今週の「Athlete News」は、リオ・オリンピック バドミントン女子ダブルスの金メダリスト、高橋礼華さんをゲストにお迎えしました。
高橋礼華さんは、1990年、奈良県生まれ。
宮城県の聖ウルスラ学院高校時代に1学年下の松友 美佐紀選手と“タカマツペア”を組み、3年生の時インターハイで優勝。
高校卒業後は、日本ユニシスに進み、2014年には、女子ダブルスで日本勢初となる世界ランキング1位に輝かれ、この年のスーパーシリーズファイナルも初制覇。
2016年のリオ・オリンピックでは、金メダルを獲得。
リオから4年の節目となる今年8月、現役を引退されました。
──まずは現役生活、お疲れ様でした。多くの感動をありがとうございました。現役を引退されたのが8月末。生活は変わりましたか?
まだ実感があまり湧いてないんですけど、毎日練習に行かなくなったので、ちょっと気持ちが楽になりました(笑)。
──改めて、引退を決断した理由を聞かせてください。
やっぱり「オリンピックが1年延期になった」ということがすごく大きかったです。その中で、バドミントンのオリンピックレースは1年間戦って出場権が決まるんですが、3月に1番大きい全英オープンという大会があって、その後のオリンピックレースの試合が(コロナの影響で)なくなってしまったんです。
そこで全英オープンから帰ってきて、2ヶ月間家で自粛生活を行っていた時に、“来年私がプレーしているのが想像できないな”って思ったのが1番で、全英オープンの準々決勝で当時世界ランキング1位の中国のペアに勝ったんですが、その試合もすごく良くて、ちょっと納得できた部分があったので、“ここで引退しようかな”と思いました。
──引退について、どなたかに相談されたんですか?
とりあえずは自分の中で“もういいかな”と思って、最終的に両親に電話をして意見を聞いたら、「あと1年頑張れとは言えないから、自分で決めなさい」と言ってくれたので、それで“じゃあ引退しよう”と決断しました。
──パートナーの選手には、いつ、どのように伝えたんですか?
3月の試合が終わってから6月まで会っていなかったんですが、それ(引退)をLINEとか電話で伝えるのもちょっと違うなと思ったので、6月の練習が始まってから、松友(美佐紀選手)に1番に伝えました。
──驚かれていました?
全英オープンが終わった後に、イギリスのホテルで「1年(オリンピックが)延期になったら、続けるのは厳しいかも」とは伝えていたので、(松友選手が)「1回考えます」と。その数日後に「私はまだバドミントンが好きなので続けます」って言ってくれて。私の気持ちはしっかり受け取ってもらえました。
──金メダルを獲得されたリオ大会。その後モチベーションを保つということは難しかったんですか?
そうですね。リオのオリンピックの金メダルを目指してやってきてはいたんですけど、本当に金メダルが獲れるとは思っていなかったので。オリンピックをやる前と後では考えていたことがガラッと変わってしまったので、本当だったら、多分すぐに“東京オリンピックまで頑張ろう”って思えたものが、そう思えなくなってしまって。やっぱり1回自分の目標を達成してしまったので、次に繋がる目標を見つけるのが、なかなか難しかったなと思います。
──長年パートナーとしてやってきて、気持ち的にはどうなんでしょう? 僕たちは「タカマツペア」として見ているけれど、実際のお2人の関係性というのは?
よく「不仲」とか言われるんですけど(笑)、全然そんなことはないです。日本では(プライベートで)一緒に行動することはないんですけど、海外遠征が1年の半分くらいあるので、その間はずっと部屋も一緒で、体育館に行くのも一緒で、コートに入るのも一緒。だからさすがに日本ではずっと一緒にはいないんですけど、海外では一緒にご飯も行っているし、ちょっと時間が空いたら一緒に買い物に行ったりもするので、“妹”みたいな存在ではありますね。
──僕らから見ると「ペア」だけど、“先輩”と“後輩”という関係性なんですもんね。
そうなんです。呼び方も「先輩」と呼ばれるし、私も「松友」って呼ぶので、そこは変わらないですね(笑)。
──その松友選手、どんな存在ですか?
松友と組まなければ、ダブルスの楽しさだったり、パートナーとして改めて2人で作り上げていく大切さというものもわからなかったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいですね。
──松友選手は今後ミックス(男女混合)ダブルスでパリ・オリンピックを目指すと仰っています。この話は聞いて驚きました?
いえ。もともと私と組んでいる時も、次に組むパートナーの金子(祐樹)選手とミックスダブルスでちょこちょこ国際大会に出ていたので、きっと私が辞めても(松友選手は)一緒には辞めないんだろうな、とは感じていたので。
ただ、松友から「女子ダブルスは先輩以外とは組んでやる気はないので、今後は(ミックス)ダブルスをやろうかなと思ってます」って言われて、“女子ダブルスは私以外とは組まない”と思ってくれてるんだってことは嬉しかったですし、松友の役割が“前衛”というのは変わらないので、(ミックスダブルスでも)多分上に行くんだろうなとは思いますね。
──今後の活躍を期待したいと思います。さて、この番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。高橋さんの心の支えになっている曲を教えて下さい。
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの「Go my way」です。
私は三代目 J SOUL BROTHERSがすごく好きで、その中で「Go my way」を選んだのは、私が落ち込んでいる時だったり、怪我をして練習から離れている時に聴いた曲で、すごく歌詞が自分の気持ちとリンクするというか、落ち込んでいる時に励ましてもらえるような曲になっているので、その曲を聴いて試合に挑んだりしていました。
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