今週の「Athlete News」は、23日に開幕した「東京オリンピックスペシャル」をお届け中!
今週は、プロビーチバレーボール選手の浦田聖子さんをゲストにお迎えしました。
浦田聖子(うらた・さとこ)さんは、1980年、佐賀県生まれ。
高校時代は、全国大会で活躍され、インドアバレーボル時代は、NECレッドロケッツで2度の優勝を経験。
2002年にビーチバレーに転向され、ビーチバレージャパンや全日本女子選手権で優勝されました。
現在は、プロビーチバレーボール選手、ママ・アスリートとしても活躍されています。
浦田さんには、7月31日11時から行われるビーチバレー、石島雄介、白鳥勝浩組の予選リーグ3戦目について伺っていきました。
──東京オリンピックは、観てらっしゃいますか?
はい。もう毎日忙しく観させていただいております(笑)。
──これまで、特に印象に残った競技は何でした?
1つというのは決めがたいんですが、昨日(30日)の大会で金メダルを取ったフェンシングですね。
──男子エペ団体。素晴らしかったですよね。
そうですね。私も現役の時に太田(雄貴)さんとは交流がありましたが、彼が(日本フェンシング協会の)会長になって(※現在は退任)選手の育成、大会の運営などに携わっているので、どのように戦略を立ててやっているのかというのがすごく気になっています。現に金メダリストが出ていますから、日本のビーチバレーにもそれを生かせるヒントがあるんじゃないかという興味がありますね。
──太田さんの場合はフルーレでしたけれども、今回はエペ。エペというのは、“王様”ではないですけど、そこで勝ち切るというのは、ちょっと歴史を作った感じがしますね。
そしてビーチバレーなんですけれども、オリンピックではかなり人気のある競技なんですか?
そうなんです。リオでは観客動員数のトップを記録して、また、ロンドンオリンピックではチケットが即完売したほど人気なんです。ロンドンオリンピックではバッキンガム宮殿の隣にビーチコートが作られたりと、ビーチコートも注目されていて、東京では潮風公園に鮮やかなブルーのビーチコートが建てられました。お客さんが行けなかったのが非常に残念なんですが…。
でもビーチバレーって、必ずしも海岸にコートがあるわけではないんですよ。近年では北欧のノルウェーだったり、ヨーロッパの山々に囲まれたスイスのコートがあったり、寒い国では室内コートだったりと、世界各国でビーチコートが増えてきています。
──でも、水着でプレーをするので、気候的には暖かくないとちょっと寒いですね。
寒い時は、規定で「いいよ」と言われればスパッツ系のウエアを着れて、その上にトップスを着て参戦したりもしています。
──さあ、東京オリンピックの日本代表の戦いぶりなんですけれども、女子は石井美樹・村上めぐみペアが、1勝2敗で予選リーグ3位。この1勝もチェコ代表が棄権したことによる1勝。
そうですね。石井・村上ペアは結成7年目で、石井選手は170センチ、村上選手は165センチと、世界最小ペアなんです。女子でもアメリカやカナダには190センチあるペアもいますし、180センチ以上あるプレイヤーが平均的にいますので、本当に「最小ペア」として、初めてのオリンピックで戦っているんです。
1戦目は相手の棄権もあって試合はなかったんですけれども、2試合目のドイツ戦では、相手は1戦目で試合もしていますし、前回大会で金メダルをとっている選手が1人いますので、なかなか思うようにゲームコントロールできないかなと予想はしていたんですが、(予想より)僅差で負けて。3試合目のスイス戦ではギアがアップして、石井・村上ペアの持ち味であるサーブが光って、また、ディフェンス力ですね。世界で「忍者プレー」と言われるようなレシーブ力を見せつけて、1セット目は大差で勝ったんですけど、2、3セットと僅差で落としてしまって。でも決して悪い試合内容ではなかったので、ぜひ敗者復活戦に繋げていってほしいと思います。
──なかなかフィジカルで負けていると厳しいところがあるんですけれども、それをカバーする。
そうですね。小さくても世界に勝てるというのを示してくれてます。
──そして男子は、石島雄介・白鳥勝浩ペア。ポーランドとイタリアに敗れて、現在2連敗ですが、ここまでの戦いぶりはどうですか?
