今週の「Athlete News」は、元競泳日本代表 内田翔さんをゲストにお迎えしました。
内田翔さんは、1987年9月28日生まれ。群馬県のご出身。
0歳よりベビースイミングを始め、
2005年にジュニア・パンパシフィック選手権で4種目を制覇。
世界水泳モントリオール大会に選出され、2008年には北京オリンピックへ出場。
4×200mフリーリレーでは予選で日本記録を樹立。決勝では7位。
2009年の世界水泳ローマ大会では200m自由形決勝にて
日本新記録をたたき出し、日本人初の4位となります。
2012年に現役引退を発表し、現在は講演活動や、
スポーツの普及に取り組んでいらっしゃいます。
──まずは世界水泳 韓国・光州2019を振り返っていきたいのですが、日本競泳陣は金2、銀2、銅2の6個のメダルを獲得しました!
この結果についてどう分析されますか?
個人的にですけれど、いくつか取りこぼしがあったんじゃないかなと思いますね。あと3つは取れたんじゃないかなと思っています。
──自己ベストを更新した選手も少なかったようですし、ちょっと日本競泳陣に元気がないのかな、と思ってしまうところもあるのですが…
そんなことはないとは思いますね。ただ、ベスト率から考えると低かったので、昔はベストタイムを出さなくても勝てた。勝たせてくれたというんですかね。
いわゆる勝ちにこだわるレースですね。北島康介選手は他の大会で世界記録を出しましたけれども、金メダルを取った北京オリンピックの200メートル自由形では、世界記録も日本記録も出せなかったんです。しかし勝てたというところで、昔と今ではやはりちょっと違うんです。
──それは、世界のレベルも上がっているということですか
そうですね。
──調子の良い選手は必ず良いタイム出してくる。そこに負けないようにある程度タイムを求められてしまうということですか
タイムをしっかりと出すことも必要なんですけれど、勝ちにこだわるレースというのが心、表情、体からも滲み出るというか。それは周りの選手に伝わるんですね。となると、自分のレースができる。させてくれる。
周りの選手を威嚇するわけではないんですけれども、やはり北島選手を見た瞬間に一歩引いてしまう。
そのくらいのオーラを出せる人がこれから必要だと思います。瀬戸大也選手はそれが出ていたので、勝てたんじゃないかなと。
──世界水泳で金メダルを取れば東京オリンピック出場が内定するという大会でもあったわけですが、結局金メダル取ったのは瀬戸大也選手のみでした。
瀬戸大也選手の永遠のライバルとして萩野公介選手がいたわけじゃないですか。小さい頃は一度も勝てなかったけれど、今回金メダルを獲得できた。やはり充実感にあふれていましたか?
そうですね。やっぱりいいライバル関係ですねあの二人は。
瀬戸選手は萩野選手のために一生懸命頑張ろうという風に今回は挑んでいたのかな、という気持ちも伝わってきたかなと。
──そして、男子200メートル平泳ぎ世界記録保持者 トヨタ自動車の渡辺一平選手は2大会連続の銅メダルでした。
世界記録保持者ということで、金メダルを期待されていたと思いますが、レースのレベルがちょっと高かったですよね
高かったですね。
──渡辺選手の元々持っていた世界記録は2分6秒67。
今大会は、2分6秒73ということで良いタイムで泳いではいたんですけれども、1位になったロシアのアントン・チュプコフ選手は、2分6秒12。
今の時点では僕は勝てない、というようなコメントもしてましたけれども、新たなライバルが出たことでも目標が定まってやる気スイッチが入ったのかなという気もします
僕は(渡辺選手は)東京オリンピックのときに2分5秒の前半に行くんじゃないかなとは思っております。
身長が190センチぐらいありますし、彼の泳ぎは独特で伸びのある泳ぎですので。もちろん東京オリンピックの決勝はそのくらいの戦いになってくるだろうなと想像してます。
──松元克央選手は、200メートル自由形で日本勢初の銀メダル。
内田選手が泳いでいた種目でもありますけれども、自由形男子はなかなか外国人選手のパワーに浸けいることができなかったところがあるんですかね?
