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Athelete News
20.01.11
腸内環境を整えることで最高のパフォーマンスを
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今週の「Athlete News」は、サッカー元日本代表 鈴木啓太さんをゲストにお迎えしました。

鈴木啓太さんは、1981年7月8日生まれ、静岡県のご出身。
2000年に浦和レッズに入団してから2015年シーズンで引退するまで
浦和レッズにとって欠かせない選手として活躍。
その間、2009年から2011年はキャプテンに就任。
2006年、2007年と2年連続でJリーグベストイレブンに選出。
2006年にオシム監督が日本代表監督に就任すると、
オシムジャパンとしては唯一全試合先発出場を果たしました。
現在は、アスリートの腸内細菌を研究するスタートアップ「AuB株式会社」
代表取締役を務めていらっしゃいます。


──鈴木啓太さんが社長を務める、腸内細菌研究のスタートアップ「AuB」は、29種類の菌を配合した、独自の「アスリート菌ミックス」を開発されたということですが、「アスリート菌ミックス」というのは何なんでしょう?

我々、この4年間アスリートの腸内細菌の研究をしてきたんですね。
人間の体内には重さにすると1キロから1.5キロくらいの腸内細菌が住んでると言われてるんです。

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──顕微鏡で見ないと分からないぐらい小さな細菌だけど、100兆個あわせると1キロから1.5キロにもなると。

そうです。一緒に共生しているんですよ。
そういったアスリートと一般の方の違いというところを我々研究しまして、その中で大きく違ったのが酪酸菌と言われているものと、多様性と言われる菌の種類の数です。そういったものがアスリートと一般人とでは大きく違います。

──細菌の種類自体は何種類くらいあるんですか?

1000種類ぐらいあるという風に言われています。
その中で検出されるのが200から300ぐらい。構成が違っていたり、菌の量、それから菌の数が違っていると言われています。

──「アスリート菌ミックス」というのはアスリートの方に多い菌をが29種類入ったものということですか?

厳密に言うと少し違うんですけれども、多様性ということを考えたときに色々な菌がいることが良いという風に言われてるんですね。
病気疾患の方と一般人と比べたときに病気を持たれてる方は菌の量が少なくなってる、多様性が低くなってるという傾向があって、それ以上にアスリートは一般の方よりも多様性が高かったという研究結果があります。
そういった意味では、健康の指標と言われている多様性が高いアスリートの研究成果を基に、29種類の菌のミックスを作りました。

──何故、腸内細菌に注目されたのでしょうか?

私が子供の頃に母親から「人間は腸が一番大事だ」と言われて。毎日ウンチを見なさいと言われていたんです。
そして、中学生から高校生ぐらいのときに腸内細菌の入ったサプリメントを飲み始めました。20年ほど前から摂取してまして、それが自分のプロサッカー人生の中でコンディションというところの部分で大きな役割を占めていたんですね。
アテネオリンピックの予選の時にドバイに行きまして、3週間ほど滞在していたんですけれども、みんな下痢でバタバタ倒れていくんです。

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──慣れない海外の環境だといろんなものを摂取してしまうこともあるんでしょうね

そうですね。それでみんな3、4キロくらい体重が落ちたりして23人中18人が下痢で試合の直前までトイレにこもっていると。だけど、僕は今で言う腸活のようなことを現役時代からやっていたので、下痢にならなかったんです。
コンディションってものすごく大事で、パフォーマンスを出すためにはまずコンディションが整ってないといけないということを体感したんですね。
それがあって、現役引退する直前に大変だけど研究開発をやってみようと思いました。

──アスリートの方に便を提供してくださいと言うのはなかなか難しいですし、それに乗ってくださる人も少ないんじゃないですか?

