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Legend Story
15.10.17
伊藤みどり アルベールビルオリンピック

1992年2月、アルベールビルオリンピック。
女子フィギュアスケートの歴史に新たな大技が刻まれた。
トリプルアクセル。
   
小学5年で初出場した1980年の全日本選手権で3位に入り、「天才少女」と脚光を浴びた伊藤みどり。
19歳の時には、世界フィギュアスケート選手権で女子として初めて国際大会でトリプルアクセルを成功させた。

次はオリンピックで…。
しかし、オリンピックシーズンを、伊藤は満身創痍で迎えた。
骨折や捻挫を繰り返し、十分な練習ができず、さらに、金メダルへのプレッシャーも重くのしかかっていた。
  
最初の種目、オリジナルプログラムで伊藤は、当日になって急遽ジャンプを変更、本来トリプルアクセルを飛ぶところをトリプルルッツに変えた。
金メダルの為の安全策。しかし、難易度を落として臨んだそのルッツで転倒、オリジナルプログラムを4位で終えた。

2日後のフリープログラム。
最初のトリプルルッツは、2回転となるミス。
次は、いよいよオリンピックで初めて挑むトリプルアクセル。
しかし、着氷に失敗、氷の上に投げ出されるように転倒した。
   
だが、この転倒で伊藤の気持ちは吹っ切れた。
直後のトリプルフリップを成功し、演技終盤でようやく本来の滑りを取り戻した。
次は、5番目のジャンプ。
実は、ここでなにを飛ぶかは決まっていなかった。
その日の演技で納得の行かなかったジャンプを飛ぶ、つまり、その場で伊藤自身が決断することになっていたのだ。
   
選択肢は二つ、回転不足になったトリプルルッツか転倒したトリプルアクセルか。
スピンを終えた伊藤は、ジャンプへの助走に入った。
オリンピックで一番やりたい事は何なのか…自然と体がトリプルアクセルを飛ぶ方向へ動いた。
   
スピードに乗り、前向きのまま高く強く踏み切る。
1、2、3、滞空時間の長いジャンプ。
氷上にすっと降りた。

金メダルには届かなかったが、日本人フィギュア選手としてオリンピックで初のメダルとなる銀メダルを獲得した伊藤みどり。
その顔には、天才少女と謳われ、ジャンプをすることが楽しくて仕方がなかった頃の笑顔が戻っていた。

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