今週の「Athlete News」は、世界中で活躍するパルクールアスリート、朝倉聖(あさくら・せい)選手をゲストにお迎えしました。
朝倉聖選手は、1999年生まれの21歳。
13歳でパルクールと出会い、独学で練習に励み、高校卒業後、日本トップのパルクールチームmonsterpk(モンスターピーケー) crewに加入しプロアスリートとして活動。
2019年日本選手権初代王者、10月には、ドイツであったパルクール世界大会で優勝を収め世界レベルの実力を示しました。
また、ソニーのスマートフォン・XperiaのAmbassador(アンバサダー)を務められ、様々な活動を発信されています。
──朝倉選手は13歳でパルクールに出会ったということなんですが、きっかけは何だったんですか?
テレビのCMがきっかけなんです。もともとパルクールはYouTubeで観ていたんですけど、“自分じゃできないな…”みたいな(笑)。
もともとは絵を描くのが好きで美術部だったんですけど、たまたま家で絵を描いていた時に、テレビでパルクールを使ったパソコンのCMが流れてきて。だいたいYouTubeで観るのは海外の人ばかりでちょっと自分とは離れた感じだったんですけど、その(CMに出ていた)人は日本人という身近な存在で、海外の“派手な動き”というよりは“綺麗な動き”と言いますか。もともと美術をやっていたというのもあって、ちょっとその芸術的な部分に…。
──なるほど。“見た目の美しさ”みたいなものに惹かれた。
はい。それで、“身体でもこういう風に表現出来るんだな”と思って、気付いたら(パルクールを)やり始めてました。
──でも、日本人の人がやっているのを見ても、とてもじゃないけど出来ないって思いますよね。我々一般人でも、パルクールって出来るんですか?
もちろん出来ます。見た目のハードルが高いのでなかなか入り辛いんですけど。やっぱり、派手な動きだったり“ウケがいいもの”がSNS上にも出てきちゃって、そちらばかり見られてしまうので。
でも、もともとは公園で遊んでる時のような動作が徐々にレベルアップしていって、石の段差とかから始めたり、物を跳び越えたり、“自分の体を鍛える”みたいなところからやっていくものなんです。
──高い所だったり、難易度の高そうなものに挑戦する時の恐怖心はないですか?
“自分がこれだけ跳べる”というのを、そういう小さい所から積み重ねていって、自信を付けて、自分の動きを把握した上でやっている結果なので。
──そうは言っても、“これ、落ちたら大変なことになるな”って思うと、ついつい足がすくんだりミスが出たりするものなんですけど、それも練習を積み重ねていって…ということなんでしょうか。
そこで“やっぱり厳しそう”ってなったら、そこで止めるのも正解ですし。無理をすると、それはただの「度胸試し」と言いますか、パルクールではないですよね。
──朝倉選手のパフォーマンスを観ていると、止まらずにずっと続けていくじゃないですか。最初から“こういうアクションを決めよう”と思っているのか、それともその都度思いついたりするんでしょうか?
大体練習時間が設けられているんですけど、その間に、“どうやってここは行こうかな”ということを考えてやっています。もちろん、“ここでこっちへ行くはずじゃなかったのにこっちへ行ってしまった”という時のことも考えて、「Bプラン」みたいなものもたまにすることがあります。
──朝倉選手のこれからのビジョンをお聞かせください。
まだまだ力不足ではあるんですけど、これから、僕の後から始めた世代の子たちや、パルクールのシーンを引っ張っていけるような存在になれたらいいなと思っています。
あとは、アスリートとしてなんですが、実はパルクールは2020年のオリンピックの(正式競技になる)最終選考まで残っていたんですけど、惜しくも決まらなかったという経緯があるんです。パルクールはフランスが発祥なんですけど、2024年がパリ・オリンピックなので、(正式競技になる)期待値もすごく高くて。そこで金メダルを獲れたらと思っています。
──パルクール発祥の地で1番高い所に立ったら…。パルクールはちょっと文化的な部分もありますけど、一気に「スポーツ」として、全国の人たちに知ってもらえる機会になりますよね。
ただ、“スポーツとして”という認識が強くもなりすぎないように、文化としての部分も伝えていけたら、と思っています。
──さあ、この番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。朝倉選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。
サンボマスターさんの「青春狂騒曲」です。サンボマスターさんの曲はよく聴かせていただいてるんですけど、僕は正直に思っていることを言うことが苦手で。でもサンボマスターさんの曲はストレートに想いを表現していて、元気をもらえます。
その中でもこの曲を選んだ理由は、僕が1番好きなアニメなんですけど、僕が生まれた時と同じぐらいの時期に始まった「NARUTO」のオープニング曲に使われていて。
今こうやって、パルクールのアスリートとして海外のいろんな所に行かせていただいたり、パフォーマンスや映像の仕事をさせていただけるなんて夢にも思っていなかった学生の頃を思い出させてくれると言いますか、“今の状況が当たり前じゃないんだな”って改めて再認識出来る、リセットしてくれる感じの曲なんです。やっぱり、(今の状況を)当たり前だと思ってしまう時があって、ちょっとこうやって(天狗に)なっちゃうんですけど(笑)、それを一旦リセットしてくれる大事な曲になっています。
──最後に朝倉選手からリスナーの方にアピールしたいことがありましたら、お願いします。
初めての方がほとんどだと思いますが、改めまして、朝倉聖です。パルクールのアスリートとして、そしてパフォーマーとして活動させていただいています。YouTubeやInstagramで色々情報を発信しているので、もし興味を持ってくださったらとても嬉しいです。良かったらチェックしてみてください。
今週のゲスト、朝倉聖選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします!
ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしていただくか、
Facebookのアカウントをフォローしてコメントをしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
過去1週間分の番組が無料でお楽しみいただけるradikoタイムフリー
番組を聴いて気に入ったら、SNSで友達にシェアしよう!
「
11月14日(土)OA分の放送はこちら」