今週の「Athlete News」、去年、西武ライオンズを退団されて、クリケット選手に転身された木村昇吾選手です。
木村昇吾選手は、1980年生まれ大阪府出身、香川県の野球の強豪・尽誠学園では夏の甲子園に出場。
愛知学院大学を経て、2003年、ドラフト11位で、横浜ベイスターズに入団。
内野の全ポジションをこなせる守備力と強肩が売りのユーティリティプレーヤーとして、横浜ベイスターズ、広島東洋カープ、埼玉西武ライオンズと3球団を歩き、昨シーズン限りで、チームを退団。
15年間のプロ野球生活を終え、現在は、クリケットで海外プロリーグへの挑戦を目指しています。
──トライアウトを受けられたという事ですが、トライアウトってちょっとしかチャンスがないじゃないですか?
緊張するものですか?
雰囲気は独特なものがありました、トライアウトをした球場がマツダスタジアムだったんですよ。
8年間慣れ親しんだ球場で、球場入りするときからカープ時代のユニフォームを持ったファンの方とか、すごく声をかけていただきました。
──ファンの方が温かく迎えてくれると、心強いですよね。
やりやすかったですし、楽しかったんです。
実は2年前に怪我したんですよね、去年復帰して、いい感じには動かなかったです。でも、トライアウトの時は状態が良かったので、”回復してるな”っていう実感があって、体も動く、雰囲気もいい、楽しくて充実感があったんですね。
だから、”いけるわ”っていう感覚しか残らなかったんですよ。
──怪我からの回復があると、クリケットっていうお話がきても”もうちょっとプロ野球目指したいな”っていう、思いはなかったんですか?
自分でもよくわからないんですけど、オファーがあるにはあったんですよ。ただ、社会人野球だったり、独立リーグで兼任コーチのお話をいただいて。
やっぱり、アスリートとしてやりたいなっていう思いがあって、コーチを兼任するという事の難しさがすごくあると思ったので。
──クリケットの競技人口は、実はサッカーに次ぐ世界2位。木村選手が目指している海外のプロリーグ
インドだと年俸30億円稼ぐ選手もいる人気スポーツですよね
日本人の方はクリケットを知らないので、海外に行くとクリケットの中継がやってるんですよ。
インドのトップリーグの平均年俸は、2億9000万円なんですよ。オーストラリアとかも盛んなのですごいんですけど、オーストラリアのトップの方でも10億円とか、それはスポンサー料も含まれているので。
──それは海外リーグ目指したいですね
目指したいですよね(笑)、そういう動機でいいと思うんですよ。あと、今までやってきた野球がそのまま生きるスポーツですよね。
──日本だと、練習環境がなかなかないんじゃないですか?
ないですね。栃木県の佐野市がクリケットの町ということで、クリケット協会の本部もあって、クリケット協会からのオファーなので、プロ野球選手界としても、プロ野球選手のセカンドキャリアというのが一番の問題点というか。
その中で、クリケット協会とのプロジェクトみたいな感じもあるみたいで。クリケット協会全面協力のもと練習させてもらっています。
──手応えはどうですか?
バッティングに関しては、最初からフルスイングでやっていたので。クリケットやってる人からしたら、”なんで、そのボールで振れるんですか?”っていう感じで、「そのボールは当てるだけで、逃げるボールですよ」と、でも「木村さんめっちゃ振りますよね?」みたいな、こっちは振ることしか知らないので(笑)。
そういうのが、教えていただいてるコーチからすると強く、遠くに飛ばせるのが強みだっていうのはあるんですよね。
あと、守備は一番上手いです(笑)。
──プロ野球の頃から、いろんなポジションを守れる木村選手でしたからね
彼らに教えてますね、どういうステップを踏んだらいいとか「どうしたらいいですか?」って聞いてきてくれるので、僕がアドバイスできることがあればさせてもらいますし。
クリケットって、和気あいあいとしてるんですね。試合に「ティーブレイク」があって、そこでみんなご飯を食べたりするんですよ。
──もぐもぐタイムがあるんですか?
そんな感じです(笑)、試合が長いので。
──5日間くらいかかる試合もあるんですよね?
そうですね、もともと英国貴族のスポーツが発祥なので、優雅にティータイムみたいなね。
やってる僕らは優雅じゃないですけどね(笑)。
──木村選手が日本のクリケット界にもたらすものも大きいですね
そういうのもね、一役を担ってオファーをいただいているので。
自分でもわかっているつもりではあるので、アドバイスできることはしたいし、クリケット普及のためにもいろいろな活動をしていきたいと思います。
──毎回、ゲストの方にお気に入りの一曲を伺っています。木村選手がよく聞いている曲、心の支えになっている曲などはありますか?
安室奈美恵さんの「Get Myself Back」です。
大学時代の、野球をやっていた友人がファンで。毎年コンサートに行くようなやつがいて、彼の車に乗っててこの曲を流しているんですね。
すごく心に留まってスーッと入ってきたんですよ、正直、最後の方は泣いてました。
それぐらい気持ちよかったんですよ、カープの時からずっと試合前に聴いてました。
──クリケットの一番の魅力はどこでしょうか?
どこなんでしょうね、お金を稼げることですか?(笑)
日本ではまだまだ稼げないので、国内にプロリーグはありませんから。海外でしか普及していないので、日本でも競技人口は何千人という規模、普及と言うのであれば、プロ化するくらいまで僕はしたいと思っていますね。
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