今週の「Athlete News」は、リオオリンピックの男子卓球・シングルスで銅メダル、団体で銀メダル、2つのメダルを獲得された水谷隼選手をゲストにお迎えして、お話を伺いました。


──今回のリオオリンピックは初めてづくしでしたけれど、どのあたりで手応えを感じましたか？

出場するにあたり、シングルスで第3、第4シードを取れたんですよ。
準決勝まで中国選手と当たらないということで、組合わせを見たときに相性がいい相手ばかりで、今回はいけるんじゃないかと感じました。

──卓球というと福原愛選手がいるので、女子が注目を浴びていましたが
男子の試合はちょっと違うじゃないですか、スピード、試合展開の早さ…”台からあんなに離れたところから打ち込めるんだ”みたいな

男子は台から距離をとりますよね、ダイナミックなラリーが魅力ですから。

──離れている中でも打ち分けをするものなんですか？

しますね。毎回、回転を変えて打ちづらくなるように、上手く返球してるんですよ。

──サーブは何種類くらいあるんですか？

僕は20種類くらい出せると思います。平均は、だいたい10種類くらいですね。

──それぞれに打ち返し方あるんですか？

1種類ずつ回転が違うので、見て回転を見極めて、それに合った角度調整をしないと全然違うところにいってしまいますから。

──個人では銅メダル、団体で決勝までいきましたね

準々決勝で香港に勝ったんですけど、ロンドンの準々決勝で負けている相手だったんです。準決勝でドイツに勝ったんですけど、北京オリンピックの準決勝で負けてる国だったんですね。そういう意味でも、両方の国にリベンジが出来ました。

──日本のチームワークはどうでしたか？

悪くはないと思います。仲はすごくいいですけど、常にあまり会話しないんですよ（笑）。

──普段は選手としてライバルなわけですよね。それが試合ごとに選手の組み分けがあって、あまりコミュニケーションはしないんですか？

みんな1人が好きなので、選手村とかでも1人で引きこもってますね（笑）。

──動画で相手選手の研究をしようとかはないんですか？

多少しますけど、主にはしないです。お互い知り合ってるので、そんなに深く研究はしないですね。

──団体の決勝戦でも一進一退だったじゃないですか、どんなことを考えてプレーされていたんですか？

決勝でやった中国の選手とは、過去に12回試合をしていて、一度も勝ったことなかったんですよ。
いつかリベンジしたいと思っていたんですけど、12回も負けているから1回勝っただけでは満足できないので、それを1回でリベンジするためにはオリンピックの舞台しかない、オリンピックで勝てれば今まで負けてきた分はチャラだなと思って。その気持ちを全部ぶつけました。

──メダルへの力になったのは、ご家族の力が大きかったんですか？

嫁が現地に来てずっと応援してくれました。見ていると、”やばい、嫁の前で負けられない！”という気持ちが強くて…嫁が悲しむ姿を見せたくないですよね。

──結婚して愛する人がいて、さらに守るべき存在ができる…心境の変化は大きかったですか？

子供が出来てから、試合をする度に”この子のために絶対勝とう！”と、毎回思えるので。
苦しくなった時に子供の顔を思い浮かべると力をもらえますね。

──お子様が2歳ということで、東京オリンピックでは6歳になりますね

東京でオリンピックが開催されると決まって、もともと、リオで卓球をやめようかなって悩んでいたんですよ。
オリンピックが東京となった瞬間に、”これは東京までやらないとダメだな！”と覚悟が決まって、子供も観に来れると思うので、そこで最高の結果を残したいですね。

────毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。水谷選手が試合前に聞いている曲や、心の支えになっている曲を教えてください

僕はゆずの「栄光の架け橋」を聴いてました。オリンピックになるとこの曲を聴きたくなるんですよ。
アテネはテレビで見てましたね、体操の着地が決まった瞬間は最高ですよね、今見てもじーんと来ますね。

──オリンピックに対する思いが強くなったわけですか？

”ここでメダルをとったらどんな気分になるんだろう”って、小さい時から思っていました。

──実際にメダルを手にした時はどんな思いになりましたか？

言葉が全然出てこないですね。
今まで、いろんな大会でメダルとってきましたけど、”何ものにも比べられないこの重さはなんだろう？”と思いました。

来週も引き続き、水谷隼選手をお迎えして、水谷選手の噂の真相をお伺いしていきます。


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