今週の「Athlete News」は、バレーボール元日本代表で、ロンドンオリンピック銅メダリストの竹下佳江さんをゲストにお迎えしました。
竹下佳江(たけした・よしえ)さんは、1978年、北九州市生まれ。
高校卒業後に実業団入り、翌年の1997年、日本代表入りを果たされました。
2000年のシドニーオリンピック出場を逃し、一度は引退。
復帰後、日本代表のキャプテンも務め、2012年のロンドン大会では銅メダル獲得に貢献されました。
2013年に現役引退され、現在は、プロバレーボールチーム『ヴィクトリーナ姫路』の取締役球団社長付エグゼクティブアドバイザーを務めていらっしゃいます。
今回は高見さんがリモートでお話を伺っていきました。
──竹下さんは現在、2人のお子様の子育てをしながら、プロバレーボールチーム『ヴィクトリーナ姫路』の取締役球団社長付エグゼクティブアドバイザーを務めていらっしゃるということですが、これはどのようなことをされているんでしょうか?
今は営業の方たちと一緒に回ったりとか、普及活動であったりとか、本当にいろんなことをさせていただいてるという感じですね。
──『ヴィクトリーナ姫路』は2016年に初の女子プロバレーボールチームとして設立されたということで、最初は4年間、監督を務められていらっしゃったんですよね。
そうなんです。「引退します」となって、一度バレーボールからちょっと離れていたんですけど、その時に眞鍋(政義)さんから「ぜひ監督をしてくれ」というお話をいただいて、監督をすることになりました。
──眞鍋さんは今、バレーボール女子日本代表監督を再び務められていらっしゃいますけれども、竹下さんの現役時代、2012年銅メダルに輝いたロンドン大会でも日本代表の監督を務められているので、本当に竹下さんとは長いお付き合いになりますよね。竹下さんからご覧になって、どんな監督なんでしょうか。
めちゃくちゃ準備するんですよ。もちろん試合前もですけど、試合の何ヶ月も前から逆算して、いろんなことを準備していく。すごいスペシャリストだなと思いますね。
あとは、監督というのは決断しないといけないポジションなので、そういう決断の速さというのはやはりすごいなと、自分が監督になって余計に思いました。
──竹下さんは「世界最小最強セッター」と呼ばれていましたけれども、身長159cmで、世界の高身長の選手相手に心がけていたことは何だったんでしょうか。
私はオリンピックには3回出ているんですが、その前にシドニーオリンピックのチャンスもあったんですけど、そこで切符を逃してしまったという思いがあって。
身長のことでたくさんバッシングもされましたが、“身長じゃない”というところ、“技術でどれだけ周りを認めさせるか”とか、そういう思いがそこから強くなっていって、身長159cmですけど、技術的なところで身長の高い選手に劣らないようにやっていこうという思いが強かったですね。
──そして現在のバレーボール女子日本代表についてお話を伺っていきたいんですが、去年の東京オリンピックでは予選ラウンド敗退、全12チーム中10位に終わりまして、このたび代表監督に就任された眞鍋監督もこの成績にかなりの危機感を抱いていると仰っていました。竹下さんは東京オリンピックの結果はどう思われましたか?
やはり非常に残念だなという思いはありました。ただ、若い選手たちもたくさん出てきていましたし、「これから楽しみだな」という部分と、やっぱり「世界で戦うのはそんなに甘くないぞ」というところもあるので、そういった意味で、眞鍋監督が「危機感を覚えた」と仰っていたことはすごくわかりますね。
──竹下さんの仰っている「楽しみな選手」というのは?
東京オリンピックの時はちょっと怪我をしてしまったんですが、古賀紗理那選手や、石川祐希選手の妹の石川(真佑)選手であったりとか、そういったところはさらに活躍していくと思いますし、今現在、『V.LEAGUE』と言って日本のトップリーグが開催されてるんですけど、その中にも非常に良い選手がたくさんいますので、楽しみだなと思います。
──竹下さんご自身が選手・監督・経営側、様々なポジションを経験されて、改めて日本のバレーボールの課題は何だと思われますか?
“良くも悪くも”だと思うんですが、やっぱりちょっと古い体制がそのまま残ってるのかなと思いますので、そういう部分が良い方向に変換されていけばいいなと思いましたし、眞鍋さんが監督に就任された会見の時に、「いろんな人を巻き込んで、良いものをチームに取り入れていこう」ということを仰っていたので、そういった柔軟なものがうまく噛み合えばすごくいいなと思います。
──古い体制というのがまだ残ってるんですか?
残ってますね。サッカーとかバスケとか卓球とかもそうですけど、他競技を見ていると、いろんなことがどんどん変化していて、新しいものを取り入れつつあるなと思うんです。
そういった意味では、バレーも、「古き良き時代」の良いものは大事だと思うんですけど、それプラス、やっぱり新しいものを取り入れてさらに進化を求めていかないと、置いてけぼりになってしまうんじゃないのかなという危機感はありますね。
──まさに今、眞鍋監督がバレーボール界にその新しい風を吹き込ませようとされている、という感じなんでしょうか。
そうですね。また良いものを作っていってくれるんじゃないかなという期待感はあります。
──そして、2024年にはパリ大会です。改めて、後輩たちに期待することは何でしょうか。
やはり、次のオリンピックまで時間がないと思うんです。そういった中で、コンディションを一番良い状態に持っていくということももちろんですけど、コロナ禍でこれまでの誰もが経験してきていないことを今のアスリートたちは経験してきているわけですから、そういった中で強さも生まれてきていると思うので、さらにたくましく成長した日本の女子バレーを見せてほしいなと思います。
──さて、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。竹下佳江さんの心の支えになっている曲を教えてください。
ET-KINGさんの「寿」です。
現役中はいろんな曲を聴いていて、「これ!」というよりは、その時その時にいろんな曲を聴いてたんですけど、この曲に関しては、私が主人と結婚式をした時に、ET-KINGさんに歌っていただいた曲なんですね。
──実際に、ご本人に?
そうなんです。なので、「私たち家族がスタートした」というところと、今この曲が、子供たちにとっては「主人(父)と私(母)が結婚した時の曲なんだ」ということで、車の中とかでも歌ったりするんです。
──心温まりますね。2人のお子さんを育てていらっしゃるということで、子育てで大切にしていることは何でしょうか。
私はバレーで育ってきたんですけど、子供たちにはいろんな選択肢を広げてあげたい、いろんなことを経験させてあげたいという思いで彼らと一緒に過ごしています。
あとはもう、「とにかく挨拶をしなさい」って(笑)。
──「色々させてあげたい」というのは、スポーツに限らずですか?
そうですね。お勉強もそうですし、スポーツでも、1競技だけじゃなくて、今はスイミングをやったり体操をやったりしています。上の子は「野球をやりたい」って言い始めているんですけど、体のベース作りという意味ではそういうことをしながら、自分に合うものを見つけていってくれたらいいなと思っています。
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