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Athelete News
17.06.24
20年間、パラスポーツを見続けて
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今週の「Athlete News」は、パラスポーツを取材すること20年、スポーツライターの宮崎恵理さんをお迎えしました。


──宮崎さんが、パラスポーツを取材する上で大切にしていることは何でしょうか?

一番大切にしてるのは、取材をさせていただいた選手達が一番伝えたいことを、そのまま読者にお伝えすることを心がけています。

──選手だけでなく、トレーナーの方や以前出演して下さった義肢装具士の臼井二美男さんなど
パラスポーツを支える方たちも取材されていますね?


選手に取材させていただきますと、”今があるのは支えてくれた人、背中を押してくれた人がいないと、自分はここにいない”と、皆さん仰るんですね。
そうすると、この選手達のベースになっている、支えてくれてる人たちってどんな方々なんだろう?って、そこを取材しないと、選手の本物って見えてこないんじゃないかって思って、そういう方達にお話を伺って、「希望をくれた人」という本にまとめました。

──細やかなケアは必要ですもんね。

例えば、同じ足を切断された、脊髄を損傷されたといっても、その選手選手で状態も違いますし、コンディションは人それぞれなんです。
どれだけ自分にフィットさせるか、あるいは、それを使って競技を目指す中で、自分に残された体をどう鍛えていけば一番ベストな状態が出せるか、というのは人それぞれなんですね。

──それぞれが課題としてるところが違うというところも、魅力のひとつでもあるんですね

そこが、パラスポーツの一番の魅力なのかなと思います。

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──20年間パラスポーツを追い続けていらっしゃいますが、この20年でどんな変化を感じますか?

一番大きな変化を感じているのは、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まったことなんですね。
これによってパラスポーツを取り巻く環境というのが、劇的に変化したのが大きな変化だと思います。
もうひとつ全然変わらない事というのがあって、世界の頂点を目指す選手達の眼差しなんですね。

──日本の今のパラスポーツの現状は、やはり海外と違うのでしょうか?

メダルを大量に獲得してるような、中国、ロシア、ウクライナといった国は、国を挙げて強化に取り組んでいるというのが有名な話なんですね。
選手だけではなくて、コーチなども合宿所のあるところに家族で移住してきて、年間を通して合宿を続けるような感じですね。

──練習環境は差があるんですか?

そうですね。それでも今の日本でも環境は整ってきてますし、選手個人も、それぞれ色んなアプローチで努力してきてると思うんですね。
アスリート雇用などもあって、所属先の企業がすごく理解を示してくださって、自分の練習に時間を費やせるし、海外遠征などに伴って、そういった費用も支援してくれたりっていうことも増えてきています。

アメリカとかヨーロッパだったりすると、プロリーグが普通に存在していて、スポンサー企業でCM受けたりしてということがあるんですけど。一方でプロの世界は厳しくて。バスケットのリーグなんかでも、結果が出せないとクビ切られちゃったりするし。

──まさにプロの世界ですね

そのぐらいパラスポーツもレベルが上がってるんですね。
競争も激しくなってきてますし、それだけ力のある選手でなければプロとしては認められないとなっていくんだと思います。

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──新たなパラアスリートを発掘しようという動きもありますよね?
「パラアスリート発掘プロジェクト」「パラリンピック選手発掘プログラム」
これはどういったものなんですか?


パラリンピックを目指そうという選手を、もっと幅広く育てていこうというのが根本的な考え方にあると思うんですね。
スポーツやったことないし、でも、何か体動かしてみたいし、パラリンピックっていうのがこれだけあるから……自分も体を動かすのは好きだけど、どんなスポーツが合うのか分からないっていう人が、「パラアスリート発掘プロジェクト」「パラリンピック選手発掘プログラム」などの、いろんな体験会に参加することで、そのスポーツがどんなに面白いかとか、あるいは続けてみたいと思うかとか…いろんな体験会を通して、選手が自分の適性を見つけたり、コーチとか競技団体の人が、「この人だったら、この競技をやったら伸びるぞ」と思って声をかけたり。そういった出会いの場であったりもするんですね。

オリンピックなどのように、小さい時から同じスポーツを続けるっていうことが、必ずしもできるわけではないので。
子供だけではなくて、中途で、障害を負われた大人の方だったり、合わせて体験できるようになっているというのが、ひとつの特徴だと思うんですね。

──東京パラリンピックに向けての選手も発掘中なんですか?

そうですね。実際には、これから本当の意味で発掘された選手が、東京までの3年間で東京パラリンピックに出場できるぐらいに成長できるとかというと、もしかしたら厳しいところもあります。それだけ、パラリンピックは世界レベルの高い競技大会なので。
でも、最近取材して感じるのは、ここがきっかけで始めたっていう人が、実は競技で続々と活躍し始めてきているんですね。
やっと最近、日本でも成果が出てきつつあるなということを、競技会場で肌で感じるようになりました。


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