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Athelete News
17.05.13
世界への挑戦 ボクシング界の頂点を目指して
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今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦を控えた村田諒太選手にお話を伺いました。

村田諒太選手は、ロンドン・オリンピック ボクシングミドル級で、日本人として48年ぶりに金メダルを獲得しました。
そして、今月20日王座挑戦が決定しています。



──試合が1週間後に迫っていますが、減量はされるんですか?

しますよ、3週間くらいかけて7キロくらいですね。
僕の階級で7キロは楽な方で、それこそ最近の海外の選手なんて、僕らボクシングの計量は前日にあるんですね。
1日経って試合なんですけど、海外の僕の階級の選手だったら9キロ戻したりするんですよ。

──前日会った時とは別人になってますね

計量時はミドル級で、”いまクルーザー級じゃねえかよ!”っていう選手もいますよ(笑)。

──エネルギーを維持しながらどういう風に減量をするんですか?

ほとんど食べることができないので、必要な分だけ食べてて。
やっていると、”今日動くのにこれだけの量が必要だ”と思って食べるわけですよ。
普段、どれだけ必要ない分を食べてるんだと思うんですよね。

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──1日動くためだと、どれくらい食べるんですか?

時期によりますけど、スパーリングだったり激しい練習してる時期はしっかり食べますけど。減量期で、2時間くらい動かすくらいだったら、おにぎり2つとバナナくらいですね。

──村田選手は、ベストファーザー賞などイクメンに関する数々の賞を受賞されていますね

そうですね。ただ、いまが父親としては一番いいですよ。
もらっている時とか、大したことしてない時ですから(笑)。プロ来てチヤホヤされてる時って、横柄になるじゃないですか?
僕も横柄になっていた時期だったので、こんな時期にもらうたびに申し訳ないと思っていました。

──現在の方が育児に参加されているんですか?

今は妻が認めてくれてますよ。前から子供のことは好きだし送り迎えもしてましたけど。今の方がよっぽどいいと思いますよ。

──ちなみに、お子さんは何人ですか?

2人います、男と女、5月で6歳と3歳ですね。

──お子さん達は強くてかっこいいパパがいて誇らしいでしょうね

最近思うんですけど、ボクシングって比較することの最たるところにいるわけじゃないですか?
子供達を見ててと思うんですけど、最近の教育なんかは、比較、比較じゃないですか?あれに、今の人間たちは疲れてきてると思うんですよ。

比較というものの最たるところに父親がいるっていうのは”どうなんだろう?”って思うんですね。息子には、もっとボケーっと過ごさせてやった方がいいんじゃないかと思うんですよ。
東京という街じゃなくて、もっと田舎の方が子供にとってはいいのかなと思うんですよね。
殴り合ってどっちが強いかとやってるお父さん見て、どう影響するか心配ではありますね。

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──お子さんたちからは、試合の時にどんな言葉をかけられるんですか?

何も言われないですよ。パパ負けないでね、パパ怪我しないでねとか言ってくれますね。
「怪我しないでね」は一番大きいですよね。

──村田選手は北京オリンピックを逃して、ボクシングから離れた時期があるんですよね?

1年半くらいですね、大学でコーチとしてやっていたので動いてはいましたけど。

──その頃は奥様が家庭を支えられていたんですか?

この頃は逆に僕が支えてました。嫁と同棲し始めたくらいだったので、嫁の方が仕事忙しかったので、僕が先に帰って飯作ったりしてましたね。
現役復帰したいと思った時は2009年の年末くらい、現役復帰したいとなったときにガラッと変わったんですよ。
それまで僕が作っていたのが、嫁が作ってくれるようになって…そのあたりは本当に支えてくれましたね。

──守る家族ができて、戦うモチベーションは変わりましたか?

そうですね。2011年に子供が生まれて、そこから強くなったというか…国際大会とかで優勝したりするようになったので、それまで海外で勝てる選手ではなかったので、そういう意味では子供の存在は大きかったですね。

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──ミドル級にはWBAスーパー王者で、WBC IBF世界ミドル級王者 ゲンナジー・ゴロフキン選手が絶対王者として立ちはだかっています。いずれは挑戦したい気持ちはありますか?

ありますね、どうせやるんだったらっていうのはあって。結局、今いろんな団体とかがあって、その中でチャンピオンも複数いるので。
自分がボクシング始めた時の理由が、中学校の時に喧嘩とかするじゃないですか?
僕勝ったのに、次の日学校に行ったら、噂で僕が負けてるみたいになってて、その時に思ったのがボクシングだったんですよ。
リングの上で”どっちが強いか”みんなに見てもらって、誰が一番強いんだっていうのが分かりやすいじゃないですか。
”自分が一番だって見てほしい”みたいなところが原点だったので、それで言うと上がいるのに自分がチャンピオンっていうのも嫌なので、やりたいですね。

──来週に迫った世界戦に向けて、改めてかける思いを教えてください

世界戦に向けて、いろんな人が尽力してくれてこの世界戦にこぎつけることができたので、そのみなさんに恩返しできるような試合がしたいですね。

──今週も、村田選手にお気に入りの1曲を伺いたいと思います。村田選手にとって忘れられない曲、心の支えになっている曲がありましたら教えてください

Superflyさんの「Beep!!」っていう曲があるんですけど、僕がアマチュア時代にこの曲を聴いて、すごい歌詞が良くて。
”鏡の私と睨みあってみても、何も怖くない、だって弱虫でしょ、ギリギリで逃げるから、自由から遠ざかるばかりだ”と歌っているんですけど、勝負しないから自由になれないんだということで、その勝負するという気持ちをくれた曲です。
この曲を聴いて”よし!やるぞ!”と思って、世界選手権の時の2回戦で、世界選手権二連覇してる選手と当たったんですけど、それで勝って。そこから”俺もいける!”と思って、オリンピックまで繋がった曲なんですよね。


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