今週の「Athlete News」は、ブレイクダンスで活躍中の、Shigekix(シゲキックス)選手をゲストにお迎えしました。
Shigekix(シゲキックス)こと半井重幸(なからい・しげゆき)選手は、2002年生まれ、大阪出身。
姉の影響で7歳の時にダンスを始め、数々のブレイクダンスの大会で優勝。
おととしのユースオリンピックのブレイクダンスでは、銅メダルに輝き、2024年のパリ・オリンピックで初めて採用される見通しのブレイクダンスで、活躍が期待されています。
また、ソニーのスマートフォン・XperiaのAmbassadors(アンバサダーズ)を務められ、様々な活動を発信されています。
──“Shigekix”というお名前で“しげき”さんかと思ったら、“重幸(しげゆき)”さんだったんですね(笑)。どうして“Shigeyukix”じゃなかったんですか?
“重幸”なんですよね(笑)。そこは、“Shigekix”の方が聞いた時にパッと入ってくるなというのもあったんですけど、もちろん、今皆さんの頭の中に浮かんでいる「シゲキックス(UHA味覚糖)」というお菓子から取って…。
──お菓子から取ったんですか!?
実はそうなんですよ(笑)。しかも、UHA味覚糖さんの方から、許可もちゃんと取って。徐々にテレビに出始めたぐらいの時に連絡をさせてもらったら、「(Shigekixとして)活動しているのは知っています」と言っていただいて。「頑張ってください」と言っていただけたので。
──ブレイクダンスって、まさに“ダンスバトル”というイメージがあるんですけれども、オリンピックで採用されるんですよね。これはどういう風に採点されるんでしょうか?
僕たちは1人1人にオリジナルのスタイルがあって、回ったりするけど、別に回転数が多ければ勝ち…というわけでもないんです。だから、勝敗を決めるにあたって、いろんな要素を踏まえた上で、例えば「こっちがカッコいい」とか「こっちの方が熱かった」とか「こっちの方がしっかりキメていた」とか、(色々な要素を見るので)“1つの部分で競っているわけではない”というのが、まず勝敗を決めるにあたって難しいところなんですけど。
それを全て、その時の組み合わせによって全く違うんですけど、(要素ごとに)「ここはこれだけ長けてるけど、ここは…」みたいなことを(検討して)、それでどちらが勝っているかを決める。オリンピックに向けてどんどん点数化されている中で、今はそういう形で勝ち負けが決まっているという感じです。
──演技する時の構成というのは、最初から決まっているものなんですか? それともその時のアドリブなんですか?
僕だったら、自分の中に「見せたい持ち技」の引き出しがいくつかあるんです。“これは今回の対決で絶対に見せたい”みたいなものがあって、それを頭に入れつつ、それ以外の部分は、その時にかかった音楽に常にノリながらやるので、音楽を感じて出てきたものを“今や!”というタイミングで持ち技をバーンって出して、音に合わせたりとか。音楽もDJの方がその時にかけるので、僕たちは事前に何がかかるかわからない状態なんですよ。
──テンポ感も、けっこういいテンポばかりかと想像してたら、割と“え、こんなにスローなの!?”みたいな時もあるんですよね(笑)。
そうなんですよ。ガンガン速く回ろうと思ってても、“ゆっくりかぁ〜!”みたいな(笑)。
──ブレイクダンスは、2024年のパリオリンピックで採用される見通しとのこと。これは決まって嬉しかったですか?
僕はすごく嬉しかったですね。(ブレイクダンスは)カルチャーとかから始まって、文化としても世界中ですごく広がっているものなので。もちろん、歴史的な面から言うと「スポーツになるのはちょっと違うんじゃないか」とかそういう意見もたくさんあったんですけど、やはり「ブレイクダンスのことを知ってもらえる」ということで、僕ももちろんそうですし、ほとんどの人が“嬉しいな”という気持ちで最終決定を楽しみに待っている状態ですね。
──まさか自分がオリンピックを目指すなんて、ブレイクダンスを始めた頃は思いもしなかったんじゃないですか?
本当ですよ(笑)。最初の頃は“Shigekix”って名前を付けられて喜んでたぐらいの(笑)、“ちょっと頑張ろうかな”ぐらいだったんですけど。いつの間にか自分もいろんな経験をして、本気になって、今1番「今からいけるぞ!」っていうタイミングでこんな嬉しいニュースが入ってきて、自分のモチベーションとしても高い位置でキープ出来るな、良い目標が出来たなって思いますね。
──さあ、この番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。Shigekix選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。
ジェームス・ブラウンの「Super Bad」です。
──ジェームス・ブラウン。でも、Shigekix選手の年齢から考えたら…僕より前の年代ですもん(笑)。
そうですね(笑)。僕たちブレイクダンスをやっている人は、もちろん他のジャンルもそうなんですけど、歴史的な曲などをすごく大事にしていて。やっぱり“ブレイキン”という文化、ダンスが盛り上がってどんどん大きくなってきた時に大事にされていた曲というのは、今でも僕たちもすごく大事にしているので。
特に、僕が教わっていた方がすごくジェームス・ブラウンが好きで、練習中に何回もこの曲をかけていたので僕も耳に残っていて、頭の中でこの曲がかかると、その時のことも思い出しつつも、“やっぱり良い曲だな”といつも思いますね。
──Shigekix選手から、リスナーの皆さんにメッセージがありましたらお願いします。
今年いろんなことがあって、もちろん僕たちも、大会が無観客だったり中止になったり…という中で、“みんなで集まって盛り上がる”ということもなかなか出来ない時ではあるんですけど、近々、もう少し辛抱すればそういう生活が戻ってくると僕も思って、願って、毎日1人で練習やトレーニングをしまくっているので、皆さんも今は大変かとは思いますが、2024年の(オリンピックの)時には僕が日本を背負って金メダルを獲って皆さんにエールを贈れたらなと思っています。頑張りますので、ぜひ、応援を宜しくお願いします!
──早くみんなで集まって、素晴らしいプレーには、やっぱり大声を出して盛り上がりたいですよね。
やっぱり、観客が本当に恋しいですね。
──1番、観客にアピールをしながらレスポンスを貰える競技でもありますもんね。
僕たちは言葉とかは発さないんですけど、全身を使って言葉のキャッチボールをしているようなものなので。なので、お客さんからエネルギーを貰って、それを表現して、またそれで盛り上がって、自分もテンションが上がって…みたいな。そういう、会場が1つになって盛り上がるところも見所なので、今は無観客という中でも大会という機会をいただけているだけでもすごく嬉しいんですけど、いつかはまた、お客さんが一杯の中で踊れたらなと思います。
今週のゲスト、Shigekix選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします!
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