今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、10月30日に青山学院大学の学園祭で行った、公開収録の模様をお届けしました。
ゲストには青山学院大学陸上競技部・原晋監督と、下田裕太選手をお迎えしました。
今週は、原晋監督が確立した5つの選手育成メソッドについて伺いました。
──原監督が確立した5つの選手育成メソッドを伺いたいのですが、1つ目が「選手と同じ目線に立つ」ですね
原監督:昔ながらのスポーツの現場にある、一方的に押さえる時代ではないんですよね。
情報は若い子の方が持っているんですよね、それを一方的に押さえつけるよりは、いかに心を開かせることに着目して目線を近くしてあげる。そういう指導を心がけていますね。
──2つ目が「毎月、半歩先の目標を書いて達成させる」
原監督:当然、妄想も大切なんですよ。30年後の自分がどうあるべきかという妄想も大切ですが、半歩先の出来る事、成功体験を掴ませる。そういうことが大切だと思います。
半歩先を出来ることを何回も繰り返して、気づくと20歩、30歩前進している。
“失敗は成功のもと”という言葉もありますが、成功に優る自信はないと思っているので。
どんな小さな成功でも、繰り返し身に付けさせることをしていますね。
──下田選手は、どんな目標を書かれているんですか?
下田選手:大会ではタイムとかもありますが、そのほかに毎日やることですね。
”ストレッチを何分する”とか、しっかり目標を明確にして、毎日積み重ねていって月の目標を達成するというのをやっていますね。
──3つ目が「数字よりも表情や行動を感じる」
原監督:練習をやった結果を一覧表にまとめて監督に報告するっていうのもありますけど。走っている姿ですよね。
同じ15分で、ペーパー上は15分でゴールした選手が10人いたとしても、その15分でゴールした直後の顔を見ると
”この子は余裕を持ってこなせた”、”この子は目一杯でこなせた”というところを見ていかないと、要は答えは現場にあるということなんですね。
下田選手:どれだけ選ばれたくて楽に走ろうとしても、きつい時はフォームとか顔に出ちゃうので、見られていると隠しようがないですよね。
──このタイムスケジュールは過密じゃないですか、1ヶ月毎に駅伝があって…ピーキングっていうのは難しいんですか?
原監督:ピーキングという訓練もさせているんですね。
必ず、その大会に出る時に自分の目標タイムを自己申告させているんですね。
どんな小さな大会でもさせているので、そこでのタイム設定が、自分が申告したタイムと、実際の数字がいい選手は合ってくるんですよ。
屋外のスポーツですから、気温、湿度、風だったり、対戦相手だったり、今は事前にスマホで大体わかりますから。
瞬時に把握して、自分の今の体調を把握させて、そういう訓練を日々やっているんです。これは大きな大会でも、だいたい合うはずなんです。
──4つ目のメソッドが「常に本番を想定する」
下田選手:青山学院の練習として、実践的な練習がいろんなところで、青山学院だけでやるんですね。
TT(タイムトライアル)であったり、ビルドアップだったり。
青山学院というのは、今で言えば、強い選手が集まっているので、そういう意味では常に本番というか…。
──同じチームメイトですけどライバル、固定されたメンバーはいないと思ってもいいんですか?
原監督:その中でも、家に例えても大黒柱がないと家は傾きますので、我がチームで言えば4年の一色
キャプテンの安藤、3年生の下田、田村の4人はチームの主軸ですね。
──それだけの責任感を持って、チームを引っ張っていかないといけないんですね
下田選手:そうですね。去年から今年は、青学の主軸という意識でやってきたので。
練習でも前に出てやっていますし、試合でもそれだけの結果を残さないといけないという危機感を持ってやっています。
──5つ目のメソッドが「若者の意見を潰さない」
原監督:これは昨今の管理者に言いたいですね、いろんなアイデアや発想を若者は持っていますから。
頭ごなしに否定してしまったら、発展性はありませんから。
──原監督が大事にしている言葉が「負けの美学に敗者なし」
原監督:部員が50人いれば、1番から50番、順番がつくんですよね。
じゃあ50番が悪いと言ったら、僕はそうではないと思うんです。
「ここまで頑張った!でも、下田には勝てない!」それは、僕は負けじゃないと思います。
”ここまで頑張った!っていうところまで頑張れよ”ということを、学生達に伝えてるんですよね。
──毎回、ゲストの方にお気に入りの1曲を伺っています。原監督が勝負の前に聞いている曲や、心の支えになっている曲を教えてください
原監督:最近はこれですね、我々世代はやはり、松山千春です!「君を忘れない」!
──最近聴かれているんですか?
原監督:うちのカミさんがコンサートに行ってきたんですね。
お土産にCDを持って帰ってきて、それを毎日のように聴いています。
──どんな時に聴かれるんですか?
原監督:心にグサっとくるものが、松山さんの曲ってありますよね。
生きるとか、チャレンジするとか、勝負の世界での気持ちというのが、なんとなく感じるものがありますね。
──来年の箱根駅伝にかける思い、青学三連覇への意気込みを聞かせてください
原監督:多くの皆さん、期待されていると思います。ほぼほぼ順調に仕上がっていますので、感染症、ノロウィルスやインフルエンザ等がなければ、三連覇いけると思います!期待していてください!
下田選手:出雲は、自分の中で納得のいかない走りだったんですけど、ここまで調子上げてきてますので期待していてください!三連覇します!
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