今週の「Athlete News」は、クレー射撃・日本代表、折原研二選手、折原梨花選手です。
東京オリンピックで日本人初の親子同時出場を目指す折原親子。
父である折原研二選手は現在46歳。
全日本選手権で9度の優勝を果たすなどクレー射撃界のレジェンド。
一方、梨花選手は、現在22歳。
父、研二選手の影響を受け、18歳から競技を始めると、
競技を始めて2年で国際ジュニアグランプリ、日本人初優勝を果たし、
クレー射撃競技、注目度No.1アスリートとして話題を呼んでいます。
──親子でクレー射撃の日本代表ということで、すごいですね!
同じ競技をしている中で教えあったりすることもあるんですか?
研二選手:梨花は(クレー射撃を始めて)2年半ぐらい経つんですけど、最初はもう気になっちゃって気になっちゃって。
僕の方が全然ダメになっちゃいましたね(笑)。
──同じ大会に出ることもありますもんね?
梨花選手:こっそり観に来たりしていて、自分の競技に集中できなくなったりしました(笑)。
──お父さんとしては気になりますよね。アドバイスしてあげたりとかはあったんですか?
梨花選手:そうですね、選手として困ったときは父に相談していました。
こういう風に言ってますけど、クレー射撃を始めたときから今もずっとお父さんとして一緒に競技をしてくれています。
──だけど、同じ競技ができるっていうのはある意味、羨ましいですね。
研二選手:父親としては幸せですね。
梨花選手:ありがとうございます!(笑)
──クレー射撃とは、時速80キロで飛行する直径11cmのクレーと呼ばれる皿を、散弾銃で撃ち落とし、その枚数を競う競技。
今日は模擬銃とクレーを持って来てくださいました。これが空を飛んで、標的となるわけですね。
研二選手:そうですね。機械でフリスビーのように回転させて飛ばすんです。
──どのくらいの速さで飛んでくるんですか?
研二選手:だいたい80kmくらいは出ていますね。
──思ったよりも小さいんですね。それに軽い!競技では、これがどのくらい遠くにあるんでしょう?
研二選手:15メートルから22,23メートルの間で撃ち落としいきます。
─素人はクレーを目視するのも大変じゃないですか?
研二選手:そうですね、おそらく見えなくはないんですけども、「スキート」競技というのは同時に両サイドから2枚出ているので、1枚目を追えても2枚目は追えないっていう人が多いですね。
──お二人がやられているのは「スキート」と呼ばれる種目なんですよね。どんなルールなんでしょう?
研二選手:「スキート」に限っては飛ぶところが決まっているので同じところを飛んでいるんですけれども、射台という撃つ場所が8箇所あるんです。
撃つ選手は自分で移動していくので角度が変わって狙いもどんどん変わっていくんです。真上に飛んでいったのはそのものを撃てるんですけど、少し横になるとちょっと前に打たないと弾も遅れて飛んでいくので、そこら辺も計算しながら狙ってますね。
─正面だとか狙いやすいのが、逃げてくものを打つ場合もあると。
研二選手:そうですね。真横に飛んでいるクレーがあるので、その場合は前を打たないとクレーも動いてますから。真横の方が難しいですね。
梨花選手:場所によってはクレーが向かってくるの撃ち落としたり、上や横から飛んでくるのを撃ったりしています。
──これを1回の競技で25枚。
研二選手:1ラウンド25枚で、試合の予選は5ラウンドなので125枚ですね。
もう一つ、「スキート」のポイントがあって。
コールと言って、準備ができたら声を出すとお皿が出るんですけど「スキート」の国際ルールは、コールをして3秒以内でランダム出るんです。
コールした後にすぐ出るかもしれないし、1秒かかるかもしれない。
お皿が出てから構えて撃つので、おへそあたりにガンポジションという黄色いラインをつけて、そこに銃は置いておかないといけないというルールがあるんです。
──機敏な動きが要求されるんですね。予選は5ラウンドですよね。決勝は何ラウンドなんでしょう?
