今週の「ATHLETE NEWS」は先週に引き続き、なでしこジャパンの攻撃の中心的存在、川澄奈穂美選手です。
去年、アメリカ女子プロサッカーリーグのシアトル・レインに移籍した川澄選手。海外移籍して得られたことは何だったのでしょうか?
そして、なでしこジャパンが連覇を狙う、FIFA女子ワールドカップカナダ2015について伺いました。
ー川澄選手は2度の週間MVP。そしてベストイレブンに選出されるなど大活躍だったのですが、これはアメリカ女子プロリーグでは、日本人選手として初の快挙なんです。この結果についてはいかがですか?
「日本人選手として、初めてというのは知らなかったですね。そうやって選ばれたのは光栄なので、日本人として認められたのは嬉しいですね。その経験を、これからのサッカー人生に生かしたいですね」
ーアメリカから帰ってきて、改めて日本でプレーして景色は変わりましたか?
「周りがよく見えるようになったし、良い意味でゆったりとプレーすることができるようになりましたね。アメリカはプレイスピードも速いので一手、二手先を考えて動かないといけないし、考えも動きもスピードが求められるので、それは日本では経験出来ない部分だったと思います」
ー身体をかなり鍛えているそうですね。理想は「獣の身体」というのを拝見したのですが、どんなイメージですか?
「もともと動物が隙で、動物は生きるために生きているじゃないですか。生きるために鍛えぬかれた身体はカッコイイなと思って、憧れるな〜と(笑)。理想はチーターです。顔も小さいし、手足が長く身体もすっとくびれているので、カッコいいなと思って見てますね」
ーそもそも、川澄選手がサッカーを始めたキッカケは何だったんですか?
「3つ上の姉がいるんですけど、父と3人でサッカーを観に行って、姉がやりたいと言いだして始めたんですよ。私が小学校の時は、神奈川県は女子サッカーが盛んだったんです。周りには珍しく、男子のチームに入った事がない選手なんですよ。私は女子一本で、小学校2年生から入団して始めました」
ー初めてサッカーボールを蹴ってみた時から、「楽しいな」と感じましたか?
「もともと、身体を動かすことが好き子だったので、サッカーも自然に好きになっていきました。小学校6年生の卒業文集でLリーガーになると書いていたんですよ。自分の記憶では、それが最初に夢を持った時かなと思っていたんですけど、ワールドカップが終わった後くらいに、小学校の同級生のお母さんが、小学校2年生の時の文集を持って来て、それを見たら「サッカー選手になるんじゃ!」って書いてあったんですよ(笑)。だから、小学校2年生から思っていたんだなと思って、ボールを蹴り始めた頃には、楽しくて仕方ないと思ってやっていたんだと思います」
ー川澄選手みたいになりたいというお子さん達は、たくさんいると思いますが、何かアドバイスはありますか?
「スポーツに限らず、自分の好きな事はあると思うので、それをずっと好きで、もっと知りたい、上手くなりたいって思ったり、色んな事に興味を示していけば、必ず夢に出会って、それを叶えるための努力が出来ると思います。好きな事は、とことんやってほしいと思います」
ー川澄選手にとって、今の目標は何ですか?
「今年ワールドカップがあるので、まずメンバーに選ばれることです。メンバーに入ったという意識で、常日頃から練習しているので、もう一度ワールドカップを日本に持って帰ってきたいと思います」
ー川澄選手のお話をうかがっていると、いつもイメージがクリアだなと思うんですけど、そういったイメージはもう出来上がっていますか?
「イメージすることはすごく大事だと思うので、男子のワールドカップ優勝した国とかがカップを掲げたりしてるじゃないですか。あそこに自分の顔を当てはめて、仲間の顔を当てはめて、自分もあそこへ!と、思っていたので、2011年はそれが現実になって、あの時の感動は今でも忘れられないですね。よく、一度達成すると、抜けちゃったりとか言われるけど、逆にあの感動を味わって、それがモチベーションにならないわけがないじゃないですか。だから世界の強豪チームは、ずっとトップにいるんだなと思いますね」
ー一次リーグでは、「なでしこジャパン」は初戦がスイス、第二戦がカメルーン、第三戦がエクアドルと対戦する事になっています。この組み合わせについてはどう思われますか?
「今大会から出場国が増えて、いろんな国と対戦できるのは非常に楽しみですね。どのチームも、4年前と同じチームが出るわけではないので、どのチームもチャンスはあると思います。だから、初戦から気を引き締めてやりたいなと思います。
ー川澄選手が仰った通り、優勝したメンバーとは選手の入れ替わりがあるかもしれませんが、経験者として若手選手をまとめ上げていくという意識もあるのでしょうか?
「自分がサッカーをしていて、経験しているというのはすごいなと先輩方をみて感じるので、自分も色んな事を経験させてもらってきたので、「自分が何ができるのか?」を考えて、それは経験をしてきた者の責任だと思います。それをしっかり考えながらやっていきたいと思います」