今週の「Athlete News」は、トヨタ自動車陸上長距離部 服部勇馬選手です。

服部勇馬選手は、1993年11月13日生まれ。現在25歳。新潟県十日町市の出身。
東洋大学在学時は、1年生から駅伝メンバーとして活躍。
3年生の第91回箱根駅伝では総合3位、2区で区間賞。
そして、4年生の第92回箱根駅伝では総合2位、2区で区間賞。
大学卒業後は、トヨタ自動車に入社し、ニューイヤー駅伝などで活躍。
昨年、福岡国際マラソンで優勝を果たし、東京オリンピック選考会、マラソングランドチャンピオンシップへの
出場権を獲得。東京オリンピック出場を目指しています。

──昨年行われた福岡国際マラソンで優勝、日本人選手の優勝は実に14年ぶりの快挙ということでおめでとうございます！

ありがとうございます！

──ご自身は、4度目のマラソンで初めての優勝。記録が2時間7分27秒、とても素晴らしい記録ですけど。
今はやっぱり外国勢が強いですけど、そこに勝ったのは大きいんじゃないですか？

この先、優勝っていう勝ち方を知れたっていうのは、今後のマラソンのレースをしていく上で重要なことだと思いますし、本当に貴重な経験だったかなと思っています。

──勝因はどこにあると思いますか？

35km以降、これまで失速していたレースが続いていたんですけど、そこをペースアップできたこと、外国人選手を引き離したことが今回の優勝につながってるのかなと、僕自身は思っています。

──35km以上、ラスト7キロでぐっと上げたわけじゃないですか？
それが出来るようになったというのは、どういうところが変わったんですか？

今までよりも練習の距離を増やしたということですね。今まで、月間で700kmくらいだったんですけど、それを1000kmくらいまで走るようにしました。

──やはり35kmの壁ってあるんですか？

僕自身は初マラソンのときに感じました。足が重たくなりましたし、エネルギーがなくなっていくような感じで力が入らないというか。
今まで、マラソンやる前はマラソンランナーを見て、“もうちょっと最後頑張れるんじゃないか？”と思ったときはあったんですけど、実際に走ってみて、それは自分が間違ってたなと思います。

──去年の東京マラソンで日本記録を出された大学の先輩、設楽悠太選手
あの時に「30km以上は走らないんだ」みたいなことを言って“そんな練習法があるんだ”と、みんな驚いたんですけれども
それとはちょっと真逆なアプローチですよね

そうですね。悠太さんは大学の時からずっと見させてもらってて、本当に能力が高くて、センスがあって“この人に勝つにはどうしたらいいのかな？”ってずっと思ってて。
僕がそのアプローチをしても、多分、そこまでいけないと思ったので。僕自身は、もっと距離を走って地道にコツコツやることが大事かなという風に思ったので。

──レース終盤に、両腕を下げて振ったり、上げて振ったりしてらっしゃいましたけど
あれには意図があったんですか？

2時間同じ腕振りだと疲れてしまうので（笑）。僕の場合なんですけど、好きな選手が何人かいて、その選手を真似しながら、イメージしながら走っています。
僕自身もモチベーションが上がったりだとか、そういう選手の気持ちになって走れるので、なりきるくらいで走っています（笑）。

──終盤になると、そういうことをやってらっしゃるんですか？

やらないと気持ちがもたなくて（笑）。

──レース中はドリンクが2つ用意されていますけど、それぞれ意味合いがあるんですか？

はい、1つは経口補水液で電解質を補給しないと足がつったりするので、そういった事を防止するものです。
もう1つは糖質系のドリンクなんですけど、エネルギーをしっかりとって、低血糖を防ぐ意味合いでとっています。

──それぞれ、選手に合った成分だったりするんでしょうか？

そうですね。人それぞれ汗の出方が違ったりだとか、量や質も違うので、自分に合ったドリンクを作ってもらっています。

──服部選手にとって、理想の走り、“こんな選手になりたい”像があったら教えてください

自分の中で理想の走り方があって、その走り方をスタートからゴールまで、そのままの走りで走りきることが僕の理想ですね。

──レース展開に左右されるというよりは、自分を通しきるみたいな走りですか？

それが一番タイムが出る走りなんじゃないかと、僕は思っています。

──番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。服部勇馬選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。

ゆずさんの「虹」をよく聴いているんですけど、試合前のウォーミングアップの前に必ず聴いている曲です。
今までやってきたマラソン練習の辛い思い出とかを、その曲が送り出してくれるというか、そういう曲なので好きですね。


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