今週の「Athlete News」は、東京オリンピックの女子ケイリン代表、小林優香選手をゲストにお迎えしました。
小林優香(こばやし・ゆうか) 選手は、1994年生まれ。福岡県出身。
幼い頃からバレーボールに打ち込まれ、高校時代はインターハイ出場。
しかし、短大時代に見たロンドンオリンピックの自転車競技に魅了され、競輪学校への入学を決意。
着々と成績を残し、2018年のワールドカップ・ベルリン大会の女子ケイリンで日本人初となる銅メダルを獲得されました。
さらに、2019年のアジア選手権で優勝。
東京オリンピックでは、自転車競技で、日本女子初のメダルを狙います。
今回は小林選手にリモートでお話を伺っていきました。
──元々はバレーボールをやってらっしゃったんですか?
そうです。小学校2年生から大学1年生までずっとバレーボールをしていました。
──インターハイにも出場されたことがある?
高校2年生の時に出場しました。
──それが、バレーボールから自転車競技に転向されるきっかけは何だったんですか?
バレーボール選手としては、身長が165センチでストップしてしまって、このままでは上に行けないなと悩んでいた時に、たまたまロンドンオリンピックの男子のチーム・スプリントという種目を見て、これならオリンピックに行けると思って(笑)。本当に安易な考えだと思うんですけど、“これなら行ける”と思いました。
──“自転車をこぐのは速い”という自覚はあったんですか?
そうですね。小さい時からママチャリにはずっと乗っていて、ママチャリにスピードメーターを付けながら走ったりしていたこともあったので、自信はありました(笑)。
──その当時から、かなりのスピードを出されてたということですか?
そうですね。セーラー服で立ちこぎで乗ってたりしました(笑)。
──ただ、競輪学校は厳しそうなイメージがありますよね。どうでしたか?
私は「適性」という枠(自転車競技以外のスポーツ経験者が受ける試験)で、自転車未経験という種目で入ったので、基礎から固めないといけないところから入ったんですけど、適応能力があったのか、男性選手と一緒に約1年間練習をさせていただきましたし、そんなに辛くはなかったです。
──自転車をやっていた方が(競輪学校に)入ってきたりする場合もあるということですか?
そうですね。元々高校生から自転車に乗っていた方だったり、ずっと自転車競技の選手としてやっていた方も入る場合があるので、その人たちとはまた違うバックで入ったという形ですね。
──でも、「ゴールデンキャップ」(競輪選手養成所での記録会の成績最優秀者に与えられる金色のヘルメットキャップ)というのがあるんですよね。それを入学してすぐ取られたとか。これは女性では初めてだったんですか?
そうですね。本当に、指導してくださった方のおかげかなと思います。女性では初めてでした。
──しかもその後、3回連続でゴールデンキャップを取られた。
はい(笑)。
──すごい! これは「指導」というよりは小林選手の素質がすごかったってことじゃないですか?
でも、先生方もすごく一生懸命教えてくれたりとかしましたし、校長先生が付きっ切りで練習をみてくださったりしていたので、それもあったかと思います。
──競輪学校で言うと、あの「上り坂」。ほぼ“そびえ立つ壁”みたいな坂があるじゃないですか。あそこを登るのも、そんなにきつくなかったんですか?
それも男子選手と一緒に、30本連続で登らないといけなかったりしたんですけど、そんなに苦ではなくて。あれはビル7階分あるので、かなりの傾斜だと思います。
──映像で見ていてもすごいですけど、実際に行ってみたら本当に「壁」じゃないですか?
壁だし、真下に立つと本当に垂直です(笑)。
──その30本連続が苦じゃなかった。本当に素晴らしいですよね。そこで優秀だったから、「オリンピック種目もやってみないか」と声をかけられたんですか?
そうですね。在学中にナショナルチームの方に呼んでいただいて、育成選手として入ることができました。
──そして初めてとなるオリンピックが自国開催ということで。代表に決まった時は嬉しかったですか?