最初はやはり断られることもあったんですけど、ラグビーの松島幸太朗選手が後輩だったので、「よこせ!」とお願いしたんです(笑)。
「啓太さん何を言ってるんですか(笑)」っていうやり取りがあったんですけど、一番最初に持って来て頂いて。それが今では日本を代表するアスリートとして活躍してくれてますし、そういった選手たちの理解や協力があって徐々に集まるようになってきましたね。
今では、アスリートの方から見てほしいと言っていただけるようになりました。

──自分の腸内環境を知りたいという選手も増えてくるでしょうね

コンディショニングと腸が結びついているという事がやっと知れ渡ってきてるのかなと思います。

──腸内細菌に対して良い食べ物などはあったりするんですか?

あります。ヨーグルトとかキムチとか発酵食と言われるものですね。これは菌を直接的に体内に入れるんです。それを「プロバイオティクス」って言うんですけども、食物繊維とかオリゴ糖とかお腹の中にいる菌のエサになるものを「プレバイオティクス」と言います。
なので基本的には乳酸菌飲料を飲む。キムチや納豆を食べるのが「プロバイオティクス」。
野菜を摂る、食物繊維が豊富な、例えばバナナとかゴボウを食べる「プレバイオティクス」ですね。

──例えば、スピード系だったりパワー系だったり、腸内環境のカテゴライズみたいなものはあったりするんですか?

傾向というものは見えてきています。我々はそういったところをパーセンテージで出すということもやっていたんですけれども、やはり一番大切なことは課題に対してどういったサポートができるかっていうところなんです。
例えば、サッカー選手にもディフェンダーとフォワードで求められるものが違う。ラグビーの中でもウイングとフォワードでは求められるものが違うじゃないですか。
なので競技の判定というよりも、その選手にとっての課題みたいなものとか強みみたいなものを集約して、そこから精度を高めて“こういう系の選手はこういう傾向にあるよね。”っていうところを深掘りしていきたいなという風に考えています。

今、栄養素というものはかなり精度が高く分類できてると思うんですけれども、それを吸収するのはどこかというと“腸”なので、腸内細菌がどういう風に働いてくれてるかっていうところが重要になります。
この栄養素をこのぐらい取ったから良い、というわけではなく吸収率というところにこれからフォーカスして頂いて、皆さんの健康に気を使っていただければと思います。
そのためには腸内環境が整ってないといけないということですね!

──開発された「AuB BASE」はどのような効果が期待できますか?

名前の由来の通りまずはベースを作る。しっかりと自分のコンディショニングを整えてパフォーマンスを発揮する土台を作るというイメージで考えていただければいいかなと思います。
ベースを整えた上で食生活に気を使っていただく。
例えば、サプリメントとかを摂る時にも、まず腸内環境を整えるということを我々の「AuB BASE」でやって頂いてから良い食事を取っていただければと思います。

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──そして番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。鈴木啓太さんの心の支えになっている曲を教えて下さい

キアラ・セトル、 ザ・グレイテスト・ショーマン・アンサンブル「This Is Me」です。
私は今ベンチャーをやってますけれども、サッカー界からどうしてそこに行くんだと言われたりもしたんです。
「何でサッカー界に残らないんだ。そんなことやってもお前には無理だよ」って言われたことが多々あったんですね。
大手さんには敵わないですけど、ただ僕はやりたいと思った。そんなときにこの曲を聴いて、僕は間違っていないと思いましたし、自分のやるべきことをやろう。そして、自分らしくあるべきだ、ということをこの曲から再認識させて頂きました。心の励みになった歌です。

──腸内細菌の研究についてお話しを伺いましたが、このような事業を通じて、今後どのような影響を与えていきたいですか?

やはりアスリートって試合を観に来てもらってサポーターの方に感動してもらうことが主な活動で。
これまでは競技を観てもらって感動してもらったり、喜んでもらったりしてたと思うんですけれど、アスリートがコンディションを整えて金メダルを取りたい、優勝したいっていう想いでやっていたものが、観に来てくれるファンやサポーター、そして地域の方々の健康に方々に役立つデータだったとしたら、素晴らしい事だなと思っていまして。
観に来てくれる人達も競技だけを見るのではなく、選手たちの背景やストーリーも見てくれるんじゃないかなと思っています。
そういったアスリートとファンの良い関係というものを日本の皆さんと構築できたらなと思います。その懸け橋になれたら良いなと考えています。


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