今週の「Athlete News」は、「東京パラリンピックスペシャル」として、生放送でお届け!
先週に引き続き、リオ・パラリンピックの男子400mリレーで銅メダルを獲得された芦田創選手をゲストにお迎えして、今週はリモートでお話を伺っていきました。
芦田創(あしだ・はじむ)選手は、1993年生まれ、大阪府出身。
幼少期に右腕に難病を患い、治療の中で、機能障がいが残りました。
15歳で陸上を始め、高校3年のとき400mで日本新記録をマーク、さらに、数々の世界大会で好成績を収められます。
2016年のリオ・パラリンピック男子400mリレーでは、銅メダルを獲得されました。
──今週もよろしくお願いします。今日はリモートでお話を伺いますが、先週はスタジオにお越しいただいたんですけれども、今日はリモート。何か理由があるんでしょうか?
はい。実は大阪に引っ越しをしまして(笑)。
──先週スタジオでお聞きしてびっくりしたんですけれども、そんなお忙しい中、2週にわたってご出演いただいてありがとうございます。大阪に引っ越された理由というのは?
私自身は東京大会の代表を逃してしまって、でもすぐにパリ大会を目指す意欲が湧いてきたので、新しい環境でパリに向かって頑張っていくということで大阪に環境を移しました。
──新しい環境というのは、何かを変えたんですか?
コーチを変えまして。コーチのいる大阪に家族と一緒に移って、そこから3年間、大阪でしっかりコーチとトレーニングを積んで、パリ大会を目指そうと思っています。
──今まではどんなコーチに付いてらっしゃったんですか?
実は、2018年の年末からオーストラリアのシドニーに拠点を置いて、オーストラリア人のコーチを付けてトレーニングをしていたんですね。ただ、今回こういうコロナ禍になりまして、コーチと国をまたいでコミュニケーションするのが難しかったり、昨年1年以上会えなくて、(自分だけで)トレーニングをする難しさがあったりしたんですけど、その中で自分のパフォーマンスも思うように上がらず、今回(オリンピックの代表に)落選してしまったので、ちょっと心機一転、またコーチを変えて頑張ろうかなと思って(コーチを変えた)。
──コーチというのは、ご自身で探されるんですか?
そうですね。基本的には、今自分が必要な情報や技術を持っているコーチに自分からコンタクトを取って、「こういう姿になりたいので、そこに導いてください」という連絡をしますね。
──でも、外から見ていると、そのコーチがどんな情報を持ってるか、どういう教え方をするのか、わかりづらい部分があると思うんですけど…。
そのコーチがこれまで指導されてきた選手の動きを見て、“自分もこういうトレーニングをしたらこういう選手の動きに近づくんだろうな”とか、あとは“自分の足りない技術をこの選手は持っているから、じゃあこの選手は普段どういうトレーニングをしてるんだろうか”っていうのを、まず推測ですけど、その段階からかけていって、それで実際にコーチとセッションを重ねていく中でフィーリングが合えば、そのままコーチを継続していただくという流れになります。
──じゃあ、フィーリングが合わなかった時には「ごめんなさい」することもあるってことですか?
めちゃくちゃ気まずい感じではあります(笑)。
──(笑)。大阪で心機一転ということで頑張っていただきたいなと思うんですけれども。
さて、東京パラリンピック、ここまで日本は金メダルが8個、銀メダル12個、銅メダル14個とまさにメダルラッシュですね。リオ大会では銀は10個、そして銅は14個獲得したんですけれども、金メダルはありませんでした。今大会の躍進の要因はなんだと思いますか?
