今週の「Athlete News」は、パルクール・アスリート 泉ひかりさんをゲストにお迎えしました。
泉ひかりさんは1995年11月15日生まれ。現在23歳。大阪府のご出身。
パルクールアスリートとして、これまで数多くのCM、ミュージックビデオなどに出演。
世界大会でも招待選手として活躍し、2017年スウェーデンで開催された、Air Wipp Challenge 2017パルクール女性部門で4位入賞、そして、昨年広島で開催された、FISE WORLD SERIES Hiroshimaでは、スピードラン部門で銀メダルを獲得。
日本の女子パルクール界では、No.1の認知度・実力を誇るアスリートです。
──パルクールをされている人のことを、トレーサーと呼ぶんですか?
はい、よくメディアでパルクーラーという人もいるんですけど、トレーサーって言います。
もともとフランス発祥なので、フランス語で「追う人」っていう意味なんですけど。
パルクーラーではなくて、自分がトレーサーと言って、“あ、パルクールやってる人だな”と伝わるくらいに広まってほしいなと思います。
最近、パルクールっていう言葉が浸透してきたので、表面的なところからだんだん“じゃあパルクールって、実際何なのか?”だったりとか、パルクールの技術はどういうものだとか、やってる人がどういう風に呼ばれるのかみたいなところを、どんどん広めていけたらなと思ってます。
──肩書きが「パルクールアスリート」となっているんですけど、どのようなことをされているんですか?
基本的には大会に出たりもそうなんですけど、コマーシャルだったり、ミュージックビデオなどでパフォーマンスをしたりとか。
ワークショップをしたり、やってることはアスリートというよりも、いろんなパフォーマーであったり、先生であったりとかいろんなことをしています。
今、大会に出たりとか、アスリートとして活動させて頂いているのでパルクールアスリートと名乗っています。
──コマーシャルとかで「パルクールをやってください」というのと、「アクションをやってください」という線引きがあったりするんですか?
あまり考えたことはないんですけど、パルクールってもともとは移動術なので。アクションっていうと、戦う方じゃないですか?
自分もアクションをやっていたので、アクションやってて、なんとなくそれっぽいことはできるんですけど、やっぱりパルクールしてる人に「アクションをやって」って言って、できるものではないと思うし。
また、アクションしてる人たちが「パルクールお願いします」って言われて、安全に何回も同じようにできるのかってたぶん違うと思います。
どういう線引きかっていうと難しいですね。
──大会などが行われる時に、どんなふうに採点されて、どうやって勝ち負けを決めるんですか?
もともとパルクールって人と競うものじゃなくて、自分の中で戦うものなので。大会もすごい発展してるわけじゃないんですけど。
メインになっているのが、フリースタイルっていう大会のひとつの部門で、フリースタイルはパルクールをしやすいような環境が整えられていて。舞台があって、その舞台の上では60秒だったり、90秒だったり、決められた時間動き回って自分のパルクールを見せる、みたいな。
そこで技術の正確さだったり、創造性だったり、滑らかに動けているかとか、そういうところを総合的にジャッジします。
──もうひとつの方はどんなものなんですか?
もうひとつの方が「スピードラン」といって、単純にスタートからゴールで、障害物競走みたいな感じです。
スタートからゴールまで上がって、障害物を越えてその秒数を競うという形なんですけど。
──ということは、タイムだけということですか?
そうですね。その障害物の越え方は自由で、もちろん“これはタッチしてください”とか、“これは、はみ出ないでください”とか
“地面に足着いたら何秒追加されます”という感じですね。
──毎回会場が違うわけですよね? トレーニングは普段どういうことをされるんですか?
基本的には公園に行って、その公園で何するかを自分で決めて、みたいな感じですね。
──たまたま子供達が公園にいたら集まってきませんか?
集まってきます(笑)。見てて楽しいんだと思うんですけど、「何やってんの?」っていう感じで声かけられて、「ここ歩ける?」って言って、レールを一緒に歩いたり。パルクール教えたりすることはけっこうあります。
──ウェイトトレーニングみたいな、そういったトレーニングはされるんですか?