このペアは2019年に結成してますので、「来年(2020年)の東京オリンピックに向けて、さあ行くぞ」というところで世界のワールドツアーが中止になったりと、世界を相手にした試合の経験がなかなかできずに開催国枠で挑んだオリンピックなんですね。1戦目のポーランド戦にはその世界と戦っていない脆さが出てしまったのかなと思ったんですが、2戦目のイタリア戦では、前回大会で敗者復活戦からの銀メダルという経験のあるチームを相手に、石島選手のブロック、白鳥選手のディフェンス、サーブと、そういった個々の持ち味がレベルアップされて非常に良い試合ができていました。今日11時から始まる次のドイツ戦は、もうなんとしてでも勝たないといけない1戦になっています。
──その、ドイツのレベルはどれくらいなのですか?
ドイツは若い選手なんですけど、2019年に世界大会で優勝するなど強いチームなんです。でも、若さ故か、このプール戦でも、勢いもあるんですけど波があるので、そこを3回オリンピックに出場している経験豊富な白鳥選手がゲームコントロールし、力強いスパイクが持ち味の石島選手のブロックが炸裂してくると、勝機はあると思います。
(注:残念ながら、日本ペアは惜しくも敗退となりました)
──でも、ビーチバレーってめちゃくちゃ大変なスポーツじゃないですか。
もう本当に。多い日では1日4試合とかしたりするので。
──しかも、8m×8mのコートを2人で守らなくてはいけないわけですよね。
そうなんです。また、コート外にはスタッフ、監督、コーチ、トレーナーがいるんですけれども、試合にはそういった人たちが一切入れませんので、2人でゲームコントロールをして戦わなきゃいけないという。それもビーチバレーの魅力の1つではあるんですけれども、すごくタフな競技ですね。
──だって、レシーブをしたらその人がスパイクを打たなきゃいけないんですよね。
そうなんですよ。レシーブしたらその人が必ず攻撃をしないといけないので、“こいつが弱いな”って思われたら、徹底的にサーブでその人が狙われますので、うまく切り返せてる時はいいんですけど、調子が悪い時はもう…。サングラスをしていますけども、目は泳いでますよね(笑)。“狙わないでくれ!”って(笑)。でも今回は、サングラスを外してやる試合が多いので。なかなか普段の試合では海外の選手も日本の選手も顔を見れないんですよ。
──顔を見るチャンスでもある(笑)。しかも、ビーチバレーは下が砂じゃないですか。やっぱり動きづらいというか、足を取られる?
自分がビーチバレーに転向した時は、本当に“失敗したかな?”って思うくらい、“同じバレーボールでも砂の上だとこんなに飛んだりすることができないのか”っていう戸惑いがやはりありましたね。
バレーボールはみなさん定番で観られてると思うんですけど、砂の上で普通にバレーボールするということは本当に難しいので、ぜひ体験をしてもらいたいですね。
──あと、風の向きとかも影響したりします?
そうですね。ビーチバレーの醍醐味である「風を読む」。風下が有利とされているんですが、風下でいかに点数を多く取って、風上で点数を抑えるかという戦略もありますね。
──風下が有利なんですか!
はい。思いっきりスパイクを打ったりサーブしたりしても(コート内に)ボールが入ってくるんですよね。風上だと(風の影響でボールが流れて)アウトになりやすいんですけれども。
──3セットマッチということは、1セットごとに陣地が変わるわけですか?
あとは、点数が7の倍数でコートが変わりますので、自分たちが風上だったのが、風が急に変わって、(コートを変わっても)また風上だったりとか。風上で頑張ったのに(笑)。
──風が回ってる時はね(笑)。
そうなんです。だから、自然をも相手にするので、非常にタフな、難しいところもあります。
──本当に大変なスポーツです。でも今日お話を伺って、ますますビーチバレー、楽しく観れそうな気がします。
ぜひ注目して観てください!
──さあ、この番組では毎回ゲストの方にcheer up songをお伺いしています。浦田さんの心の支えとなっている曲を教えてください。
私はSuperflyさんの「Beautiful」です。私は2015年まで現役で活動していたんですが、当時の直近のいろんな曲を聴いてたんですが、その1つがこれです。試合前だったりトレーニングの時に大きな音で聴いて(気持ちを)盛り上げてましたね。
──ビーチバレーって、2人1組でずっと戦っていくわけじゃないですか。そういう聴く曲とかをお互いに共有したりするものなんですか?
いや~、それぞれですね(笑)。でも、入場曲を決めたりする時もありますので、それは話し合ったりとかしたりはします。
今週のゲスト、浦田聖子さんのサイン色紙を1名様にプレゼントします!
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