今週の「Athlete News」は、競泳元日本代表、松田丈志さんにお話を伺いました。

──去年、リオ・オリンピックの男子800mフリーリレーで銅メダルを獲得されました。そして、9月の岩手国体後に現役を引退されました。
やりきれた28年間という思いですか？

そうですね。やりきったという思いが強くて、前回のロンドンでは感じられなかった思いで…ロンドンの時は”まだやれるのかな？”って悩んでいたんですね。
2年ぐらい悩んでリオへの出場を決めたんですけど、今回は行く前から”これが最後のオリンピックだ”という思いを持ってやれたので、そう思うところまでやれたのが良かったですね。

──28年間、久世由美子コーチと二人三脚だったわけですけど引退をどう伝えたんですか？

リオに行く前ですね。5月、6月くらいから、リオが決まってトレーニングしてる時にはお伝えしましたね。
これで本当に最後だと思うので、リオに飛び立つ前には引退会見とか、引退の発表をするタイミングもある程度話をして行ったんですよ。リオでオリンピックは最後にして、レースを最後にするかというのも悩んだんですね。
結果、そのあとの国体でもう一度日本で泳いでから引退をしようと決めて、リオへ行く前から話はしていましたね。

──コーチの反応はどうでしたか？

僕が辞めるという話をしても、半信半疑というか、”本当にそれでいいのかな？”と思っているのか、寂しいという思いもあるかもしれないけど…もしかしたら僕が「またやります」って言い出すかもしれないと思っているところはありましたね。

──リオ自体も、行かれるのを迷われている時期もあったんですか？

ありましたね。それはロンドンオリンピック終わったあとは、僕自身は金メダルを目指してやっていたので、結果0.25秒届かなかったんですけど。
自分の力は出し切ったと思っていて、それでも目標まで届かなかったという部分で”まだやれるのかどうか？”というところで悩みましたね。
もう一度チャレンジ出来るならしたいけど、年齢のこともあるし、今回リオは32歳で出たので日本の競泳界で言うと最年長なんですね。自分にどういう泳ぎができるかわからなかったし、そういう意味ではすごく悩みましたね。

──日本の競泳陣はすごく仲のいい印象があるんですけど、実際はどうですか？

仲良いと思いますね。練習はきついんですけど、きつい練習中もお互い励まし合いながらやったり、食事の時もみんな賑やかですし、仲のいい雰囲気、明るい雰囲気に助けられてる部分があるんじゃないかと思いますね。

──個人競技なのに、チーム力が影響するというのは面白いですよね

最後、競泳は1人で泳ぐんですけど、その舞台に立つまでには苦しい練習を乗り越えないといけないし、いろんな人のサポートを受けて僕ら水泳をやっているので。
そういう意味では、自分だけの頑張りには限界があるので。周りの力を自分の力に変えていったり、選手同士で言ったらお互いアドバイスをし合ったりとか、苦しい時に励まし合ったり、応援すれば応援してもらえるし、そういう力が日々の苦しい練習を乗り越えるエネルギーになるので。
それで結果、強くなっていくというのはあると思いますね。

──”北島先輩のために、松田先輩のために”そういう思いが伸びる力につながりそうですね

そういう風になってくるし。康介さんも、きつい練習の時とかは「こんなのできねーよ」とか言うんですけど、それでもやり始めると人一倍頑張るんですよ。
そういう姿を見ると後輩たちも「康介さんがあれだけやってるんだったら、俺も頑張ろう！」となるし、リオの時はそういう存在になれるようにと思っていました。

──毎回ゲストの方にお気に入りの1曲を伺っています。松田丈志さんにとって忘れられない曲、心の支えになっている曲がありましたら教えてください

Mr.Childrenの「終わりなき旅」ですね。もともとミスチルが好きで、子供の頃からずっと聴いてたんですけど。
この曲は遠征に行く時の移動中に、自分の気持ちを盛り上げたい時は必ず聴いていた曲ですね。
歌詞も響きますし、僕はライブDVDを見るのが好きで、この曲をライブでやる時は桜井さんも気合入ってるし会場の一体感もすごいんですよ。動画を入れてるのでいつも動画で見てますね。



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