今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、パラトライアスロンで今年の夏メダル獲得を目指す、宇田秀生選手をゲストにお迎えしました。
宇田秀生(うだ・ひでき)選手は、1987年、滋賀県生まれ。
NTT東日本・NTT西日本所属。
小学校から大学までサッカー一筋で、高校時代には、滋賀県代表として選抜されました。
大学卒業後は、建設会社に就職。
しかし、2013年、勤務中の事故で右腕を失いました。
その半年後、リハビリの一環としてパラトライアスロンを始め、2戦目の「アジアパラ トライアスロン選手権」でみごと優勝。
国際大会でも上位入賞を果たし、2017年7月には世界ランキング1位に上り詰めました。
今年の東京パラリンピックでメダルを目指します。
──宇田選手の「PTS4」(※パラトライアスロンにおいて、障がいの内容や程度によって分けられた6つのクラスのうちの1つ)というカテゴリーは、リオパラリンピックの時には無かったカテゴリーなんですか?
残念ながら、そうなんです。出場する権利というかチャンスもなかったというのが、リオの大会でしたね。
──それが、東京パラリンピックから採用された?
はい。待ってました!
リオパラリンピックでは出場する枠がないので、そもそも無理でしたね。そこが、健常者のスポーツとパラスポーツの違いかなと思いますね。クラス分けされるので。全部のクラスで実施される(大会)というのが、あまりないかもしれないですね。
──1年延期になったことによって、今年の東京パラリンピックに向けて強化されている部分というのは?
スイムですね。僕の苦手な(笑)。けっこう良くなってきているので、逆に時間ができて良かったなと思う時もありますね。
──どういう理由でスイムを強化することになったんですか?
けっこう周りのライバル選手は、「小さい時からスイムをやってたよ」という選手が多いんですけど、僕は全然やってこなくて。
──もともと泳ぎはどうだったんですか?
僕は田舎出身なので、川とか湖とかで遊ぶというのはめっちゃしてましたけど、“速く泳ぐ”ということはやってなかったので、そこが大きいですね。
──でも、逆に“伸びしろでもある”わけじゃないですか?
そうですね。自分で言うのも何なんですけど、伸びしろしかないかもしれない(笑)。だから逆に楽しいですけどね。自分の成長がわかりやすいので。
──奥様やお子さんたちは、今の宇田選手を見てどんなことを仰ってますか?
遠征や合宿で家にいる時間はすごく少ないんですけど、でもすごく応援してもらってます。
──お子さんなんて、数ヶ月でどんどん変わって成長していくじゃないですか。かけがえのない時間ですよね。
“今しかない”っていう時間を見逃しまくってますからね。
──でも、レースの時にお子さんと一緒にゴールしたりとか。それはやっぱり他のパパには見せることができない、カッコいい姿ですよね。
カッコいいパパではありたいなと、常に思ってはいますね。
──不慮の事故からパラトライアスロンに挑戦されて、目標となったパラリンピック。今はどんなお気持ちですか?
待ち遠しいですね。早くパラリンピックに出て、目立ちたいなっていう(笑)。うずうずしてます(笑)。
──そのメンタル、いいですね(笑)。あんまり日本人にないんじゃないですか。
いいのか悪いのか悪いのかわからないですけど、目立ちたがりですね(笑)。
小さい時から、サッカーをやってる時からそうでしたね。
──本番の方が実力を発揮するタイプですか?
はい。完全にそのタイプだと思います。
──頼もしいなぁ! 緊張されたりしないんですか?
レースではほとんど(緊張)しないですね。だからよく間違えられるというか、誤解されますね。“集中してるのか?”って。ギリギリまでヘラヘラモードなので、直前までスイッチが切り替わらないというか。
──その、“スイッチが切り替わる瞬間”というのは、自分で何かするものなんですか?
スタート前に名前を呼ばれるんですけど、そこでいつも、意図的に“スイッチを替えよう”とはしていますね。“レースモード”というか。
──さあ、今年の東京パラリンピック、ずばり目標は?
目立つためには、表彰台に上がらないとあまり人にも見てもらえないので、「表彰台に上がる」ということを目標に頑張ってます。
──しかも、1番目立つのはやっぱり…真ん中の、1番高い所に(笑)。
ね! そこにはすごくいい景色が待ってるんじゃないかなと思います。
──自国開催ということで、家族だったり今まで色々支えてくださった人、いろんな人に見てもらえるチャンスでもありますものね。
僕にとっては抜群の舞台ですよね。
──僕らも大注目してますから! 注目が集まれば集まるほど力を発揮できると仰っていたので(笑)。
良くないな〜、これ(笑)。頑張ります!
──この番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。今週も宇田選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。
平井大さんの「はじまりの歌」です。
これは曲名の通り“はじまりの歌”なんですけど、“今から何かを始めるぞ、やってやるぞ!”みたいな時に熱くなれる曲ですね。
──じゃあ、“ここぞ!”という時には聴きたい「勝負歌」みたいな感じですか?
はい。“ここから始まっていくぞ!”みたいな。
──レース直前までヘラヘラされてるって仰ってましたけど、レースに向けてのルーティンだったり、願掛けみたいなものはあるんですか?
細かいのはないですけど、海外に行く時には必ずお味噌を持って行って、現地でお味噌汁を飲むっていうのをやってます。
──やっぱり、和食が染みますか?
はい。“日本人として頑張ろう!”という感じですね。単純に(味噌汁が)好きっていうのもありますけど。
──やっぱり海外で戦われて、更には日の丸を着けて戦うと、より日本への想いというか、日の丸への重みというものが変わってくるんでしょうね。
そうですね。そういう部分も考えるようになったかもしれないですね。
──ぜひ東京パラリンピックで日の丸を掲げてほしいなと思います。
頑張ります!
今週のゲスト、宇田秀生選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします!
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