そうですね。「東京オリンピックで金メダルを獲る」ということを競輪学校在学中に公言していたので、“それ(東京オリンピック出場)が本当に叶って良かったな”という気持ちと、“やっとスタートラインに立てたな”という気持ちが同時に湧いてきました。
──1年延期となった東京オリンピックまであと2ヶ月ちょっとですが、今どんなお気持ちでどんな練習をされてますか?
“もうあと2ヶ月しかない”という気持ちと、この東京オリンピックで、自分自身としては競技人生は最後にしようと決めているので、全力をぶつけようと思っています。
──え!? 東京オリンピックが終わったら、いわゆる「ガールズケイリン」に専念されるということですか?
そうです。
──じゃあ、もう本当に最初で最後のオリンピックになってしまうわけですね。そうなると、そこにかける想いというのは並々ならぬものがありますよね。
これを最後と決めたからには…という想いがあるので、毎日の練習も、本当に苦しいものもありますけど、全力をぶつけられます。
──今、東京オリンピックがどうなるのかまだ不透明な部分はありますけれども、ぜひ開催してもらって、そして念願の金メダル獲得してほしいですね。本当に心から応援したいなと思います。
ありがとうございます。
──ガールズケイリンとオリンピック種目の競技というのは、全く違うんですか?
そうですね。必要とされる機材も違いますし、大体ガールズケイリンは1周400mなんですが、競技は1周250mの木製(コース)で傾斜は45度なので、余計にGがかかったりスピードが出やすい形です。
──いわゆる「バンク」。斜めになっているコースということですよね。あのコースも、ガールズケイリンと競技のケイリンでは違うということですか?
そうです。競技の場合は最大傾斜角が45度なんですが、ガールズケイリンは最大傾斜が30〜35度くらいしかないので、全く違うものです。
──では、今はオリンピック種目の競輪に合わせたトレーニングを積んでいらっしゃるということですね。なぜ、東京オリンピックが終わった後はガールズケイリンに専念しようと思われてるんですか?
コロナで1年延期になる前は、もちろんパリオリンピックまで…それが自分の30歳になる年なので、ちょうどいい区切りの年だと思って、パリまで頑張ろうと決めていたんですが、コロナで1年延期になった時に、やっぱり自分自身のモチベーションというものが落ちてしまったりだとか、いろんなことが重なって、正直代表も辞退しようと考えていた時期もあったんです。でもその時にもう1度“金メダルを獲るんだ”という風に考えられるようになって、そして“これを最後にしよう”と区切りをつけることができたのが、復活するきっかけとなった形です。なのでやっぱり、このラストチャンスしかないので、全てをぶつけようと思っています。
──そんな小林選手の想いを感じながら、東京オリンピックで声援を送りたいなと思いますね。さあ、この番組では毎回ゲストの方にcheer up songを伺っています。小林選手の心の支えになってる曲を教えてください。
私の支えになっている曲は、TWICEさんの「Feel Special」です。
──K-POPがお好きなんですか?
はい。特にTWICEさんを、よくレース中でも爆音で聴いてます(笑)。
──「Nizi Project」に出ていたJ.Y.Parkさんが作詞・作曲で参加されているということですが、J.Y.Parkさんのバラード版の「Feel Special」もカッコ良かったですけどね。
カッコ良かったですね。弾き語りですごくカッコ良かったです。
──「Nizi Project」は観ていらっしゃいましたか?
はい! もう、今も観てます(笑)。私はミイヒちゃんがとても可愛らしくて大好きです。
──TWICEの振りとかを練習されたりするんですか?
そうですね…こっそりやったりはしてるんですけど、やっぱりどうしても脚が重いので、なかなかあんなに軽やかには動けないです(笑)。
──ぜひ機会があったらどこかで公開していただけたら…(笑)。
そうですね。金メダルを獲った時には(笑)。
──金メダルを獲った際には、この番組にもう一度来ていただいて、ダンスを披露していただけたらと思います(笑)。
練習しておきます(笑)。
今週のゲスト、小林優香選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします!
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