研二選手:決勝はまた少しルールが変わりまして、勝ち抜き戦みたいな感じになって上位6名で始めて、優勝するまでに60枚撃たなきゃいけないんですね。
最初に20枚撃って、一番成績の悪い人が脱落。また10枚撃って脱落して、最後は二人残って10枚撃って勝ち負けが決まる。
優勝と準優勝する人はもう1時間くらいやっています。
──ただ撃つだけもものすごく体力を使いますね。女性の梨花選手は、銃の上げ下げだけでも辛くなってくるものじゃないですか?
梨花選手:集中はできるんですけど、どちらかというと腕の乳酸が溜まってくる感じですね。
──銃を撃つときに、照準を合わせて…なんていうイメージがありますけど、そんな時間はないってことですか?
研二選手:そうですね。そんなに時間はないです。お皿が出て構えて撃つまでにだいたい0.3〜0.4秒ですね。本当に一瞬なんですよ。
──トップクラスの選手になると25枚中どれくらい当たるものなんですか?
研二選手:この間のオリンピックではオール満点で、ワールド記録も毎年オール満点ですね。
誰がミスするかの戦いなので、海外で決勝に残るためには125枚撃って、ワールドカップでは3枚抜きしないと厳しいですね。
──ちなみに、お二人のハイスコアは幾つなんでしょう?
研二選手:僕は、ワールドカップでベストが121点ですね。
梨花選手:私は115点になります。
研二選手:女子の方は、決勝に行くには118点撃てればいいところに行けますね。
──お二方とも世界レベルに肉薄しているんですね。でも、そこの差って何なんですかね?
研二選手:やっぱメンタルだと思いますね。
──続けて当たってくうちに、だんだんプレッシャーがかかってくるものなんでしょうか。
研二選手:どちらもありますね。のってくることもありますけれども、ハイスコアが見えてくると…。
野球のノーヒットノーラン的なものもあるかもしれないですね。
──研二選手は、全日本で9度の優勝を果たしていますが、オリンピックにはまだ出場経験がありません。来年の東京オリンピックにかける思いは強いんじゃないでしょうか?
研二選手:僕は20年くらいオリンピックを目指して頑張っているんですけど、まだ1回も出たことがなくて。
実は、参加国が多い競技で、130カ国は参加しているんです。ワールドカップとかもすごい人数なんです。
──野球とかに比べたらはるかに多いですね。
研二選手:オリンピックに出られる人数が40人ぐらいなので、世界で切符をとってこないといけないんです。世界選手権とかもあるんですけども、この大会はオリンピックへの切符が2枚かかってますっていう大会で表彰台に乗れないとなかなか取れなくて。
今回は自国開催なので、開催国枠というのが一つあるんですけど、それは最終手段として、まずはワールドカップで切符を取ってくる。そこを目指して、最後のつもりで頑張ろうと思っています。
梨花選手:最後なの?
研二選手:最後のつもり、ね(笑)。
──梨花選手も、まずは海外の試合でオリンピック出場を目指すと。
梨花選手:そうですね。オリンピックの切符を取った方は、(新たに)切符は付与されないので、落ちてくるのも狙いたいですし、自分も優勝して切符を取りたいと思っています!
──毎回ゲストの方のチアアップソングを伺っています。梨花選手の心の支えになってる曲があったら教えて頂きたいんですけども。
梨花選手:椎名林檎さんの「NIPPON」という曲が大好きです。
──この曲はどのような経緯で?
梨花選手:私がドイツのジュニアの試合に行った時に、優勝した年の夜にこの曲を知って。ヘビロテして、試合に臨んで優勝できたんです。
明日は試合本番だし、いいのないかなって探していたら、サッカーワールドカップのテーマ曲となっているこの曲を見つけて、ホテルで聴いて、試合でも聴いてっていう感じで優勝できました!
日本代表ということが誇りに思える曲ですね。
今週のゲスト、折原親子の“サイン色紙”をプレゼントします!
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