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Legend Story
15.12.05
裸足の鉄人 アベベ・ビキラ
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1960年9月10日。
ローマオリンピックのマラソンは暑さを避け、オリンピック史上初の夜のレースとなった。

20キロを過ぎ、数人に絞られた先頭集団の中に無名のランナーがひとり。
ゼッケン「11」、エチオピア代表のアベベ・ビキラ。
   
名前以上の詳細が何もない。
それもそのはず、当時、エチオピアのオリンピック参加の歴史は浅かった上に、アベベにとってローマオリンピックは、マラソンを始めて三回目のレースだった。
      
無駄な筋肉を一切そぎ落とした褐色の長い足。
驚いたことに、彼は、裸足だった。

「どうせ脱落する」レースを見つめる誰もが思った。
しかし、アベベはいつまでたっても先頭から離れない。
   
30キロを過ぎ、優勝争いは、アベベと優勝候補のモロッコ代表のラジに絞られた。
アベベのスピードは一向に衰えることは無い。
   
そして、40キロを過ぎると猛然とラストスパート。
石畳のアッピア街道を走り抜け、月明かりに照らされた凱旋門にそのまま入ってきて、一位でゴールした。
2時間15分16秒の世界最高記録。
史上初めてエチオピアに金メダルをもたらした。

大会前に靴が壊れ、ローマで新しい靴を買おうとしたが、合うものがなかった為、裸足で走ったアベベ。
普段の練習から裸足で高原を走っていた彼は、靴を履かないことに慣れていた。

「今からでも、もう20キロくらいは走れる」と涼しい顔で言ってのけ、記者たちを驚かせたアベベ・ビキラ。
「裸足の英雄」の伝説はこうして生まれ、一夜にして世界中を駆け巡った。

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Circle of Friendsや藤木直人さん、高見侑里さんへのメッセージはこちらから。あなたのスポーツ体験と気分を盛り上げるためには欠かせないリクエスト曲をお待ちしています。