプエルタと対戦。
第1セットこそ落とすが、その後は3セットを連取。
最終ポイントも強烈なスピンショットで締めくくり、わずか19歳で全仏オープン初優勝、ナダルが「クレーの王者」に輝いた。
　　
クレーコートで負け知らずの快進撃をみせるナダルは、翌年の全仏オープン決勝で「帝王」・フェデラーと対戦。
第1セットこそ失うが、ここから「クレーの王者」がその実力を発揮。
縦横無尽に走り回る鉄壁の守備、そしてチャンスとあらば、強烈なフォアハンドでポイントを決め、2セットを連取。
　　
そして迎えたナダルのマッチポイント。
トップスピンの効いたフォアハンドで左右深く打ち分けると、最後は相手のお株を奪うネットプレイでポイントを取った。
　　
グランドスラムの決勝で負けたことが無かったフェデラーに初黒星を付け、ナダルが全仏オープンを連覇。
それは、「クレーの王者」ナダルと「帝王」フェデラーとのライバル物語の幕開けでもあった。


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