やっぱり体格差、パワーの差、だったのかなと思います。
ただ、私も2009年にメダルを獲れば歴史が変わっていたのかなと。4位でしたので、ちょっと悔しいですよね。
でも、日本人初ということで、自信にはなりました。
──松元選手は、萩野公介選手の記録を0.01秒破る、1分45秒22。
内田選手のベストタイムが1分45秒24ということで。
これ、すごくないですか? 私、今回シビれました!また0.01秒縮まったと思ってね。
萩野選手に更新されてショックだった部分もありますけれども、記録はいつまでも残ってちゃいけないということで。今回も0.01秒更新されましたけど、すごい種目だなって思いました。
──どうして松元選手は歴史を変えることができたのでしょう?
彼は昨年の冬ぐらいに右肩を痛めて3ヶ月ぐらい泳げなかったらしいんですよ。泳げなかったといってもキックはできますのでキックの練習で下半身を鍛えたそうです。そうしましたらボディポジションがぐっと上がりまして。
いわゆる背中が浮いている状態ですね。推進力が増したということです。
──女子は、400メートル個人メドレーで大橋悠依選手が銅メダルを獲得。しかし、女子はこのメダルのみ。
大橋選手といえば、200メートルでまさかの失格になってしまいました。
水中映像分析システムのビデオ判定によって、不正が発覚してしまったので失格になってしまったんですよね。
──今まで同じキックの仕方をしていたそうなので、ジャッジする人の個人差もありそうな、難しいところではありますね。
癖で通せないところなんですよね。
不正を防止するためにそういうシステムも今後導入したりしていかなければいけないのかなと思いますので、良いことでもあり、時として難しい事にも直面しますね。
──逆に、オリンピックの前で良かったのかも知れませんね。各選手が各々気をつけてということになりますから。
そして、先ほど名前も出ましたけれども気になるのが萩野公介選手。
ワールドカップ東京大会で168日ぶりに実戦復帰。ブランクが気になりますが、復帰戦をご覧になっていかがでしたか?
無理に笑っている表情ではなく心から楽しめている表情が出ていましたね。しっかりと先を見ている目をしていたし、今を楽しめている表情でもありましたね。
──ブランクもあったということで、タイムは自身の記録からすると相当遅いタイムではありますよね。
でも、あんなもんじゃないですかね。僕もそう思っているし、彼自身もそういう風に思ってるんじゃないかなと思ってます。
──今からでも4月の日本選手権というのは間に合いますかね?
間に合います。間に合わせると思いますね。
オリンピックに行くというスイッチも入っていたかもしれないし、これから高地トレーニングにも行くらしいので、僕からすると楽しみではあります。
──番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。 内田翔さんの心の支えになっている曲を教えて下さい
布袋寅泰さんの「スリル」です。
アップテンポな曲が大好きで、レース前にヘッドホンをして聴いたりしていました。とても興奮する曲です!
──水泳は、入場のときにヘッドフォンで音楽を聴きながらというのが他の競技にはない特徴ですよね。
ちなみになんですけれども、私がヘッドホンをして初めて入場した人間なんです(笑)。
僕の大好きな選手に、マイケル・フェルプス選手という選手がヘッドホンで音楽を聴いていて、それをテレビで観て、カッコイイからマネしてみようというところから入りました。
──アップテンポな楽曲を聴いて、レースに臨んでいたわけですね
そうです。入場するときには曲の途中でも一番に戻して前奏から聴いて入場していました。
また、布袋さんも私も群馬県の出身なので、地元からもパワーもらっていました!
──東京オリンピックで日本競泳チームに期待する事とは?
金メダル5個含む、最多のメダル獲得を期待します!
日本なら可能だと思います。1964年の前大会は過去一番の成績だったと聞いているので、やはり自国開催は応援が力になりますよね。
みなさんの応援が選手のパワーになりますので、ぜひ応援してください!
今週のゲスト、内田翔さんの“サイン色紙”をプレゼントします!
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