今週の「Athlete News」は、視覚障害者柔道男子66キロ級日本代表 藤本聰選手のインタビューをお送りします。
藤本聰選手は1975年8月2日生まれ、徳島県のご出身。
視覚障害者柔道男子66キロ級日本代表。B3(弱視)クラス。
幼い頃に事故で左目を負傷し、視力をほぼ失います。
5歳から柔道を始め、徳島県立盲学校高等部に進学したのを機に、
視覚障害者柔道へと転身。21歳で初出場した
1996年のアトランタパラリンピックから3大会連続で金メダルを獲得。
2008年の北京大会で銀メダル、2012年のロンドン大会は出場を逃すも、2016年のリオ大会で銅メダル獲得。
そして、2020年、45歳で迎える東京パラリンピックで4つ目の金メダル獲得を目指していらっしゃいます。
──藤本選手は20年以上もの間、世界で戦い、これまでパラリンピックで3連覇を含む5つのメダルを獲得しています
世界において、視覚障害者柔道の技術のレベルや環境はどう変化しているのか伺いました
ロンドンパラリンピックあたりから急激に変化していきました。今まで見たことなかった国が選手の強化に乗り出していますね。
例えばウズベキスタン、カザフスタン、アゼルバイジャンなど、強い選手が1人だけではないんですね。その辺りはメダルを独占しています。
昔はパワーだけの選手が多かったんですけど、技も上手くなっていて強化されているんだなと感じます。
ウズベキスタンなどは、国中から身体能力が高そうな視覚障害者の選手を集めて、適性を見て競技の振り分けをしています。
スタッフも一流オリンピックを指導している方がパラリンピックでも指導しているんです。
そういう環境で練習していますから、“それは強くなるよな”と感じますね。
日本に関しては、厚労省から文科省の管轄になったことによって、今まではリハビリの延長と考えられていたんですけど、現在は予算がつくようになりました。
98年のマドリッド大会では、日本の代表ジャージもなくて皆バラバラのジャージで開会式に出ていました。
今は合宿費も遠征費も出していただいています、今の若い子たちは恵まれているなと思います。
本当にありがたい時代になりました。
──日本は男女全階級に開催国枠1を獲得しています
出場権は国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)が主催する、昨年11月の世界選手権から、来年の春までの国際大会の成績によるポイントランキングで争われます。
日本選手も世界選手権以降の4つの国際大会で、最もいい成績を残した選手が各階級で代表に選ばれます。
東京パラリンピックは45歳で迎える藤本選手、東京パラリンピックにかける思いを伺いました
地元で開催されるという事は、なかなかないことですから。
私は来年45歳になりますので、まだギリギリ現役に間に合うのでそういう意味ではチャンスだなと思います。
東京パラに出場して、私を応援してくれている方へ恩返しがしたいなと思っています。
今、66キロ級の19歳の瀬戸選手が追い上げてきていますので、危機感の中での試合であったり、練習をしていますね。
人生最後の柔道人生にかけて、良い結果が残せるように一日一日大事に、練習も一回一回丁寧に丁寧にやって、今までにないくらい集中しています。
金メダルを目指してやっています。
──長年パラリンピックに出場してきた藤本選手、視覚障害者柔道だけではなく東京パラリンピック全体についても伺いました
いろんなイベントもやってるんですけど、一般の方ってなかなか見る機会ってないんですよね。
興味のない方に対して、パラリンピックを通して我々がどういう事ができるのかとか、残された力の凄さや格好良さを感じていただきたいです。
そういう意味では、障害者に対する差別とか、偏見とかを払拭できる場であるなと思います。
あとは、我々が普段からどういうことに対して苦労をしているのか、障害も様々ありますから。
障害者に対する理解であったり、仕事をしながら競技をすることでどういうことに苦労しているのかなど、分かってもらいたいなと思います。
そして、世界中から東京に来て頂けるので、日本の文化や素晴らしさ、おもてなしの心を知ってもらい、日本を好きになってもらいたいなと思っています。
──藤本選手の心の支えになっている、Cheer Up Songについて伺いました
ET-KINGの「ギフト」です。私のトレーナーがET-KINGのライブトレーナーもやっていまして、リオパラリンピックが終わった後、コーチから東京で金メダルを獲るために「今からライブに行くよ!」と言われて行ったのがET-KINGのライブでした。
そこで、リーダーのイトキンさんが自分をステージにあげて紹介してくれたんです。
会場が凄く盛り上がって、感動したというか震える思いでした。
そこで、会場の皆さんとイトキンさんに「東京で金メダルを獲る」と約束したんですけども、イトキンさんは去年闘病生活の末に亡くなられて残念です。
イトキンさんの墓前に金メダルを持っていきたいと思っています。
ギフトには“贈り物”ということ以外に、お金では買えない“授かりもの”という意味もあります。
私が、ET-KINGのライブで感動という授かりものをしたので、今度は柔道を通して色んな方にギフトとして感動を送りたいなと思っています。
お話しを伺った、視覚障害者柔道66キロ級 日本代表藤本聰選手の“サイン色紙”をプレゼントします!
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