自分はあまりしないですね。パルクールを始めた時に、もともと基礎筋力とか体力とかもある方だったっというのもあると思うんですけど。
パルクールの動きってもともとは軍事トレーニングだったので、それだけで全身鍛えられるっていうのもあって。
自分の実力に合わせた動きしかできないし、それを越えるためにトレーニングすることで、自分の筋力、体力も上がってくるので、そこで補っているのもありますね。
あとは実戦以外のところで、筋力トレーニングして、いきなり自分の体がパワーアップしたときに思ったより飛べるようになった時に危ないじゃないですか?
把握しながらするのと、別のところでトレーニングして、いきなりするのと感覚的には変わってくると思うので。そういった意味でも、あまりウェイトトレーニングをがっつりっていうことはないですね。
──パルクールの選手にとって大事なのは、どんなところなんですか?
パルクールって、その場に適用しないといけないので、ひとつのことだけやってても、いざ場所が変わったりとか、そのひとつの事ができない場所に行った時に“どうするの?”ってなっちゃうので。
まんべんなく、いろんなことに挑戦し続けるのが大事だと思います。
──フランス発祥とのことですけど、やはりヨーロッパの方が強いんですか?
今すごいヨーロッパでは盛り上がってて、特にイギリスだと年間でパルクールを月に2回以上します、と答える人が10万人以上いるという調査の結果も出てて。
パルクールを教わる環境がすごい整ってて、盛り上がってるなと思います。
──日本でも教室とかも増えてきてるんですか?
今すごい増えてきてます。教室もそうですし、パルクールのジムもできましたし。
──じゃあ室内でも練習できるんですか?
はい、できますね。
──安全面が確保されているところで挑戦してみたいですね
そうですね。実際にそういうところだと、ちゃんとパルクールをやっている人たちが監督としているので。
教室として習うのもいいですし、オープンジムと言って、自由な時間もあるので、ちょっと行ってみて軽く体を動かしてみたりとかだけでもいろいろ教えてもらえたりすると思うので、興味のある人はぜひ行ってもらいたいですね。
──パルクールはすごく自由度が高そうですけれども
想像力を養うためにやってることってあったりするんですか?
想像力を養おうと思ってやってることはそんなにないんですけど、自分的にはパルクール以外のスポーツからインスピレーションを受けることもあって。
ブレイクダンスのちょっとした動きだったりとか、トリッキングっていう蹴り技をアクロバティックにするスポーツがあって。その動きを取り入れてみたいなと思うこともあったりとか。
パルクールの面だと、海外の自分の好きなスタイルの選手の動画を見て、“自分もこの動きしたい”っていうのは、ちょっと挑戦してみたりとか、想像力を養う機会はいろんなところに転がっていて。
“これをこうアレンジしたら、もっと面白いんじゃないか”と思って、どんどん発展していくこともあるのですごく楽しいです。
──この番組では、毎回ゲストの方にCheer up Songを伺っています、泉ひかりさんの心の支えになってる曲があったら教えて頂きたいんですけれども
今回選んだ曲が、Pentatonixの「Sing」っていう曲で、アメリカに留学してる時にPentatonixグループが有名になっているっていうのを聞いて、聴いたら“すごい歌上手いなぁ”と思って。
しかも、全部アカペラで歌っているのを聴いて“この人たちすごいな!”って思ったんです。
当時、有名な曲のカバーを聴いていたんですけど、この「Sing」っていう曲は、この人たちのオリジナル曲で、しかも撮影されてるのが LAなんですね。自分がLAに住んでて知った時に親近感が湧いたんですよね。
留学から帰ってきた後に、たまにすごい“アメリカに帰りたいな”って思う時とかも、この曲を聞いてミュージックビデオを見ると、“ここであんなことしたな”みたいな、“パルクールの撮影ここでしたな”とか、“友達と一緒に遊びに行ったな”とか、いろいろ思い出して勇気をもらえるんです。
今週のゲスト、パルクール・アスリート 泉ひかりさんの“サイン色紙”をプレゼントします!
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