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Athelete News
17.01.21
Jリーグ最強の企画屋が考える次なる展望
今週の「Athlete News」は、川崎フロンターレ プロモーション部部長・天野春果さんにお話を伺いました。

天野さんは、数々のオリジナル企画でファンを喜ばせてきた、人呼んで”Jリーグ最強の企画屋”。
等々力陸上競技場では、宇宙や南極と交信したり、ゴジラとコラボしたりと、仕掛けた企画は数知れません。



──天野さんの企画はどのように生まれるんですか?

僕の場合は風呂に浸かりながら、スマホをいじりながらボーッとしてると、フロンターレと何かを融合していく…サッカーとは一番遠いものを想像するんです。
意外性、話題性を考えると、サッカーとは近くないものと結びつけたほうが面白いんですよね、
特に女性の方、小さい子供は90分間試合を集中して見れないので。サッカー以外のものを用意しておくと、皆さん馴染みやすいんです。

──印象に残っている企画は何ですか?

JAXAとNASAと一緒にコラボした、国際宇宙ステーションとつないだイベントですね。タイトルが「宇宙強大2DAYS」、僕の大好きな「宇宙兄弟」っていう漫画があって、そことコラボする時にタイトルを言うたびに、「宇宙兄弟」のPRにもなるっていう一石二鳥な事を考えて。

──そういうのもお風呂で思いつくんですか?

全部そうですね、朝1時間半、夜2時間入ってます(笑)。
どんなに睡眠時間を短くしても、それは死守してますね。
そういうアイデアが浮かばないと次に進めないので、そこの”一人お風呂会議”は十分とってますね。

──毎試合こういう事をしていると、サポーターからの期待も高まりますよね

フロンターレのサポーターもこれに慣れちゃってるので、「次は海底ですか?」みたいなことを言われるんですよ(笑)。

──逆に、その一言がヒントになって繋がったりするんですか?

そればっかりですね。サポーターはしがらみが無いじゃないですか?そのしがらみの無さが、それを形に出来たときは面白いので。僕はサポーターとよく喋ります。
僕が情報を欲していることを知っているので、みんな諜報部員のようにして僕に情報をくれるので。

──みんなで作り上げてるんですね

そうですね。企画を僕に言った人は、その後も絡まないといけないので、手伝ってもらわないといけないわけですよね。
なので、僕の場合はアイデアをもらうだけじゃなくて、サポーターであっても作り手の方として手伝ってもらいますね。

──東日本大震災から5年が経った去年、川崎フロンターレの新たなホーム、岩手県 陸前高田市で「高田スマイルフェス2016」を開催されました。
2011年の震災後から続けていた、被災地への支援という形から、地元への交流へと舵を切られたわけですけど、復興に向けてどういう思いですか?


2011年の震災があった時から、陸前高田に対して支援活動をしていたんですけど。
支援っていうのは、どうしても一方通行になってしまうので。最初はその形でいいと思うんですけど、時が経つにつれて、その形を変えていかないといけないんですよね。
被災地との関係は深まっていかないというか、支援には限界があるなと思ったので、途中から一方的な支援じゃなくて、我々も陸前高田に支援をするとともに、我々も陸前高田からいろいろなものを受け取って…それを相互支援と呼んでいます。
お互いが笑顔になれる関係を作っていく方法を考えたということですね。

──一緒に復興していくという感じですね

そうですね。街がどんどん変わっていくのは我々の喜びでもありますけど、大事なのは陸前高田と無理なく長く付き合う関係を築くことが大事なので。
陸前高田の美味しいものは、本当にたくさんあるので。
そういうものを川崎の方で生かせれば、高田を被災地として見るんじゃなくて、一つの観光地という目で見ていったほうが、長くいけるだろうと思って。

──地元だと気づかないその土地の魅力というものが、第三者の目だから見えることっていうのもいっぱいありますよね

高田の人に「美味しいもの何がありますか?」って聞いたら、「この街は、昆布しかねーからな〜」とか言うわけですよ(笑)。
「いやいや、牡蠣だってあるし、ホタテだってあるじゃないですか」と、色んな美味しいものがあるんですよ。
これは川崎にも言えることなんですけど、自分たちの街の良さっていうのは、あまり住んでる方は分からなかったりするので。
外から見てる人間の方が、そういうのは分かるかなと思いますね。

──昨シーズン川崎での20年の節目を終えて、今年からは2020年の東京オリンピック、パラリンピックの大会組織委員会に出向されるそうですが、現時点で考えてる企画、実現したいことはありますか?

オリンピックっていうのはスポーツの万博だと思っているので、多くの外国の方が来られるじゃないですか?
それで日本の良さをアピールして、観光大国にしていきたいなと思っていますね。日本って言うと、京都とか…典型的なところになってしまうんですけど。
実際、日本はいいところが沢山あるので、そこを知ってもらえば、もっともっと日本に興味を持ってもらえると思うんですよね。
多くの方が日本に来ようと思うだろうし、日本人もそういうものを知れば誇りに思うようになると思うんです。そういうことを、オリンピック通じてできたらいいなと思っています。

──天野さんにとって忘れられない1曲、心の支えになっている曲を教えてください

僕はナオト・インティライミさんの「未来へ」という曲ですね。
フロンターレの選手がナオトさんと仲が良いというのもあるんですけど、ナオトさんご自身もサッカーが好きで。
陸前高田でイベントをやった時に強力してくださったんですよ。
僕は、スポーツと音楽は人を幸せにする二大巨頭だと思っているので、それを融合したイベントにしたいと言ったら、ナオトさんが気持ちよく出ていただいて。
この曲を歌っていただいたんですよ、とても感動しました。

──そこで聴いた子供達も、生でナオトさんの曲が聴けたら一生の思い出になりますよね

目をキラキラさせながら聴いていたので、選手もそうでしたけど、その場にいる人たちが魅了されました。
音楽ってすごいなって思いましたね。


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