今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、東京オリンピックの競泳日本代表・川本武史選手をゲストにお迎えしました。
川本武史(かわもと・たけし)選手は、1995年生まれ、愛知県出身の26歳。
5歳から水泳を始め、中学3年で全国大会優勝。
強豪・愛知の豊川高校時代は、2、3年の時に100m背泳ぎでインターハイ連覇。
中京大学進学後、本格的にバタフライに取り組み、3年の時、世界水泳日本代表となりました。
大学卒業後は、トヨタ自動車に入社。
ことし2月には100mバタフライで5年ぶりに自己ベストをマーク。
4月の日本選手権、決勝では51秒25のタイムで2位、派遣標準記録を突破し、東京オリンピックの代表に内定しました。
今回はリモートでお話を伺っていきました。
──東京オリンピックが延期になりまして、コロナ禍で泳げない時期もあったと思いますが、川本選手の支えになっていたものは何だったんでしょうか。
昨年の4月に娘が生まれまして。正直、今はコロナ禍でみなさん苦しい時期を過ごしていると思うんですけど、自分自身は娘と一緒に過ごせる時間が増えて、それが心の支えになって、すごく楽しい時間が過ごせたなと思っています。
──おめでとうございます! やはり、日々、娘さんの成長は感じられますか?
本当に日々成長を感じています。まだ歩けるようにはなっていないんですけど、手の届く範囲が広くなってきているので、片付けをしないと大変だなと思っています(笑)。自分の家は物がすごく多いので、それを誤って食べたりしてしまうと大変なことになるので、毎日娘からは目を離さないように意識しています。
──やはり、ご家族の存在が励みになりますよね。
そうですね。練習で疲れて家に帰ると娘が笑って出迎えてくれるので、練習して頑張ってきて良かったなと思います。
──ご家族と言えば、川本選手が水泳を始めるきっかけとなった5歳上のお兄さまは、今理学療法士として川本選手のコンディションを見てくれているそうですね。
そうですね。週に1回、自分の兄にトレーナーとしてサポートしてもらっていて、ウエイトトレーニングとはまた別なんですけど、体の協調性だったり柔軟性だったり可動域だったり、あとは怪我の予防とか、そういうのも見てもらっています。
──ご兄弟だからこそ言えることがあったり、逆に距離が近すぎてぶつかってしまったり…というのはあったりしますか?
かなりありましたね。“兄弟だからこそ言える”ことは、多分他のトレーナーと選手の関係より多いとは思うんですけど、それよりもぶつかったことの方が多かったなと思います。僕も兄も家族のことをすごく大切にするタイプなんですけど、多分、だからこそ心配症になったり、お互いがお互いをなかなか信頼しきれないという関係性だったと思うんです。でも今はお互い信頼し合っていて、「絶対大丈夫だから」とお互いを送り出したり、任せ合えたりできる関係になっています。
──萩野公介選手や瀬戸大也選手たちと同じ「黄金世代」ですけれども、これまで仲間のご活躍というのはどのように見てらっしゃったんですか?
1番刺激を受けたのが、自分が高校3年生の2012年の時だったんですけど、萩野選手が(ロンドン)オリンピックで高校生ながらに銅メダルを獲って。瀬戸選手もオリンピックに出てはいないんですけど、その後の国民体育大会や他の全国大会ですごく高い記録で泳いだり、もう1人、自分の同期で平泳ぎの速い選手がいたんですけど、その選手が世界記録で泳いだりとか。自分の中では頑張っているつもりでも、なかなか周りの選手に追いつけないという歯痒さがすごくありました。
──萩野選手や瀬戸選手たちとは、普段から連絡は取り合ったりしてるんですか?
普段からは取らないですけど、同じ(大会で)代表になったりとか、合宿で一緒になったり、たまにご飯を一緒に食べに行ったりとかはします。
──今回川本選手が東京オリンピック代表に内定した際には、何か連絡があったりしましたか?
ないです(笑)。でも、(後で)ニュースで見たのは、僕が準決勝で日本記録で泳いだ時に、多分2人はインタビューを受けていたと思うんですけど、(インタビューを)止めて、祝福の声を僕に向けて言ってくれたのかな。自分のインタビューを止めてまで言ってくれたのは、すごくありがたかったです。
──それはグッときますね。
そうですね。でも決勝ではタイムを落としてしまったので、自分の中では悔しい気持ちでいっぱいです。
──過去に男子100mバタフライでのオリンピックメダリストが生まれていないということで、やはり川本選手にかかる期待というのも大きいと思いますけれども、そのあたりいかがでしょうか。
正直、期待されてる感じは自分の中ではないので、いつも通りやれば結果はついてくると思っています。順位というよりメダル圏内のタイムを出すことによって結果がついてくると思うので、そこ(タイム)を目指して頑張っていきたいと思っています。
──川本選手は水沼尚輝選手とともに100mバタフライの代表内定されましたけれども、水沼選手の存在についてはどうですか?
後輩ではありますが、尊敬できるところがたくさんありますし、人間的にもすごく尊敬しているので、お互い良いライバルとしてオリンピックに向けて切磋琢磨できたらなと思います。
──メダル争いというのは50秒台中盤とかでしょうか。このタイムというのはどうですか?
そうですね。目標タイムは50秒39というタイムを設定しています。
今の取り組みからいけば3割か2割ぐらいしか達成できないんですけど、オリンピックに向けて集中してトレーニングできれば達成度が上がっていくのかなと思っています。
──具体的には、本番までにさらにどういったところ強くしていくんでしょうか?
スタートと、スタートからの浮き上がりがまだ荒削りな部分があるので、そこの熟練度を高めていけば、その記録は夢ではなく現実に変わるのかなと思います。
──娘さんの存在や、同年代の選手たちの応援の言葉が、やはり励みになりますよね。
そうですね。同世代で、今回のオリンピックの選考会で引退する選手も多く出て、そういう選手から「オリンピック頑張ってね」と声をかけてもらったり、自分の娘は言葉はまだわからないんですけど、すごく応援してくれいてるというのは実感できるので、そういう人たちのためにも必ず結果で恩返ししたいなと思っています。
──私たちも応援しています。さあ、番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。今週も川本選手の心の支えになってる曲を教えてください。
Avicii(アヴィーチー)の「SOS」です。
──こちらは、Aviciiが亡くなった後に遺作として出されたシングルですよね。
そうですね。もともとAviciiは自分の中でも好きだったんですけど、亡くなってからより好きになったアーティストです。
音楽業界の時代を変えた1人で、彼は本当に才能がすごいんですけど、その才能に惹かれていった部分はあります。魅せ方だったりパフォーマンスの仕方がすごく好きです。
今週のゲスト、川本武史選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします!
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