先週に引き続き、2011 FIFA 女子ワールドカップ ドイツで、日本を初優勝という快挙に導いた「なでしこジャパン」の支柱、そして女子サッカー界の宝、澤穂希選手です。
来年は、カナダでFIFA 女子ワールドカップが行われます。前回優勝をしている日本ですが、ディフェンディングチャンピオンとして出場する日本にとって、どんな大会であるのかを伺いました。
ー 来年は、カナダの女子ワールドカップがありますが、前回優勝して、今回の女子ワールドカップは日本にとって、どのような意味合いがあると思いますか?
「正直、どの国も中々連覇って達成した事のない、本当に難しい事だと思います。現状の女子サッカーだと、まだまだ、アメリカやドイツと差があるなと思いますし、今のままじゃ、正直厳しいなと思う事もあります。
もちろん良くなった部分もあるので、今はもっともっと個人のレベルを上げて、そしてチームとして、一つでも二つでもより高い目標を持ってレベルを上げないと、連覇は無いのかなと思っています」
ー 3年前に共演をさせていただいた時に、澤選手が「自分は言葉よりも、走って、プレイで選手を引っ張っていく」と、仰っていたのですが、その理念は今も変わらないですか?
「全然変化は無くて、今でもそれは変わらずですね。年齢を重ねて上にいってますけど、自分が出来るのは、口よりもプレーで見せないと、下の子も着いて来ないですからね。
やっぱり、口だけの選手は信頼されないと思うので。ここぞという時に点を入れられる、勝負強い選手でいたいと思います」
ー スポーツ選手にとって、オリンピックはどういったものですか?
「オリンピックはスポーツの祭典で、大きな大会でもあるし、スポーツ選手にとっては一番の目標なんじゃないかと思いますよ。その4年に一回の為に、毎日努力して練習をする。よくオリンピックに魔物がいると言いますよね。
自分のプレーを発揮出来なかったり、ミスがあったり、何が起こるかわからない大会というイメージがあります。でも、自分の国、日の丸を背負って戦うというのは、相当なプレッシャーがあります。
それは、選手じゃないとわからないし、活躍すればみんなが盛り上がってくれるけど、結果が出ないと、すごく言われてしまいますしね。
でも、すごくやり甲斐があるし、オリンピックは注目する大会でもありますからね。そこで、メダルをとるというのは、とった人じゃないとわからない達成感みたいなものがもありますからね」
ー 澤選手でも、大きな大会で緊張したり、いつもと違う気持ちになったりしますか?
「もちろん、普段の試合でも緊張しますよ。その緊張感が程よく、気持ちいいんですよ。ドキドキはしますけど、試合に入れば、忘れて集中出来るので、そんな緊張感は好きですね」
ー 2020年に向けて、女子サッカーが進むべき道は?
「女子サッカーに携わってきた者としては、自国でオリンピックというのは、普通一生に一回しか無いと思うんですよね。その中で、そういうチャンスがある選手は、一番いい色のメダルを目指してほしいと思いますし、それに向けて頑張ってほしいと思います」
ー 2020年に向けて活躍出来るかもしれないという子たちが、今、どういう事に取り組んだらいいでしょうか?
「どのスポーツもだと思うんですけど、練習あるのみです。基礎をしっかりやって、何回も同じ事を練習、繰り返すという事ですね」
ー 精神面ではどうでしょうか?
「人それぞれだし、性格もあるので、メンタルの強化には何をしたら良いというのは、私も全くわからないですね。私は20歳の時に一人でアメリカに行って、言葉もわからず厳しい環境に身を置きました。今までは両親がやって来てくれた事を、英語もわからない中、勉強しながら、すべて自分でやったのは、その後の自信に繋がりました。厳しい環境に身を置くのも、一つかなと思います」
来週は、FIFA U-17女子ワールドカップコスタリカ2014で、大会MVPを獲得、未来の日本の女子サッカーを担う、藤枝順心高校の杉田妃和選手のインタビューをお届けします。