今週の「Athlete News」は、オリンピックで4大会連続のメダルを獲得した、女子レスリングの吉田沙保里選手です!吉田選手は日本代表コーチ、至学館大学 副学長に就任されました。
──リオオリンピック、試合が終わってすぐあとに「東京どうしますか?」と、ついつい聞いてしまいますが、東京は目指すんですよね?
目指す気持ちですけど、3年半後どうなるか分からないので、若い子たちも頑張って強くなってきていますしコーチとしての立場もあるので。
一緒に練習しながら勝ったら出たいというか、日本でオリンピックっていうのは、なかなか出来ないと思いますし。
これだけ知り合いができて、生で見てもらえるチャンスは東京しかないですから、この日本でやる意味、魅力を感じて、そこですぐ引退っていうのはなかなか言えない。そういう選手はほとんどいますね。
若い子たちは「東京目指します!」って言えますけど、30歳を超えてくると、競技の中でも平均年齢とかありますけど、それを超えた選手とか…やっぱり東京だから出たい、辞めるとは言えないという選手はけっこういますね。
──可能性をわざわざ自分から拒絶する事はできないですよね。続けていく中で結果として出られるなら、出たいという方も多いでしょうし
そこは挑戦しないと分からないことですし、誰もがわからない、自分本人も分からないので、挑戦することが大切かなと思いますし。
挑戦してダメでも、その時間は無駄にはならないので、頑張った分だけ次につながると思います。
──先月の24日、レスリングの日本代表合宿で選手兼任の女子代表コーチとしてデビュー。”代表コーチ”という肩書きがついて、変わった部分はあるんですか?
戸惑う感じですね。コーチって呼ばれ慣れてないとか、選手兼コーチだから、選手でも動かないといけないし、コーチでアドバイスもしないといけない…この日は複雑な感じになっていましたね。
──どのくらいのウェイトでやればいいのか難しいところですよね
自分の好きなようにやればいいと思うんですけど。それが慣れるまでは、アドバイスしないで自分の練習だけしてたら、”これはまずいのかな?”と思ったりとか、この時は思いましたね。
──母校の至学館大学で副学長というのは、2番目に偉いということですよね?
至学館の場合は、あと2人副学長がいて、3人目なんですけど。広報担当をやるという形で話が進んでいまして。
──レスリング以外の活動があったりするんですか?
至学館大学で学長と一緒に授業をしたり、会議に出たり…教授会とかいろいろありますので。
──コーチ業と副学長、相当お忙しい毎日じゃないですか?
一度きりの人生なので、やれる事をやりたいなと思いながら、それでダメだったとしても次のことを考えればいいかなと思いながら、いろんな方に周りで助けていただけるので、そこは助かってますね。
──リオオリンピックで金メダルに輝いた登坂絵莉選手、土性沙羅選手、小さい頃から吉田選手を慕ってる2人の活躍は嬉しかったんじゃないですか?
嬉しかったですね。絵莉も沙羅もそうですけど、川井梨紗子選手、その3人が金メダルをとってくれて。小さい時から私に憧れてくれて、「沙保里さんみたいになりたい」っていう言葉をずっと聞いていたので、まずリオに一緒に行けたことは一番嬉しかったですけどね。
「一緒に金メダルをとろうね、笑顔で帰ろうね」っていう話をしてて、私は負けてしまったんですけど、後輩たちが金メダルをとってくれて、こんなに嬉しかったことはないですし、土性沙羅に関してはうちの父の直の教え子でもありますから、父が生きてたら一番喜んでいたんじゃないかと思います。
──リオオリンピックの時も、お互いに声をかけ合ったりはしましたか?
私は登坂絵莉と2人部屋だったんですけど、試合前も緊張して「ドキドキしてきた」って言ってたんですけど。本番の日の朝、「沙保里さん、私負ける気がしないです!」と、行ってきますの前に言って「金メダル期待してるよ!頑張って!」と言いました。
「緊張せずに、いつもの絵莉を出せばいいから」ということを言って送ったんですね。そしたら、最後の最後まで諦めずに粘って、大逆転して金メダルをとってくれたんですけど。
土性沙羅も世界選手権とか3回出てて、金メダルをとったことがなかったんです。すごい緊張して、いつも自分の動きができないんですね。
このオリンピックは、決勝の前に喋る機会がありまして「沙保里さん、今回、全然緊張してないんです」って言うんですよ。で、金メダルがとれましたから。
”世界選手権で緊張するのに、オリンピックで緊張しないってどういうこと!?”って、私的には考えられないことなんですよ(笑)。
初めてのオリンピックを楽しんで、この子たちは自分の力を発揮できた。私はずっと緊張してましたから、”負けたらどうしよう…”という、プレッシャーは半端なかったですから。
──昔はそういう緊張はなかったんですか?
アテネの時はなかったですね。初めてなので、何が何だかわからない。”とにかくオリンピックで金メダルが欲しい!”という、その一心で戦ったという、それと似てるかもしれないですね。
この子たちもオリンピックで金メダルをとって人生変わっているので、それを経験するとキツイことを頑張って、良い事があると…良い事があると、次も頑張りたいと思うけど、”次負けた時にどうしよう…”っていう思いにならないでほしいんですよね。
そういう風になっちゃうかもしれないんですけど、やっぱり”絶対二連覇する!”っていう、初心を忘れず頑張ってほしいですね。
──ゲストの方のお気に入りの1曲を伺いたいと思います。吉田沙保里選手が試合前に聞いている曲や、心の支えになっている曲を教えてください
私はNEWSの曲が好きですね。試合前も歌を聴いて頑張る事ができているんですけど、背中を押してもらえる曲が多くていつも聴いていますね。
──特にお気に入りの曲は何ですか?
「HIGHER GROUND」ですね。私が負けた時に聴いて、また元気が出た曲というか。
何でも、それぞれに合わせて聴いてますね。
──試合前は音楽を聴いているんですか?
直前はあんまり聴かないですけど、寝る前とか移動中とかは聴いています。
──そういう時はアッパーな曲が多いんですか?
バラードもありますね。”今日は恋愛の曲”とか、西野カナちゃんとかけっこう恋愛の曲が多いので(笑)。
──試合前も?
試合前は恋愛の曲は聴かないです(笑)。
気合入るというか、応援ソングという感じの曲を聴きますね。
来週も引き続き、吉田沙保里選手にお話を伺っていきます。
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