今週の「Athlete News」は、フリースタイルスキー・モーグルの堀島行真選手をゲストにお迎えしました。
堀島行真(ほりしま・いくま)選手は、1997年生まれ、岐阜県出身。
1歳からスキー板に乗り、小学4年からモーグルを本格的に始めました。
2017年、世界選手権はモーグル、デュアルモーグルで2冠。
優勝候補として臨んだ2018年の平昌オリンピックは、11位。
その悔しさをばねに強化を重ね、北京オリンピックでメダル獲得を目指しています。
今回はリモートでお話を伺っていきました。
──今シーズンのワールドカップ、かなり手ごたえのあるシーズンになっているんじゃないですか?
そうですね。今までのスキー人生の中でも、1シリーズの中でこれだけ表彰台に入ることはなかったので、自分としても好調だなとは感じています。
──そして堀島選手は、前回の平昌オリンピックは11位。どのような思いでこの4年間過ごしてこられましたか?
11位という結果は自分では満足していないんですけど、今となってみれば、実力もあった状態で平昌オリンピックに出場することができましたし、今回もこうしてメダルを狙えるかどうかというところで戦えていることはすごく誇りに思っていますし、平昌の時にもそういう自分がいたんだなと思うと、それほどネガティブな気持ちではないです。でも(平昌オリンピックでは)失敗はしてしまったので、次は成功したいと思ってます。
──オリンピックシーズンになると、各選手、目の色を変えてくる(必死になって挑んでくる)ような感じなんですか? それとも、本番まで手の内は見せない…みたいな、お互い警戒し合う感じになるんですか?
僕たちの競技はオリンピック前までにすごく大会数が多くて、みんな全力で戦っている感じです。僕は、ソチオリンピック、平昌オリンピック、そして今回と、3回オリンピックのシーズンの冬を過ごさせてもらっているんですけど、その度に、(オリンピックシーズンは)例年とは違う緊張感と、例年とは違うみんなの仕上がり方が目に見えて出てくるなと感じています。
──モーグルの採点というのは、ターンが60点満点、そしてスピードとエア(空中の技)が各20点満点。堀島選手が得意としているのは?
僕たちの競技ではその3つの項目があるんですけど、ある程度全て得意じゃないとトップには行けないというところはあって、やっぱり全体的にバランスの取れた選手が強くなってきます。ただ、僕はエアもジャンプも好きですし、ターンも好きなので、どちらも自信はあります。
──上村愛子さんが「堀島選手はターンが素晴らしい。自分の滑りができるとかなり良い成績なるんじゃないか」と仰っていましたけれども。
ターンもだいぶ磨いてきて自分がしたい滑りに近づいてきているので、そこはジャッジに評価されたり大会で結果が残せるといいなと思いますし、自分の滑りがしっかりとできればそれも繋がってくると思うので、しっかりやっていきたいなと思います。
──100点満点で言うとそのうち60点を占めるターンはかなり大きな要素になってきそうですけれども、このターンの採点基準が昨シーズンに変更になったんですか?
そうですね。「カービング」という項目が、少しだけ得点配分が上がったような形になりましたね。
──これは、カービングの技術、そして膝の吸収と雪面への加圧、上半身の安定、という3項目がそれぞれ1/3ずつだったものが、カービングが40%、そしてあとの2つがそれぞれ30%ずつになった。僕たちからするとその変更がどれくらいの影響になるのかちょっと分かりづらい、誤差ぐらいなのかなと思うんですけれども、堀島選手にとっては影響があるんですか?
ずっとこだわってやってきたのはカービングだったので、それが(これまで)1/3ずつしか取れなかったのが、こだわっているところにジャッジも目を向けてくれたということは、少しアドバンテージがあるのかなとは思っています。
──ご自身が得意とされているところに重きを置かれるようになったというと、これは嬉しいことですよね。
そうですね。すごく追い風というか自信にもなります。
──モーグルのコブや斜面は滑るたびに変化していくと思うんですけれども、滑走順やどのコースを滑るかという“コース取り”というものも重要になってくるんですか?
そうですね。基本的に3コースとか作られていて、選手たちは2日間の公式トレーニングの中で、その3コースのどれが一番滑りやすいかというのを何本も試し滑りして決める。そしてその1本(のコース)を、予選なら予選で滑って、決勝で滑って…という形です。
──1度決めたら、必ずそこを滑らなければいけないんですか?
心の中で決めればいいので、予選で良くなかったな、となったら(次は)隣のコースに行ってみよう…という変更もできます。
──これも当然、そのコースを滑る人が多いと状況が刻々と変わってきてしまうから、どの選手がどのコースを滑るかという読み合いにもなったりするんですか?
そうですね。それもすごく見ていて、自分が行ったコースの後ろを見て、何人も滑ってきていたら“ちょっと変えてみようかな”とか、“誰もいなそうなコースはどこかな”というところも視野に入れながらやっています。
──そして、北京大会での最大のライバルは?
ライバルは、やっぱり自分の滑りができれば結果がついてくると思うので。もちろん、今回もワンツーフィニッシュしている原大智選手も良いライバルですし、ミカエル・キングスベリー選手というモーグルでは絶対王者と言われている選手もいるので、僕も出来る限りベストな状態で行って、みんながベストのパフォーマンスをして勝敗が決まればいいなと思います。
──原選手は競輪に転向するということで驚いたんですけれども、さらにもう1回モーグルに戻ってくるということで、とても驚きました。堀島選手も驚かれたんじゃないですか?
僕は(原選手が)競輪でどうだったとか、その先にモーグルに戻ってくるのかとか、そういった情報は聞いていたので。
北京までは原選手も(モーグルを)頑張るということは聞いていて、オリンピックを目指す選手たちがいる中で、1年2年と競輪で休んだ期間があって、本当に戻ってこれるのか…という心配や不安もあったんですけど、無事に戻ってきて、今シーズンも僕とワンツーで表彰台に立っているので、すごいなと思います。
──さて、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。堀島選手の心の支えになっている曲を教えてください。
BANTY FOOTの「NEW DAY (feat. NEO HERO)」 という曲です。
タイトルにもあるように、「NEW DAY」、“新しい日”というタイトルなんですけど、“また一歩、ここから新しい気持ちで始めよう”とか、“チャレンジをしていこう”とか、“過去にあったことは全部関係なく、自分が今ある状態からまた一歩進もう”という気持ちにさせてくれるような曲です。
──雪は“毎日まっさらになる”というイメージで言うと、「NEW DAY」って、すごくウインタースポーツと馴染みが良い感じがしますよね。
そうですね。新しい雪を“新雪”って言うんですけど、僕らもすごく好きで、毎年それを楽しみにスキーをしているぐらいなので、ぴったりだと思います。
今週のゲスト、堀島行真選手のサイン入り色紙を1名様にプレゼントします!
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