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Athelete News
19.04.27
世界で戦うということ
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今週の「Athlete News」は、トヨタ自動車所属 男子競泳日本代表 川本武史選手です。

川本武史選手は、1995年2月19日生まれ。現在24歳。愛知県瀬戸市のご出身。
水泳部の強豪 豊川高校では2年、3年と2年連続インターハイ 100m背泳ぎで優勝。
中京大学では、3年の時、日本代表入りを果たし、世界選手権50mバタフライ準決勝進出。
大学卒業後は、トヨタ自動車に所属し、
昨年10月、短水路世界選手権代表選考会 男子100mバタフライで49秒90の日本新記録を出して優勝。
50mでは22秒49の日本タイ記録で優勝。
さらに、11月には「競泳・W杯東京大会」短水路 男子100mバタフライで50秒28で優勝し、国際大会では自身初となるタイトルを手にしました。
さらに、12月に行われた、世界短水路選手権男子400mメドレーリレーで、
日本がアジア新記録となる3分21秒07のタイムで銅メダルを獲得しました。


──昨年は、結果が出たシーズンでした。2015年の世界選手権以来代表から遠ざかっていましたが、復帰までのおよそ3年間、ご自身にとってどんな時間でしたか?

紆余曲折あった期間でした。社会人一年目にすごく辛い期間も味わって、去年は復帰というところまでは行かないんですけど、ある程度結果が出るようなシーズンだったので、今となればいろんなことを経験できて無駄なシーズンではなかったのかなっていう風に思います。

──一昨年の苦労されたシーズンっていうのは何があったんですか?

社会人一年目の、学生から社会人のスイマーになるっていう事で、心境も環境も全て変わったので、そこで心のコントロールがうまくいかなくて、なかなか思うように結果が出なかったので苦しかったですね。

──水泳で希望のタイムが出ないっていうのは辛いものなんですか。

1回とか2回とかだったらいいと思うんですけど、1シーズンでベストタイムがでないと悪い流れが変にできてしまうので、その流れをどう克服していくかっていうのがすごい大事になりますね。

──何か具体的に変えたことなどはあるんでしょうか?

今は体を大きくする時期って割り切るとか、ウエイトトレーニングと水中トレーニングのバランスを考えてみるとか。コーチとよく話してこれからどうしていくかってのを考えたりしていましたね。

──水中でのフォームとかも改善していかないといけないものなんですか。

そうですね。テクニックがすごく大事になるので、パワーをつけたからといって、すべてそれが推進力に変わるかっていうとそうではないんです。
なので、テクニックの練習も怠らないように考えてやっています。

──ご自身が、世界に通用するなと思う泳ぎのポイントはどこだと思いますか?

なるべくフラットな、水面に対してあまり上下動しないような動きの中で、今ある身体の筋力を活かした泳ぎをしているっていうのがストロングポイントだと思います。

──バタフライって上下動が大きそうな泳ぎですけれども、それでも水の抵抗をなくすためになるべくフラットで泳いでいるんですね。
短水路で日本記録を出してらっしゃいますけれども、長水路のレースではどんなところが違うのでしょうか?


長水路は、行って帰って終わりなんですね。なので、ターンの回数が少ない分、ドルフィンキックを行う回数が少ないんです。
僕はドルフィンキックが得意なので、なるべく短水路のようにドルフィンキックを多くうてた方が自分の得意なところが多いので、長水路は短水路に比べると苦手なのかなって思います。

──昨年の世界選手権では、入江陵介選手、小関也朱篤選手、中村克選手とともに400mメドレーリレーで、アジア新記録で優勝。
これはもともと、新記録を出したいなっていう話はしていたんですか?


日本記録を目標というよりは、銅メダルを目標にしていたので、各国強豪選手が集まってる中でのメダル獲得はなかなか厳しいものがあったんですけど、しっかりと結果を出すことができて良かったなって思います。

──レース中も手応えは感じていたんですか?

そうですね。前の入江さんと小関さんが非常に良い形で僕につなげてくれたので、自分はかなり気持ちよく泳げましたね。

──個人の競技と違って順番が回ってくる競技じゃないですか。バタフライは3番目ですよね。独特の緊張感みたいなものはあるんですか?

ありますね。僕はもともと背泳ぎだったんですけど、普段リレーを組むとなると背泳ぎが多かったんです。
そうなってくると入場してからすぐにキャップとかをかぶってないとスタートしちゃうんですよ。バタフライはちょっと余裕があるので気持ちに一回落ち着きを入れて、入江さんの順位とかを冷静に分析しながらレースに臨めるっていう感じですね。

──予選とかだと速い選手から真ん中のコースに入っていきますけど、やっぱり先頭で泳ぐのとそうじゃない時っていうのは、水の抵抗とか変わったりするものなんですか?

全然違いますね。隣のコースの選手が自分の頭の位置とかまで行くと、波がかなりかぶさりますね。相手の選手の腰の位置に自分の頭があると、逆に泳ぎやすいって言われているんです。

──リレーの場合は何往復もしていると水の流れも乱れているのかもしれないですけどね。
しかし残念ながら、個人では、100mバタフライ6位、50mバタフライ5位でした。こちらはどのように受け止めていますか?


世界の舞台の決勝で戦えたってことはまずは良かったかなっていう風に思ってます。ただ、その中で自己ベストを狙っていたので、そこが出なかったことがかなり悔しかったです。

──世界の速さを肌で知る機会がいっぱいあればあるほどいいわけですもんね。
日本の水泳は世界選手権だったりオリンピックに派遣する基準タイムがすごく厳しいですよね。


そうですね。今の水泳の強さっていうのはそこからできてると思うので、そのタイムを切れば自分の自信にもつながりますし、世界で戦えるっていう自信に繋がるので、今はそれを目標にやっています。

──代表を決めるのが一発勝負だったりするじゃないですか。

やっぱり緊張しますね。その中でそれぞれの選手の駆け引きとか、自分の状態の上がり具合とかが非常に難しいので、今もなかなか慣れない部分あるんですけど、オリンピックでは絶対に決めなきゃいけないのでそこに照準を合わせています。

──この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。川本武史選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。

ZEDD & Alessia Caraの「STAY」です。
ZEDDの「STAY」は、自分の中でもお気に入りの曲なので、この曲を聴くと緊張が解けたり、逆に”やってやるぞ!”という気持ちになったりするのでよく聴いています。

──入場する時のルーティンとかも決まってくるものなんですか?

僕は逆に決めないようにしてますね。決めてしまうとそれが出来なかったときに調子が崩れてしまうかもしれないので。緊張の度合いで決めてます。
緊張感が高ければ落ち着いた曲を聴いて、ちょっと足りないなっていう時はハイテンポの曲を聴くようにしてます。

──今シーズンは、来年の東京オリンピックに向けて大切なシーズンとなりますが、改めて目標を聞かせてください。

5月末と6月初旬にあるジャパンオープンという大会でしっかりと日本代表を決めて世界選手権で決勝で戦えるように頑張っていきたいと思います!


今週のゲスト、川本武史選手の“サイン色紙”をプレゼントします!
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