リオから東京大会にかけて、まずパラスポーツ競技にかけるお金が増えたというのは強化に繋がる一番の要因だとは思いますけれども、やっぱりムードだと思うんですよね。自国開催で、「自分がヒーローになるんだ」というのが、各選手が抱えていた想いだと思うので。
パラアスリートというのは、それぞれ背負っている想いがあるはずなんですね。自分が障がいを負って、そこからどう立ち上がって、これからの人生をどう歩んでいくんだという時に、少なからず何か社会に訴えかけたい想いというものがあると思うんです。その想いを伝えていくためにも、やはり実績であったり知名度が欲しいですし、それにはやっぱり形…目で見てわかる「金メダル」というものが欲しい。しかも今回は自国開催ということで、(金メダルは)みんなが掲げた目標だと思うので、そこで頑張れる意欲やモチベーションに繋がった結果がメダルラッシュになったんじゃないかなと思います。
──もちろん、パラリンピックを目指してその舞台で活躍したいということもあるでしょうけど、そこに更に自国開催というのは大きなモチベーションになったのかもしれませんよね。
実際に初日から競泳陣がメダルを獲得して、芦田選手も「いい流れができている」とおっしゃっていましたけれども、やはり個人競技といえども、流れだったり勢いが大事だったりするんですね。
大事ですね。「自分もやれる」という強い気持ちになれるので。
──競技が違っても、やっぱりそういう勇気とかもらえたりするものですか?
ありますね。やはり「チームジャパンで戦っている」という気持ちになるので、誰かが活躍したら“自分も自分も”と続いていくのかなと思います。
──芦田選手もリオ・パラリンピックの時に、他の選手に勇気をもらった、元気をもらったということはありましたか?
ありましたね。それこそ、ブラジルという日本とは地球の真反対にある国に来て、その中で日本のアスリートが頑張っている姿にはやはり感化されましたし、“自分のこの頑張りを地球の反対側の日本に届けたい!”と思って競技ができていたので。
──やっぱり日本として、“ワンチーム”として、一丸となって戦っているのかもしれませんね。他に芦田選手が気になった競技、気になった選手はいらっしゃいますか?
山本篤選手の走り幅跳びには痺れましたね。
──自らの記録を更新されてましたからね。
5本目の跳躍で一度は3位のメダルラインまで上がって…いや、痺れましたね!
──本当に走り幅跳びはレベルが上がっているというか、すごい記録になってますもんね。
めちゃくちゃ高くなっています。
──他にも、自転車の杉浦佳子選手が日本選手で史上最年長の50歳で金メダル。そして男子100メートルバタフライの木村敬一選手が金メダル、富田宇宙選手が銀メダルを獲得。芦田選手もご覧になられていましたか?
はい。いや〜、感動しましたね! 悲願の金メダルだったと思うので。(木村選手は)ずっと「勝ちたい」とおっしゃっていましたし。痺れました。
──そして、ボッチャの個人で、杉村英孝選手が見事に金メダルを獲得。試合運びが冷静でしたよね。
さあ、明日で東京パラリンピックは閉幕しますけれども、3年後にはすぐパリ・パラリンピックがやってきます。芦田選手は大阪へと環境を移して、もう既にスタートしてるということですよね。
そうですね。していますね。来年は世界選手権が神戸でありますので、まずそこに向けて、(これからの時間は)今大会の借りを返す3年間にしたいなと思っています。
──新しいコーチの元、ぜひ結果を出してそしてメダルを持ってまたこの番組に報告しに来ていただきたいなと思います。
そして番組では、ゲストの方にcheer up songを伺っています。今週も、芦田選手の心の支えになっている曲を教えてください。
RHYTHMさんの「ホウキ雲」です。
──これは、前回出演していただいた時にも…。
はい。紹介させていただきました。
自分の闘病生活で一番大変だった時によく聴いていた歌なので、当時10歳とか11歳でしたけど、鮮明に当時の記憶がよみがえりますし、そこでの出来ごとがきっかけで今の自分があると思うので。
──これは、何の主題歌でしたっけ?
「焼きたて!!ジャぱん」というアニメです(笑)。
──ボッチャは「火ノ玉ジャパン」とかありますから、芦田選手が活躍して、陸上は「焼き立てジャぱん」って呼ばれるように目指しましょう(笑)。
…はい(笑)。でも、普段できるだけグルテンフリーの生活をしてるんで(笑)。
今週のゲスト、芦田創選手のサイン入り色紙を1名様にプレゼントします!
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