今週の「ATHLETE NEWS」は、子供たちの向いているスポーツや運動能力の伸ばし方をアドバイスする「DOSA スポーツ能力測定会」をご紹介します。
この測定会は、全国各地で行われています。今回取材をしたのは、福島県郡山市で行われた測定会。
対象は小学校1年生から高校3年生で、親御さんと一緒に参加されているお子さんが沢山いました。
そして、スペシャルゲストとして200mハードルアジア最高記録・日本記録保持者であり、現在はスプリントコーチとして活躍する秋本真吾さん、アスリートビートにもお越し頂いた、プロフィギアスケーター・鈴木明子さんが参加されました。
ーこの「スポーツ能力測定会」、始めたきっかけは何だったのでしょうか?一般社団法人スポーツ能力発見協会理事長・大島 伸矢さんに伺いました。
大島「子ども達のスポーツの出会いは、学校で習う。友達がやっている。親がやっている。と大きく、3つに分けられます。それだけで、10種目くらいしかスポーツを経験できる機会がないんです。
世の中には69種目という多くのスポーツがあり、それを出来る限り満遍なく体験していただいて、その子にあったスポーツをやっていく事が体力向上につながります。
そして、日本のスポーツ界でも優秀な人材を発掘できるのではないか?ということで、体力測定をしながら、子ども達の武器を見つけ、69種目の中から適したものを紹介していくということを始めました」
測定種目は5種目
?【10mスプリントスピードテスト】
・スタートダッシュ能力を測定、より早く走るための改善ポイントを見つける。
?【敏捷性テスト】
・反復横跳びのようなもので、止まる、素早く方向転換する能力を測定。
?【ジャンプ力とバネ力テスト】
・高く跳ぶ能力、素早く跳ねる能力を測定。
?【反応ジャンプテスト】
・視覚的に変化した時にどれだけ早く身体が反応するか測定。
?【ボールスローテスト】
・投げるパワー、投げるスピードから腕力を測定。
これらは、どの種目でも必要不可欠なものだそうです。
そして、これらを測定する機器は海外の有名スポーツチームも使用している最新機器。
測定したデータがその場で数値化され、自分の強み、弱みを知ることができ、どんなスポーツが向いているのかアドバイスがもらえます。
ー今回の測定会には沢山の小学生が参加されていました。スポーツにおいて、とても大事な期間なんだそうです。男子200mハードルのアジア最高記録保持者でもある、秋本真吾さんにお話を伺いました。
秋本真吾「 小学校の6年生、大体12歳から13歳までに運動神経が確立されると言われています。
いかにその時期にいろんなカラダの動かし方とか、いろんなスポーツに触れあうかというのがスポーツをする引き出しを作ります。
いろんなスポーツを遊びの中でもいいので、やっていくと、あとあと、いろんな事が出来る身体になっていくんです。小学6年生まではいろんなスポーツに触れあうのが大事で、将来的にアスリートになる小学校における家庭環境というデータがあり、親子で何かをする、触れあうというのがあとあと大事になるそうなんです。
自分自身をみても、小さな頃、父親と色々な大会に参加していました。なので、親子でスポーツを体験したり、見たり、触れあったりして欲しいですね」
お話を聞いてくると、子ども達にどんな環境を作ってあげられるのか?親御さんや、まわりの大人達の影響は大きいです。
そして、スペシャルゲストとして参加された、プロフィギアスケーター・鈴木明子さんに子ども達が楽しくスポーツ出来るために、親御さんに是非、やって欲しいポイントについて伺いました。
鈴木明子「これは、出来て当たり前という親の目線ではなく、子どもの目線にたって感じる事が大事ですね。あの子が出来ているのにうちの子が出来ないからというのは全く関係なくて、その子がどれだけ上達したかが大事なんです。
測定会を見ていても、カラダの使い方を知らないから、『えっそういうやり方するんだ!』という子もいますね。でも、それはその子の個性。知らないだけなんですよ。これは親だけではなく、コーチやすべての人に言えるのですが、どう伝えたら分かってくれるかなと考えなくてはいけないですね」
2020年には、東京オリンピックが開催されます。これこそ、親子でスポーツに触れあう絶好のチャンスです。
プロフィギアスケーター・鈴木明子さん、そして、男子200mハードルのアジア最高記録保持者・秋本真吾さんに東京オリンピックをどのように感じて欲しいか伺いました。
秋本真吾「テレビで観ていたものが、実際に日本の中で観られるチャンスだと思います。東京の街に海外の方が溢れていると思ってて。小さい頃から海外に出た選手が、順調に育っていったワクワク感って、すごくあって。このまま、この子達がトップになったら、日本はスポーツがすごくなるよなっていう期待感があるんですよ。海外の人との交流によって、世界に飛び出す子ども達が増えたり、そういうきっかけになると嬉しいですね」
鈴木明子「東京オリンピックは、今から子ども達に明確な目標を作ってくれると同時に、子ども達がスポーツにチャレンジする機会が増えていく。そして、一流のものに触れて欲しいと思います。そういう機会を持って欲しいというのと、せっかく身近にくるものなので、自分たちとは関係ないのではなくて、まさに身近にあるものだと感じて欲しいですね」